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LESSON 1

思春期ししゅんきのからだ

女の子も男の子も、このごろ少し、からだが変わってきた感じ? おとなになるしたくをはじめた、みんなのからだのこと、きちんと知っておきたいですね。

思春期ししゅんき”という時期じきに、さしかかりました

小学校の高学年くらいになると、みんなのからだは、そろそろおとなになるしたくをはじめます。
わきの下や性器せいきに毛(性毛せいもう)がはえてくるのは、そのしるし。このほかに、女の子と男の子のからだには、それぞれちがう変化へんかがあらわれます。この変化は18さいぐらいまでつづき、みんなのからだは、だんだんおとなになっていきます。
この変化の時期じきを「思春期ししゅんき」といいます。思春期は、からだだけでなく、心もおとなになっていくときです。

からだの変化のひみつは“ホルモン”

女の子のからだに必要ひつようなのが「女性じょせいホルモン」、男の子のからだに必要なのが「男性だんせいホルモン」というものです。
これらのホルモンは、みんなが小さいときは、まだつくられていませんでした。でも、思春期になると、のうから「ホルモンをつくりなさい」という命令めいれいが出るようになります。
ホルモンは、血液けつえきといっしょにからだ中にはこばれ、みんなのからだをおとなへと成長せいちょうさせます。

からだの変化

男の子と女の子のからだの変化のイラストイメージ。からだの変化には個人差がありますが、男の子はひげがはえ、声変わりし、のどぼとけが大きくなり、射精がおこる。女の子は胸がふくらみ、おしりもふっくらし、おりものや月経がはじまる。男女共にわき毛や性毛がはえ、性器が発達する。

2人の女の子がおとなになりはじめたからだについて会話しているイメージ。「と、だんだんおとなのからだになっていくわけだ!」「ホ〜ッ …でもあたりまえか…」

ホルモンによって目をさますからだ

女性ホルモンのはたらきによって、女の子のからだは、見た目がずいぶん変わってきます。でも、見た目だけではなく、からだの中でも大きな変化へんかがはじまっているのです。
わたしたちのからだには、心臓しんぞうはいなど、生きていくために必要ひつよう器官きかんがたくさんありますね。女の子も男の子も、このほかに、赤ちゃんをつくるための「性器せいき」という大切な器官を持っています。
性器せいきは、あなたたちが小さいときには、まだはたらかないで休んでいました。それが、ホルモンによって目をさまして活動かつどうをはじめ、女の子はやがて「初経しょけい」をむかえます。

女の子の“性器”のしくみ

女の子の性器は、外から見えるところ(外性器がいせいき)と、からだの中にかくれているところ(内性器ないせいき)に分かれています。
内性器には、赤ちゃんのもとになる卵子らんしを育てる「卵巣らんそう」、卵子を子宮しきゅうに送る「卵管らんかん」、赤ちゃんを育てる部屋「子宮」、そして子宮からからだの外へつづく「ちつ」があります。

たいせつな自分のからだのことだからちゃんと知っておこうね!と、女の子が本を片手に話しているイメージ。

女の子の性器

女の子の性器のイメージ。

女の子の性器のイメージ。

女の子の性器のイメージ。

  • ●卵巣 らんそう

    子宮の左右にあって、親指ぐらいの大きさ。赤ちゃんのもとになる「卵子」を育てるところ。

    脳から命令をうけて女性ホルモンをつくるのもここ!との吹き出し。

    ●卵管 らんかん

    子宮から左右にのびた10cmほどのパイプ。

    卵巣からとび出た卵子を、ラッパみたいな口でうけとめて子宮に送りますとの吹き出し。

  • ●子宮 しきゅう

    おへその下あたりにある西洋ナシの形をした器官。 妊娠すると、赤ちゃんはここで大きくなります。

    ●腟(ワギナ) ちつ

    子宮の出口から、からだの外までつづいている器官。

    このあとお話する月経血(げっけいけつ)のとおり道で赤ちゃんもここをとおって生まれてきますとの吹き出し。

だんだんおとなの男性にちかづいていきます

男の子のからだは、小学校の高学年くらいになると、男性だんせいホルモンのはたらきによって、男性特有の変化がはじまります。
がっちりとしたからだつきになってきて、声変わりがはじまったり、ひげがはえてきたりと、女の子とはちがう変化がおこるのです。
また、性器せいきが発達してきて、やがて「精通せいつう」をむかえます。精通とは、初めての「射精しゃせい」のことで、ペニスから、精液せいえきがとび出すことをさします。
精通は、早い人で10歳、おそい人だと18歳くらいにむかえます。はっきりと気がつかないうちにはじまる人も多いようです。

男の子の“性器”のしくみ

男の子の性器も、外から見えるところ(外性器がいせいき)と、からだの中にかくれているところ(内性器ないせいき)に分かれています。
男の子の性器は、「ペニス」と「いんのう」以外のすべてが内性器です。赤ちゃんのもとになる精子せいしをつくる「精巣せいそう」、精子のとおり道「精管せいかん」、精液をつくる「前立腺ぜんりつせん」などをまとめて、内性器とよんでいます。

男の子の性器

男の子の性器のイメージ。隣で子供が「男性ホルモンもここでつくられるんだって」と教えてくれている。

男の子の性器のイメージ。隣で子供が「男性ホルモンもここでつくられるんだって」と教えてくれている。

男の子の性器のイメージ。隣で子供が「男性ホルモンもここでつくられるんだって」と教えてくれている。

  • ●ペニス

    おちんちんとよんでいるところ。「陰茎」ともいいます。

    ●陰のう いんのう

    精巣が入っている袋のようなもの。

    ●精管 せいかん

    精巣でつくられた精子のとおり道。

    ●前立腺 ぜんりつせん

    精子は、ここの分泌液とまざって、「精液」となります。

  • ●精巣 せいそう

    ペニスの根元にある球形のもので、精子をつくるところ。「睾丸」ともいいます。精巣がからだの外にぶらさがっているのは、精子が熱に弱いので、体温より低く保つためです。

    ●尿道 にょうどう

    おしっこの出るところ。精液がからだの外へ出るときのとおり道にもなります。

女の子の初経と、男の子の精通。みんな、「いつ経験けいけんするのかな……」と、ドキドキしているところでしょうか? なかには、「もうはじまってるよ!」という人も、いるかもしれませんね。
女の子は、12歳で初経をむかえる人がいちばん多くて、次が13歳、11歳となっています。でも、早い人は9~10歳、おそい人は16歳くらいと、人によってかなりちがうものです。
精通をむかえる男の子は、12歳ごろからふえはじめ、13歳でむかえる人が、いちばん多くなっています。ただし、早い人は10~11歳、おそい人は18歳くらいと、こちらも人によってずいぶんがあります。また、男の子の場合、「いつ精通をむかえたか、はっきりとはわからない」という人も多いようです。
初経や精通だけでなく、いろいろなからだの変化は、とても個人差こじんさが大きいものです。人とくらべて、あせったり、心配しんぱいしたりしないでください。

そしてもちろん、「おとなになる」ということは、初経や精通をむかえることだけをさすのではありません。ですから、毎日いろいろな経験をつみかさねて、少しずつ、心もすてきなおとなになっていってほしいと思います。

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