いま、女の子のからだのなかでは、将来おとなの女性になるためのだいじな準備がすすんでいます。その準備のひとつとして、「月経」がはじまります。
※月経のことを、おかあさんやおねえさんたちは「生理」「あれ」「女の子の日」などと、いろいろな名前でよんでいます。でも、正しくは「月経」といいます。
女の子のからだは、脳から命令をうけると、赤ちゃんができてもいいように準備をします。
この準備は、約1カ月ほどでできあがり、赤ちゃんができないといらなくなって、からだの外に出ていきます。これが「月経」です。そして、初めての月経のことを「初経」(以前は初潮ともいっていました)といいます。
月経は、ほぼ1カ月に3~7日くらい、腟から血液と子宮内膜の一部がまじりあった「月経血」(経血)というものが出ます。
月経はケガでも病気でもありません。女の子には、いつかはやってくるものなのです。初経がきたら、「わたしのからだも一歩おとなに近づいたな」って思いましょうね。
初経のあと、50歳くらいまで、月経はだいたいひと月に1回あります。
※月経は15歳までにくることが多く、15歳になっても一度も月経がない場合は、おうちの方と相談して産婦人科の先生を受診してください。
1卵巣では、およそ1カ月に1個、赤ちゃんのもとになる卵子が成長。
2成長した卵子が卵巣からとび出し、卵管にすい上げられて子宮へ。これを「排卵」といいます。
3ベッドになる内膜がもっと厚くなり、赤ちゃんがくるのを待ちます。でも、卵子は精子といっしょにならなければ、赤ちゃんになりません。
4すると、いらなくなった内膜がはがれ、たくわえられていた血液といっしょにからだの外へ。
5月経になると、脳はすぐ「またはじめから準備をしなさい」と命令を出します。
お友だちみんな、顔かたちがちがうように、月経も一人ひとりちがいます。でも、心配なことがあったら、おうちの人や保健室の先生に相談してみましょうね。
月経がはじまる前や、月経のとき、人によっていろいろなからだの変化がおこることがあります。
おなかがいたくなったり、胸がはったり、ねむくなったり…。これは、女性ホルモンのえいきょうです。どれも病気ではないですが、もし心配なことがあれば、おうちの人や保健室の先生に相談しましょうね。
もちろん、「そんなこと、ぜんぜん感じないわ」という人もいます。
3~7日がいっぱん的。経血はいちどに全部出てしまうのではなく、何日かにわたって少しずつ出ます。
月経がはじまった日から、次の月経がはじまる前の日までを「月経周期」といいます。初経からしばらくは、周期がきちんときまらないのがいっぱん的です。
量は意外と少ないもの。 いっぱん的に、多い日で1日 30g(大さじ約3ばい)、期間中全部合わせても50~100gくらいです。
多い日と少ない日があります。いっぱん的に、1日めは少なく、2日めが多くなり、3日めからあとは、だんだん減ります。
たくさんの人がかんじる症状は、この4つですが、ほかにも腰痛、だるい、下痢、頭痛など、さまざまな症状があります。
(データは、すべて花王調べ)
初経をむかえるのは、だいたい10~15歳くらいのあいだ。平均してみると、12~13歳にむかえる人がいちばん多くなっています。
でも、早い人もいれば、おそい人もいます。たとえば、同じ木にさく花でも、早く開く花、おそく開く花、いろいろでしょう。初経も同じです。心配しないで、ゆったりした気持ちで待っていましょう。
初経がどんなふうにはじまるかは、人それぞれです。黒っぽい経血が、ちょっとショーツにつくとか、経血がまじったピンク色のおりものが出たりとか、そういうことで気がつく人が多いみたい。
初経のときは、はじめからたくさんの経血が出たりすることは少ないので、気がついたら落ち着いて手あてをします。くわしい手あての方法は、「月経のときは、どうするの?」のページを読んでね。
●はじまったときは、なにがなんだかよくわかりませんでした。はずかしくて、だれにも言えませんでした。
●トイレに行くと、下着がよごれていて「げりしてるのかなぁ」と思いました。それにしてはおかしいので、おかあさんに見てもらったら、月経でした。
●おかあさんが赤飯をたいてくれて、「もうおとなの仲間入りよ」と言ったので、はずかしかった。
●ある日、パンツに真っ黒なものがついていて、びっくりしました。
●「ふーん、こんなものか」と、思いました。
●まわりの人がみんなはじまっていてあせっていたので、まちどおしかった。
●先にはじまった友だちから聞いて、少しは知っていましたけど、いざとなるとやっぱりあせってしまいました。
月経になったら、洋服や下着をよごさないように、「ナプキン」というものをあてて、「生理用ショーツ」をはきます。経血は、おしっこの出るところとうんちの出るところの間にある腟から出てくるので、そこにナプキンをあてます。
1ナプキンを袋から出す。
2テープのついているほうをショーツにあてて、よくおさえる。羽つきの場合は、ショーツをくるむようにして、羽を反対側へ折り返す。
3ショーツごとひき上げて、ナプキンがからだにフィットしているかどうか、たしかめる。
ナプキンは、だいたい1日5~6回くらい、トイレに行くたびにとりかえます。でも、経血量が多いときは、もっとこまめにかえたほうがよいでしょう。学校では、授業がおわるごとにかえておけば安心ですね。
量が少なくなっても、同じナプキンは長い時間使わないようにしましょう。
不衛生になるし、かぶれることがあります。
1経血のついているほうを内側にして小さくたたむ。
2ナプキンの袋やトイレットペーパーに包む。
3そなえつけの容器にすてる。
1ナプキンや生理用ショーツは、いつもきまったところに。
2ナプキンは、トイレに流さない。
水洗トイレに流すと、排水管がつまって水があふれることがあります。ぜったいに流さないで。
3トイレはきれいに!
トイレから出るときは、まわりをよごしていないか、たしかめて。
4下着や生理用ショーツのお洗(せん)たくは、自分で。
洗い方
よごれたら、早めに洗ってね。経血は、お湯で洗うとかたまって落ちにくくなるので、かならず水かぬるま湯で。
月経のとき使うナプキンは、紙でできているように見えますが、ティッシュなどとは、ぜんぜんちがうものです。
ナプキンには、「吸収体」というものが入っていて、経血をしっかり吸いとってくれます。吸収体は、下から防水シートで包まれているので、経血が下にモレません。また、表面は、下着のように直接、肌にふれるものなので、肌ざわりのよい素材でつくられています。
ナプキンを使えば、月経中でも、ふだんと変わらない生活ができます。
1表面材
ナプキンの表面をおおってる素材。
2吸収体
経血を吸収する素材。わたのようなパルプや紙と、「高分子吸収体」というものからできている。
3ズレ止めテープ
ナプキンがズレないように、ショーツにつける。
4防水
水分を通さないシート。
ナプキンの吸収体のなかには、「高分子吸収体」という粉が入っています。
高分子吸収体は、自分の重さの200倍以上もの水分を吸収して、ゼリーのようにかためるふしぎな性質をもっています。そのため、1度吸収された経血は、しみ出たりしないのです。
ナプキンには、たくさんの種類があります。経血の量や使う日の行動などにあわせて使い分けると便利です。たとえば体育のときは、うすくてショーツにしっかり固定できる羽がついているタイプ、夜には大きい夜用サイズ、というふうに。修学旅行など、とくに心配な夜には、はくショーツタイプもありますよ。
いろいろためして、自分にあうものをえらんでね。
●ふつうサイズ
使いやすい基本サイズ。
●小さめサイズ
量が少ないとき用のコンパクトサイズ。
●やや長めサイズ
量が多いときや、授業が長引くときに。
●とくに長いサイズ
長さも幅も大きいサイズ。多い日の夜などに。
●ふつうの厚さ
●うすめのタイプ
うすくて動きやすいから、つけている感じが少ない。うすくても、吸収力は十分。
●超スリムタイプ
いちばんうすいナプキン。つけている感じがほとんどないのに、吸収力は十分。
●羽なし
基本の形。
●羽つき
羽でショーツにしっかり固定できる。
●立体的な形
立体ギャザーやパワフルな吸収体が、からだにフィットして、しっかりモレをふせぐ。
●ショーツタイプ
はくナプキン。とくに心配な夜などに便利。
10歳くらいになったら、いつ初経がきてもいいように、次のような「生理用品」を準備しておきましょう。
月経のとき、洋服や下着をよごさないように使うものです。ショーツにつけて、経血を吸収させます。よいナプキンを選んで、月経中も快適にすごしたいですね。
ナプキンをしっかり固定できる、専用のショーツ。モレたり、ムレたりせずに、よごれも落としやすいので便利です。夜用など、いろいろなタイプもあります。3~4枚用意するとよいでしょう。
自分のリズムを知るために、月経の日にしるしをつける習慣をつけましょう。
ナプキンが5~6コ入れば、だいじょうぶ。持っているのが楽しくなるような、好きなデザインをえらびましょう。
たたんだハンカチにしか見えないから、トイレに持っていくときも目立ちません。2~3枚つくって、それぞれにナプキンを入れておくと、1日分持ち歩けますね。
作り方
『セイリの味方スーパームーン ~生理なんでもハンドブック~』(偕成社)
作・絵:高橋由為子
植物の繊維で織ったものを、あて布に。
こんにゃくで防水した「股ふさぎ」というものが使われた。
貴族は絹、庶民は麻を、あて布に。
「さくら紙」という紙も登場。
さくら紙を入れるハコセコは、おとなの女性のしるし。七五三のとき、つけた人もいるかな?
木綿が広まる。
何度も洗って使った。
脱脂綿が使われはじめる。
生理用ショーツの原型、「三角パンツ」が発売される。
モレない、ズレない、
便利で快適なナプキンに!
花王調べ