月経の不調は病気のサインを
定期的な検診を受けたり、 困ったときに相談したりできるよう、
自分のことを良く知ってくれている
「婦人科のかかりつけ医」を 早めに探しておくと安心です。
早く知る手掛かりにもなります。
女性なら検診などでなにかとお世話になる機会も多い婦人科。
しかし「なんとなく行きづらい」「内診がちょっと・・・」と、抵抗を感じやすいのも事実です。
そこで、婦人科に関するよくあるQ&Aをまとめてみました。
産婦人科は、産科と婦人科の両方を兼ねた病院です。産科では、妊娠して出産する人のための検査や治療を行います。婦人科では、それ以外の女性特有の病気を診ます。
婦人科は、月経やおりものの悩み、子宮、卵巣、乳房の病気、性感染症、PMS/PMDD、更年期障害、避妊、不妊の相談など、女性の幅広いトラブルに対応してくれます。また、からだに異常がなくても、ピルの処方や月経日をずらす相談にものってくれます。
妊娠以外の受診理由で、まわりが妊婦さんばかりで気になるという人は、婦人科のみの病院を選ぶといいでしょう。
どこかおかしいと感じたら、何歳であっても行くべきです。とくに病気の症状がなくても、悩む前に気軽に行ってみましょう。そして、20歳になったら、年に1回定期検診を受けることをおすすめします。子宮がんなど、定期的な検診を受けることで発見できる病気もあるので、がん検診もあわせて受けておくとさらに安心です。
月経不順、ひどい月経痛やPMS/PMDD、下腹部の痛み、外陰部のかゆみなど、日常生活に苦痛を感じる症状があるなら早めに行くべきです。ほかにも、いつもと違う症状に気づいたら、悩む前に受診すること。また、次のような症状がある人は、病気のサインかもしれません。一度相談してみることをおすすめします。
<こんな症状ありませんか?>
・おりものの異常(色や状態が違う、悪臭がする、量が多すぎる、血が混じるなど)
・PMS/PMDDがひどい(月経前の7~10日間、心身にあらわれる不快な症状で、頭痛、腹痛、便秘、肌あれ、むくみ、イライラ、食欲増など)
・月経の異常(月経痛がひどい、月経が半年以上こない、周期が短い・長い、期間が長い、経血量が増えたなど)
・外陰部の異常(できもの、かぶれ、はれ、かゆみなど)
・不正出血(月経時以外の出血、セックスの後の出血、閉経後の出血、便や尿に血が混じるなど)
・痛み(下腹部の痛み、排便や排尿のときの痛み、セックスのときの痛み、腰痛など)
・乳房の異常(痛み、へこみやひきつれがある、しこりがある、出産していないのに母乳が出るなど)
※乳房は、基本的には乳腺外科・乳腺科で診療します。
・更年期障害がひどい
・その他(トイレが近くなった、下腹部がぽっこり出てきた、便秘、肌あれなど)
一般的に電話で問い合わせができるのは、診療時間、すいている時間帯、検診の費用など、その病院全般のことになります。「こんな症状がありますが、行ったほうがいいですか?」と相談しても、受診せずに医学的な回答をしてもらうことはできません。
また、女性医師にかかりたい場合は、電話予約時に指名が可能か相談したり、女性医師の診察日と時間を確認したりできます。
病院や診察の内容によって、費用は異なります。基本的には、治療ではない妊婦健診や定期検診、がん検診の場合には保険は使えません。例えば、婦人科検診を全額自己負担で受けた場合、5,000~10,000円程度かかるようです。初めての病院なら、これに初診料がプラスされます。もちろん、異常があって受診した場合は、治療になるので保険が使えます。検査をして異常が見つかった場合も、治療の一環として適応されます。そのため、保険証は必ず持参しましょう。
自治体によっては、20歳以上の人には無料や低料金で子宮がん検診を行うところもあるので、問い合わせてみてください。
内診は、腟鏡(腟の壁を広げておくための器具)を入れて腟内を見たり、腟に指を入れて子宮の大きさやかたさ、位置などを触って調べます。婦人科の主要な診察方法なので、必要なら受けたほうがいいでしょう。ただ、どうしても抵抗がある人には強制的に行うものではありません。もちろん、月経日をずらす相談など、内診の必要がない場合や、症状によっては問診時に相談すれば、内診しない代わりに超音波検査をすることもあります。とはいえ、内診しないと発見できない病気も多いので、婦人科の先生の判断にまかせるべきでしょう。
がん検診の場合は、結果が不正確になることもあるので、月経日は外したほうがいいでしょう。おりものの悩みがある人も、月経中だとおりものの検査ができません。それ以外で受診する場合は、とくに気にする必要はなく、ひどい月経痛の人は、むしろ月経中に受診したほうがいいでしょう。
旅行や学校の行事、大事な仕事などで月経日をずらしたいときは、婦人科でホルモン剤を処方してもらえます、ただし自費診療です。長期の旅行などで早めたいと思う人はできるだけ早く、遅らせたい場合は月経予定日の1週間前には行きましょう。前回の月経がはじまった日と月経周期を伝え、ずらす理由によって早めるか遅らせるかを相談し、薬の飲み方の説明を受けます。
内診は下着を脱いだ状態で診察するので、フレアースカートやプリーツスカートなど、内診台の上でめくれるゆとりのあるスカートがいいでしょう。下着を脱ぐだけですむので、パンツよりスムーズに診察できます。着脱に時間がかかるようなブーツやボディスーツなどは、避けた方がいいでしょう。
問診では必ず、前回の月経日や周期を聞かれます。基礎体温表をつけている人は、忘れず持っていきましょう。基礎体温表を見れば、月経の周期だけでなく、グラフが低温期と高温期の2相になっているか、すなわち排卵しているか、ホルモンは順調に出ているかなども確認できます。1周期分でも構いませんが、できれば2周期分以上の記録があると、医師が様々な判断をしやすくなります。
つけていない人は、この機会につけてみませんか? とくに月経不順や不妊で悩んでいる人は、つけることで、原因や解決法が見つけやすくなります。
腟に薬を入れたり、検査によっては出血したりすることもあるので、ナプキンを用意しておくと安心です。病院にもナプキンの用意はあるので、忘れて困ったときは遠慮なく聞いてください。また、病院によってはタンポンを入れてくれることもあります。その際は、出し忘れないように気をつけましょう。
子宮頸がん、クラミジアの検査では、子宮の入り口部分、子宮体がんの場合は、器具を使って子宮内膜の細胞をとって調べます。このとき、細胞をこすりとることで傷ができ、少し出血してしまうこともあります。
内診の前には外陰部を消毒するので、とくに洗っていく必要はありません。いつも通りで大丈夫です。逆に、診察だからといって腟の中まで必要以上に洗わないこと。おりもの検査をする場合など、正しい結果が出ないこともあります。
経腹超音波検査をする場合は、尿がたまっていたほうが子宮の状態が見やすくなります。逆に、経腟超音波検査や内診、子宮がん検診は排尿をすませてから行います。尿検査をする場合もあるので、あらかじめ行っておく必要はとくになく、指示を受けてから病院ですますといいでしょう。
20代になると、妊娠や検診をきっかけに婦人科デビューする人が増えてきます。からだのトラブルでは、月経不順や月経痛など、月経に関する悩みが多いようです。
<H子>
24歳。独身。出産経験、婦人科受診経験なし。月経周期が不安定で2カ月こないことも。基礎体温表をつけはじめたものの、グラフがガタガタでちゃんと測れているのか不安…。母親が子宮筋腫の手術をしたこともあり、遺伝が気になる。
(1)受付・問診票記入
受付で予約の時間と名前を伝えます。保険証を提出したら、カルテ作成用の質問用紙を渡されました。待合室のすみに仕切りのあるコーナーがあったので、そこでゆっくり落ち着いて質問用紙に記入します。基礎体温表を持って行ったおかげで、月経日や月経の期間もスムーズに書けました。気になっていた子宮筋腫の遺伝のことも書き、受付に提出。
※一般的な問診票の質問項目は、来院理由、初経の年齢、いちばん最近の月経日、月経の期間、性交渉の有無、妊娠経験の有無、大きな病気をしたことがあるか、薬や注射でアレルギー症状が出たことがあるかなど。ほかにも自分のからだについて医師に知っておいてもらいたいことがあったら、記入しておくといいでしょう。
(2)体重・血圧測定
診察の順番を待っている間に、体重と血圧を測りました。月経不順は急激な体重減少が原因のこともあるので、問診前に確認しておくそう。また、ピルの処方を希望する場合は血圧チェックも重要。血圧が高いとピルは処方できないそうです。
(3)問診
カルテを見ながら先生の質問に答えていきます。
先生:「月経が不順なのね。どれくらい不順なの?」
H子:「仕事が忙しかったり、ストレスがたまると2カ月くらいこないときがあるんです」
先生:「ふだんの周期は?」
H子:「早くても35日で、おそいと55日ぐらいです」
先生:「月経の期間と量は?」
H子:「5日か6日です。量は2、3日目は多いですが、特別多いわけではないと思います」
先生:「月経痛はひどい?」
H子:「1、2日目はけっこうつらいので、市販の薬を飲んでいます。あと、月経前になると口のまわりにニキビができるんです…」
先生:「口のまわりにできるニキビは、卵巣がきちんと働いていないことも考えられます。基礎体温は測っていますか?」
H子:「はい。持ってきました。まだ慣れていなくて、グラフもガタガタだし、ちゃんと測れているのか…、測り忘れる日もあるんです」
先生:「測り方も測り忘れも、そんなに気にしなくていいのよ。ほら、ちゃんとグラフが2相になっているし、排卵もきちんとしているから大丈夫。念のため、子宮と卵巣を診てみましょう」
※質問用紙の内容以外に、食欲、排便の習慣、虫垂炎(盲腸などの手術歴)、避妊の方法などを聞かれることもあります。正直に答えましょう。また、つきそいの人が傍にいると、本人が答えにくいこともあるようです。ちょっとしたことでもウソの申告があると、それが大きな誤診の元になることもあるので、本人がきちんと話せる場合は、つきそいの人は診察が終わって最後に話を聞くときまで、診察室には入らないほうがいいでしょう。
(4)腟鏡、内診
看護師:「靴をぬいでスリッパにはきかえて、下着をとってくださいね。スカートはそのままでいいですよ」
内診台は先生がボタンを押すと、自動で台が後ろに倒れ、からだが水平になった状態でストップ。足を上げてひっくり返っているような体勢になります。カーテンをひくかひかないかは自分で判断していいそうです。
先生:「からだに力が入らないように、おなかで大きく息を吸ってから吐くとリラックスできますよ。最初に腟鏡で腟の状態を見ます。びらんや腫れているところはないですね。次に指で、子宮の位置やかたさ、筋腫があるかを調べます。卵巣の大きさも確認します。痛いところがあったら遠慮なく言ってくださいね」
H子:「だ、だいじょうぶです」
先生:「子宮後屈のようね。これで月経痛がひどくなることもあります」
H子:「…なあんだ、思ったよりあっという間。内診も、おっ?おっ?って感じはあったけど、痛みもほとんどなくてよかった…」
※腟鏡のサイズは、SSSからSS、S、M、Lまであり、性交経験、出産経験の有無や体格によって使い分けます。
(5)経腟超音波検査
内診に続き、経腟超音波検査を行います。腟の中から超音波によって子宮と卵巣の状態を見てもらいます。腟の中に先の細い器具を入れますが、原則、痛みはありません。
※経腟超音波検査では、子宮の後ろ側まで見ることができ、子宮内膜の厚さ、卵巣の大きさなど、腹式超音波検査より正確にわかります。排卵の有無もわかるため、不妊治療にも使います。
先生:「ほらこれがあなたの子宮よ。その両脇に卵巣があるでしょ」
H子:「えっ、これで見えるんですか? 言われてみると黒っぽいところが卵巣のような…」
先生:「筋腫も内膜症もないし、きわめて普通の子宮ですね」
H子:「ほっ、よかった」
(6)診察結果
先生:「とくに異常はないですよ。子宮筋腫の遺伝を心配しているようだけど、遺伝性がある病気ではないので大丈夫ですよ。でも、30代になると増えてくる病気ですし、これからも年に1回定期検診しておくと安心ですね」
H子:「はい、そうします。異常ないってわかって安心しました! ありがとうございました」
(7)会計
私の場合は「卵巣機能不全」の症状があったので保険がきいて、初診料と合わせて2,500円くらいでした。年齢や症状によっては、採血や尿検査、子宮がん検診などが追加されます。その他、診察の方法や順序、保険がきくかどうかも、病院や症状によって異なるそうです。
~20代のみなさんへ~
まだ早いと思わずに、年1回は検診を受けてほしいと思います。初診でも恥ずかしがらずに、自分のからだのことを正確に伝えてほしいですね。どこが、どんなときに、どのように痛いのか、思いあたる原因はあるかなど、はっきり答えてもらえると、その後の診察もスムーズです。答えにくいこともあるかもしれませんが、正しい診断をするために、正直に話してほしいと思います。
また、基礎体温表をつけているなら、ぜひ持ってきてください。つけていなくても、最近の月経開始日、周期、期間のメモがあると、問診がスムーズに進みます。意外に多いのが、月経周期の数え方を知らない人。「月に2回月経がある」などと証言する人がいますが、月経周期できちんと答えられることが大切です。なお、月経周期は月経開始日を1とし、次の月経の前の日までを1周期と数えます。
出産や検診などを経て、内診にも慣れてくる30代。同時に、がんや子宮筋腫など病気の心配も増えるので、年1回の定期検診を習慣づけたいですね。
<M子>
32歳。独身。出産経験なし。10代からひどい月経痛に悩まされ、婦人科は慣れっこ。最近は月経痛だけでなく、イライラや吹き出物などPMS/PMDDの症状もひどくなっている気がする。30代に多いと言われる子宮の病気も心配。
(1)問診
先生:「どうしましたか?」
M子:「月経痛は昔からあったんですけど、最近とくにつらいんです。月経前におなかがはったり、体温調節ができなかったり、頭痛、腹痛もひどいです」
先生:「30代前半は、ホルモンの分泌がいちばん盛んなときなので、月経痛やPMS/PMDDの症状が強く出るんです。これは、成熟した健康な女性にはよくあることなので、うまく乗り切ることが大切よ。つらいとき、鎮痛剤は飲んでいますか?」
M子:「いいえ。薬は飲まない方がいいような気がして…」
先生:「つらいときは、市販の薬でいいので飲んでみてください。我慢するのがいちばんよくありません。でも、薬が効かなかったり、すごくつらいようなら、今回みたいに早めに病院にきてくださいね。月経痛がひどくなったり、量が増えたりするのは病気のサインかもしれないから。では、検査してみましょう」
(2)腟鏡、細胞診
内診台の上で、腟鏡を入れ腟の状態を見ます。そして検査用の器具で頸部の細胞をこすりとります。痛みはほとんどありません。
(3)内診、経腟超音波検査
内診台の上で、腟の中から超音波によって子宮と卵巣の状態を見てもらいます。腟の中に先の細い器具を入れられますが、痛くはありません。
※経腟超音波検査では、子宮の後ろ側まで見ることができ、子宮内膜の厚さ、卵巣の大きさなど、腹式超音波検査より正確にわかります。排卵の有無もわかるため、不妊治療にも使います。
(4)診察結果
先生:「細胞診の結果は後日出ますからまた、結果を聞きに来てください。内診では、とくに異常はありませんでしたよ。でも、少しでもおかしいなと思ったら、気軽に受診してくださいね。30代以降の女性の5人に1人はもっていると言われる子宮筋腫、子宮内膜症のどちらも、定期検診で内診と超音波検査をすればわかる病気ですから。定期検診は受けていますか?」
M子:「はい。毎年会社で受けています」
先生:「そのときに、子宮がん検診も一緒に受けるようにしましょうね」
M子:「はい、そうします。ありがとうございました」
~30代のみなさんへ~
30代はホルモンが成熟するため、月経痛やPMS/PMDDが最もひどくなるときです。つらいときはまず、市販薬で対処してみるのもいい方法。ただし、月経量が異常に増えた、1、2日だけでなくずっと月経痛がある、薬を飲んでも痛みが治まらないというようなときは、子宮筋腫や子宮内膜症の可能性もあるので、早めに病院で診てもらってください。
子宮がん検診は、20歳くらいから1年おきに受けてください。性交があるなら、年に1回受ける習慣をつけましょう。自治体によっては無料や低料金で行うところもあるので、問い合わせてみてください。また会社でも、婦人科検診に補助がでるところや、社員の健康診断にオプションで婦人科検診があるところがあります。積極的にそれらを利用しましょう。
子宮や卵巣、乳房のがんをはじめ、病気の心配が増える40代にとって、定期的ながん検診はとても大切です。また、更年期障害の悩みで受診する人も増えてきます。
<K子>
46歳。既婚。子どもは1人。出産以前から月経痛や月経不順でとくに悩んだことはなかったが、最近は、発汗やむくみなどが気になり、更年期障害では?と不安になっている。子宮がん検診は毎年受けている。
(1)問診
先生:「どうしましたか?」
K子:「最近、汗をかきやすくなったり、月経中や月経前でもないのにイライラしたりするんです。今までは全然そんなことなかったので、更年期がはじまったのかなと思うのですが…」
先生:「ほかに気になることはありますか?」
K子:「関節が痛くなったり、肩こりもひどくなったような気がします」
先生:「更年期障害はホルモンバランスのくずれが原因なので、血液検査でホルモン値を調べてみましょう」
K子:「はい」
(2)血液検査
採血をして、血液中の卵胞ホルモンと卵胞刺激ホルモンの量や状態、肝機能などを調べます。気になる症状が更年期障害からなのか、ほかの病気が原因なのかを判断するそうです。
(3)診察結果
先生:「血液検査の結果では、卵胞ホルモンが不足していました。やはり更年期に入りかけていますね。まずは、漢方薬で治療してみましょう。漢方薬としては、23番・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、24番・加味逍遙散(かみしょうようさん)、25番・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などが使われ、体質によって使い分けたりします。あなたの場合、23番でやってみましょう。1日3回、食前にのんでください。まず2週間のんで様子を見てみましょう」
K子:「原因がわかって気が楽になりました。ありがとうございました」
※閉経後の更年期障害の人には、ホルモン補充療法(卵胞ホルモンと黄体ホルモンを組み合わせて使います。ホルモン剤は、錠剤だけでなく貼る、塗るタイプもあり、どのタイプを使うかは医師と相談して決めます。
~40代のみなさんへ~
女性は50歳までに約半数が閉経を迎えます。閉経前後に現れる更年期の症状はさまざまなので、つらいようならK子さんのように気軽に婦人科に相談してください。漢方薬やホルモン剤のほかに、鎮静剤や抗うつ剤なども症状に応じて処方してもらえます。
40代以降は、子宮体がんや卵巣がんの発病率も高くなります。とくに、気をつけてほしいのは不正出血です。更年期の月経不順と病気の症状は区別がつきにくいので、不安な場合は受診してください。
子宮体がんの検査は、子宮頸がんの検査より、細胞をとるときに少しだけ痛みがありますが、早期発見の唯一の手段です。卵巣がんは初期症状がほとんどなく、子宮がんより発見が難しい病気ですが、内診や超音波検査によって卵巣の異常が見つかることがありますので、子宮がん検診の際に、一緒に見てもらうといいでしょう。
監修/東京大学病院 秋野なな先生