おりものについて

おりものをチェック

量をチェック

●正常なおりものの量は?

おりものが少しあるだけで「何か異常では?」と心配する人がいます。でも、おりものには腟の自浄作用など大切な働きがあるので、いつでも多少あるのが正常な状態です。
おりものの悩みでもっとも多いのは、「量が多い」というケース。おりものの量は個人差が大きいうえに、その人の感じ方も違うので、正常かどうかをチェックするのはちょっと難しいところです。
ひとつの目安としては、パンティライナー(おりものシート)でカバーできるようなら正常の範囲内と思っていいでしょう。パンティライナーでは間に合わず、生理用ナプキンが必要な場合は何か異常のある可能性が高くなります。


●量が多くなるとき、少なくなるとき

おりものの量は、女性ホルモンのひとつである卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌に比例します。
初経の頃、卵胞ホルモンの分泌がはじまると、おりものもたくさん分泌されるようになります。
月経が安定し、規則正しく来るようになると、排卵の頃(月経と月経の中間あたり)には、卵胞ホルモンの分泌が多くなるので、おりものの量が増えるのがふつうです。この時期に、卵の白身のような粘り気のあるおりものが多く分泌されるのは、ごく一般的なことなので心配ありません。
また、妊娠中も卵胞ホルモンの分泌が多くなるので、おりものの量が増えます。

卵胞ホルモンの分泌とおりものの量が、比例しているとわかるグラフ。

卵胞ホルモンの分泌とおりものの量が、比例しているとわかるグラフ。

卵胞ホルモンの分泌とおりものの量が、比例しているとわかるグラフ。

一方、おりものの量が少なくなるのは、女性ホルモンの分泌が低下する更年期。個人差はありますが、40代の頃からおりものの量が少しずつ減ってきて、閉経すると極端に少なくなります。


●こんなときはSOS!

おりものの量が多いだけで、色やにおいに異常がなく、外陰部のかゆみもない場合は、「子宮腟部びらん」の可能性があります。びらんは大人の女性ならほとんどの人に見られるものなので、とくに心配はありません。
ただ、おりものの量が多すぎたり、出血がたびたびあるようなら、性感染症(STD)などの病気の可能性がありますので婦人科に相談してみましょう。
なお、本来おりものがほとんどない思春期以前や閉経以後の場合、量が増えるのは異常を知らせるサインです。それほど多量ではなくても、おかしいなと感じたら婦人科で念のためにチェックを受けてください。

色をチェック

●正常なおりものの色は?

おりものの色はふつう透明か乳白色です。ただ、おりものには腟の粘膜からはがれた細胞などいろいろなものが混じっているので、少しクリーム色をしていることもあります。
なお、透明か乳白色のおりものでも、下着について乾いてしまうと黄色に変わります。おりものの色を知るためには、トイレに行ったときに、トイレットペーパーについたおりものをチェックする習慣をつけるといいでしょう。


●こんな色はSОS!

下の表のようなおりものが見られる場合は、子宮や腟の病気、性感染症(STD)などのおそれがあります。とくに、変なにおいがしたり、外陰部のかゆみや痛みをともなう場合は、その可能性が高くなります。早めに婦人科の診察を受けるようにしましょう。

■おりものの色と病気の関係

おりものの色と病気の関係の表。色・症状が白くて豆腐かすのようにボロボロしている、その他症状で外陰部のかゆみがあれば、カンジダ膣炎の可能性がある。色・症状が黄色か緑色で、細かい泡が混じることもある、その他症状でおりものの量が増える、外陰部のかゆみ、悪臭をともなう場合、トリコモナス腟炎の可能性がある。色・症状が黄緑色で、膿のように見える、その他症状で悪臭をともなうこともある、量が増えることもある場合、単純性膣炎、子宮頸管炎、淋病、クラミジア感染症の可能性がある。色・症状が茶褐色かピンク、その他症状で悪臭をともなうこともある場合、子宮頸がん、子宮体がん、子宮筋腫、子宮頸管炎、子宮頸管ポリープなどの可能性がある。茶褐色で、膿のように見える、その他症状で強い悪臭がある場合、タンポンやコンドームなどの出し忘れの可能性がある。

おりものの色と病気の関係の表。色・症状が白くて豆腐かすのようにボロボロしている、その他症状で外陰部のかゆみがあれば、カンジダ膣炎の可能性がある。色・症状が黄色か緑色で、細かい泡が混じることもある、その他症状でおりものの量が増える、外陰部のかゆみ、悪臭をともなう場合、トリコモナス腟炎の可能性がある。色・症状が黄緑色で、膿のように見える、その他症状で悪臭をともなうこともある、量が増えることもある場合、単純性膣炎、子宮頸管炎、淋病、クラミジア感染症の可能性がある。色・症状が茶褐色かピンク、その他症状で悪臭をともなうこともある場合、子宮頸がん、子宮体がん、子宮筋腫、子宮頸管炎、子宮頸管ポリープなどの可能性がある。茶褐色で、膿のように見える、その他症状で強い悪臭がある場合、タンポンやコンドームなどの出し忘れの可能性がある。

おりものの色と病気の関係の表。色・症状が白くて豆腐かすのようにボロボロしている、その他症状で外陰部のかゆみがあれば、カンジダ膣炎の可能性がある。色・症状が黄色か緑色で、細かい泡が混じることもある、その他症状でおりものの量が増える、外陰部のかゆみ、悪臭をともなう場合、トリコモナス腟炎の可能性がある。色・症状が黄緑色で、膿のように見える、その他症状で悪臭をともなうこともある、量が増えることもある場合、単純性膣炎、子宮頸管炎、淋病、クラミジア感染症の可能性がある。色・症状が茶褐色かピンク、その他症状で悪臭をともなうこともある場合、子宮頸がん、子宮体がん、子宮筋腫、子宮頸管炎、子宮頸管ポリープなどの可能性がある。茶褐色で、膿のように見える、その他症状で強い悪臭がある場合、タンポンやコンドームなどの出し忘れの可能性がある。

においをチェック

●正常なおりもののにおいは?

おりものの悩みのなかで、「量」と並んで多いのが「におい」。とくに、ほかの人にもにおうのではないかと気にする人が多いようです。
おりものは正常であれば、ほとんどにおいません。ただ、おりものは酸性なので、ちょっとすっぱいようなにおいがすることもあります。また、月経前はにおいが強くなることがありますが、これは月経血が少しもれ出していて、そのにおいがするためです。
おりもののにおいは、ほとんどの場合、本人が気にするほどには強くありません。パンティライナーを使って、きちんと交換していれば、周囲ににおうことはないので、あまり神経質にならないようにしましょう。


●こんなにおいはSOS!

おりもののにおいで問題になるのは、明らかに悪臭と思われるとき。においは人によって感じ方が違うので、チェックが難しいかもしれませんが、いつもと違う変なにおいがするときは病気の疑いが強くなります。
また、ムッとするような腐敗臭がするときは、タンポンやコンドームなどの出し忘れが原因になっている場合があります。これらが腟の中で腐ると、強い悪臭を放つからです。
悪臭のほかに、色の異常、外陰部のかゆみや痛みをともなう場合は、性感染症(STD)などの可能性があるので、すぐに婦人科を受診しましょう。

おりものの快適ケア

●パンティライナー(おりものシート)を活用

おりものが多いときは、下着の汚れが気になるもの。また、正常なおりものにはほとんどにおいはありませんが、下着について長時間たつと、やはりにおいが気になるものです。
下着をまめに取り替えられれば問題はないのですが、現実にはそうもいきません。そこで利用したいのが「パンティライナー」。香りつきのもの、天然コットン100%素材のものなど、いろいろなタイプの商品があります。いくつか試してみて、自分に合うものを見つけてください。
パンティライナーを使うときに注意したいのは、つけっぱなしにしないこと。同じシートを長時間つけたままにしていると、においやかぶれなどの原因になることもあります。まめに取り替えて、いつも清潔を保つように気をつけましょう。


●日常生活の注意ポイント

おりものが多いとき、においが気になるときは、外陰部がムレないように、通気性のよい衣類を身につけます。きつすぎる下着やパンティストッキング、ジーンズなどは、避けたほうが快適です。
また、ふだんから外陰部は清潔にしておきましょう。入浴時には、肌にやさしいボティソープや石けんを使って、ヒダとヒダの間も指でていねいに洗ったあと、石けんの成分をよく洗い流します。腟の中まで洗う必要はありません。
日中は、シャワートイレで洗い流すのもおすすめです。おりものが気になるときは、こまめに利用したいですね。


監修/東京大学病院 秋野なな先生

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