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LESSON 2

女の子と月経げっけい

女の子が二人、からだの変化について会話しているイメージ。

いま、女の子のからだのなかでは、将来しょうらいおとなの女性じょせいになるためのだいじな準備がすすんでいます。その準備のひとつとして、「月経げっけい」がはじまります。

※月経のことを、おかあさんやおねえさんたちは「生理せいり 」「あれ」「女の子の日」などと、いろいろな名前でよんでいます。でも、正しくは「月経」といいます。

おとなの女性になる準備がはじまりました

女の子のからだは、のうから命令をうけると、赤ちゃんができてもいいように準備をします。
この準備は、約1カ月ほどでできあがり、赤ちゃんができないといらなくなって、からだの外に出ていきます。これが「月経げっけい」です。そして、初めての月経のことを「初経しょけい」(以前は初潮しょちょうともいっていました)といいます。

月経の“経血けいけつ”はケガの血とはちがいます

月経は、ほぼ1カ月に3~7日くらい、ちつから血液けつえき子宮内膜しきゅうないまく一部いちぶがまじりあった「月経血げっけいけつ」(経血)というものが出ます。
月経はケガでも病気びょうきでもありません。女の子には、いつかはやってくるものなのです。初経がきたら、「わたしのからだも一歩おとなに近づいたな」って思いましょうね。
初経のあと、50歳くらいまで、月経はだいたいひと月に1回あります。

※月経は15歳までにくることが多く、15歳になっても一度も月経がない場合は、おうちの方と相談して産婦人科の先生を受診してください。

月経のしくみ

  • 月経のしくみを説明しているイメージ。

  • 卵巣らんそうでは、およそ1カ月に1個、赤ちゃんのもとになる卵子らんし成長せいちょう

    子宮では、しだいに内膜が厚くやわらかくなっていきますとの吹き出し。

    成長した卵子が卵巣からとび出し、卵管らんかんにすい上げられて子宮へ。これを「排卵はいらん」といいます。

    左右どちらの卵巣から排卵するかはきまってません。ふしぎ?との吹き出し。

    ベッドになる内膜がもっと厚くなり、赤ちゃんがくるのを待ちます。でも、卵子は精子せいしといっしょにならなければ、赤ちゃんになりません。

    すると、いらなくなった内膜がはがれ、たくわえられていた血液といっしょにからだの外へ。

    月経になると、脳はすぐ「またはじめから準備をしなさい」と命令を出します。

月経は一人ひとりちがいます

お友だちみんな、かおかたちがちがうように、月経も一人ひとりちがいます。でも、心配しんぱいなことがあったら、おうちの人や保健室の先生に相談してみましょうね。

月経のときのいろいろな症状しょうじょう

月経がはじまる前や、月経のとき、人によっていろいろなからだの変化がおこることがあります。
おなかがいたくなったり、むねがはったり、ねむくなったり…。これは、女性ホルモンのえいきょうです。どれも病気びょうきではないですが、もし心配なことがあれば、おうちの人や保健室の先生に相談しましょうね。
もちろん、「そんなこと、ぜんぜん感じないわ」という人もいます。

  • 期間きかん

    3~7日がいっぱん的。経血けいけつはいちどに全部出てしまうのではなく、何日かにわたって少しずつ出ます。

    月経期間の平均日数を示した棒グラフ。3~7日間が一般的で、6日間が一番多い事が分かる。

  • 周期しゅうき

    月経がはじまった日から、次の月経がはじまる前の日までを「月経周期げっけいしゅうき」といいます。初経からしばらくは、周期がきちんときまらないのがいっぱん的です。

    月経周期の数え方の図。20歳くらいまでには25日周期から38日周期くらいのあいだで、あなたのリズムもきまってきます。

  • りょう

    量は意外いがいと少ないもの。 いっぱん的に、多い日で1日 30g(大さじ約3ばい)、期間中全部合わせても50~100gくらいです。

    あなたのタイプもそのうちわかってくるはずですよ!と、女の子が話しているイメージ。

  • ●量の変化へんか

    多い日と少ない日があります。いっぱん的に、1日めは少なく、2日めが多くなり、3日めからあとは、だんだん減ります。

    経血量の変化を示した曲線グラフ。 2日目が一番多く、3日目からは徐々に減っていく事が分かる。

  • ●月経の随伴症状ずいはんしょうじょう

    たくさんの人がかんじる症状は、この4つですが、ほかにも腰痛ようつう、だるい、下痢げり頭痛ずつうなど、さまざまな症状があります。

    月経の随伴症状を月経前・月経後で比較した棒グラフ。 月経前は約42%の人が「腹痛、下腹痛」、約32%の人が「乳房がはる」、約23%の人が「ねむくなる」約22%の人が「イライラする」のに対し、月経時は約58%の人が「腹痛、下腹痛」、約18%の人が「乳房がはる」、約32%の人が「ねむくなる」、約38%の人が「イライラする」という結果になった。

(データは、すべて花王調べ)

初経のくるときは人によってちがいます

初経をむかえるのは、だいたい10~15歳くらいのあいだ。平均へいきんしてみると、12~13歳にむかえる人がいちばんおおくなっています。
でも、はやい人もいれば、おそい人もいます。たとえば、おなじ木にさく花でも、早くひらく花、おそく開く花、いろいろでしょう。初経も同じです。心配しんぱいしないで、ゆったりした気持きもちでっていましょう。

初経はショーツにちょっとつくくらいから

初経がどんなふうにはじまるかは、人それぞれです。黒っぽい経血けいけつが、ちょっとショーツにつくとか、経血がまじったピンク色のおりものが出たりとか、そういうことで気がつく人が多いみたい。
初経のときは、はじめからたくさんの経血が出たりすることは少ないので、気がついたらいて手あてをします。くわしい手あての方法は、「月経のときは、どうするの?」のページを読んでね。

わたしが初経を むかえたとき

女の子が3人会話しているイメージ。

はじまったときは、なにがなんだかよくわかりませんでした。はずかしくて、だれにも言えませんでした。
トイレに行くと、下着がよごれていて「げりしてるのかなぁ」と思いました。それにしてはおかしいので、おかあさんに見てもらったら、月経でした。
おかあさんが赤飯せきはんをたいてくれて、「もうおとなの仲間なかま 入りよ」と言ったので、はずかしかった。
ある日、パンツにくろなものがついていて、びっくりしました。
「ふーん、こんなものか」と、思いました。
まわりの人がみんなはじまっていてあせっていたので、まちどおしかった。
先にはじまった友だちから聞いて、少しは知っていましたけど、いざとなるとやっぱりあせってしまいました。

月経のときはこんな手あてをします

月経になったら、洋服ようふく下着したぎをよごさないように、「ナプキン」というものをあてて、「生理用ショーツ」をはきます。経血は、おしっこの出るところとうんちの出るところのあいだにあるちつから出てくるので、そこにナプキンをあてます。

ナプキンの 使つかかた

ナプキンをふくろから出す。

テープのついているほうをショーツにあてて、よくおさえる。羽つきの場合は、ショーツをくるむようにして、羽を反対側へ折り返す。

ショーツごとひき上げて、ナプキンがからだにフィットしているかどうか、たしかめる。

手はいつも清潔に!と、女の子が話しているイメージ。

ナプキンはトイレに行くたびとりかえましょう

ナプキンは、だいたい1日5~6回くらい、トイレに行くたびにとりかえます。でも、経血量が多いときは、もっとこまめにかえたほうがよいでしょう。学校では、授業じゅぎょうがおわるごとにかえておけば安心あんしんですね。

量が少なくなっても、同じナプキンは長い時間使つかわないようにしましょう。
不衛生ふえいせいになるし、かぶれることがあります。

ナプキンのすてかた

経血のついているほうを内側うちがわにして小さくたたむ。

ナプキンの袋やトイレットペーパーにつつむ。

そなえつけの容器ようきにすてる。

外出先で容器がないときは自宅に持ち帰ろうね。と、女の子が話しているイメージ。

月経のときのエチケット

ナプキンや生理用ショーツは、いつもきまったところに。

ナプキンは、トイレにながさない。
水洗すいせんトイレに流すと、排水管はいすいかんがつまって水があふれることがあります。ぜったいに流さないで。

トイレはきれいに!
トイレから出るときは、まわりをよごしていないか、たしかめて。

下着や生理用ショーツのお洗(せん)たくは、自分で。
洗い方
よごれたら、早めに洗ってね。経血は、お湯で洗うとかたまって落ちにくくなるので、かならず水かぬるま湯で。

気持ちよくすごす工夫くふうがいっぱい

月経のとき使うナプキンは、紙でできているように見えますが、ティッシュなどとは、ぜんぜんちがうものです。
ナプキンには、「吸収体きゅうしゅうたい」というものが入っていて、経血をしっかりいとってくれます。吸収体は、下から防水ぼうすいシートで包まれているので、経血が下にモレません。また、表面ひょうめんは、下着のように直接ちょくせつはだにふれるものなので、肌ざわりのよい素材そざいでつくられています。
ナプキンを使えば、月経中でも、ふだんと変わらない生活せいかつができます。

ナプキンのしくみ

  • ナプキンの断面図のイメージ。

  • 表面材ひょうめんざい
    ナプキンの表面ひょうめんをおおってる素材そざい

    吸収体きゅうしゅうたい
    経血を吸収する素材。わたのようなパルプや紙と、高分子吸収体こうぶんしきゅうしゅうたいというものからできている。

    だからモレない!と、女の子が話しているイメージ。

    ズレ止めテープ
    ナプキンがズレないように、ショーツにつける。

    防水ぼうすい
    水分を通さないシート。

高分子吸収体こうぶんしきゅうしゅうたい

ナプキンの吸収体のなかには、「高分子吸収体ポリマー」というこなが入っています。
高分子吸収体は、自分の重さの200倍以上もの水分を吸収して、ゼリーのようにかためるふしぎな性質せいしつをもっています。そのため、1度吸収された経血は、しみ出たりしないのです。

高分子吸収体(ポリマー)のイメージ。

じょうずに使い分けましょう

ナプキンには、たくさんの種類しゅるいがあります。経血のりょうや使う日の行動こうどうなどにあわせて使い分けると便利べんりです。たとえば体育のときは、うすくてショーツにしっかり固定こていできる羽がついているタイプ、よるには大きい夜用よるようサイズ、というふうに。修学旅行など、とくに心配な夜には、はくショーツタイプもありますよ。
いろいろためして、自分じぶんにあうものをえらんでね。

サイズ

●ふつうサイズ
使いやすい基本サイズ。

ふつうサイズのイメージ。20cmから21cmくらい。

●小さめサイズ
量が少ないとき用のコンパクトサイズ。

小さめサイズのイメージ。17cmくらい。

●やや長めサイズ
量が多いときや、授業が長引ながびくときに。

やや長めサイズのイメージ。 22cmから24cmくらい。

●とくに長いサイズ
長さもはばも大きいサイズ。多い日の夜などに。

特に長いサイズのイメージ。 25cmから40cmくらい。

あつ

●ふつうの厚さ

普通の厚さのイメージ。5mmから7mm程度。

●うすめのタイプ
うすくて動きやすいから、つけている感じが少ない。うすくても、吸収力は十分。

うすめのタイプのイメージ。2mmから3mm程度。

ちょうスリムタイプ
いちばんうすいナプキン。つけている感じがほとんどないのに、吸収力は十分。

超スリムタイプのイメージ。1mmから2mm程度。

かたち

●羽なし
基本きほんの形。

羽なしのイメージ。

●羽つき
羽でショーツにしっかり固定こていできる。

羽つきのイメージ。

立体的りったいてきな形
立体ギャザーやパワフルな吸収体が、からだにフィットして、しっかりモレをふせぐ。

立体的な形のイメージ。

●ショーツタイプ
はくナプキン。とくに心配な夜などに便利。

ショーツタイプのイメージ。

10歳くらいになったら、いつ初経がきてもいいように、次のような「生理用品せいりようひん」を準備しておきましょう。

ナプキン

月経のとき、洋服や下着をよごさないように使うものです。ショーツにつけて、経血を吸収きゅうしゅうさせます。よいナプキンを選んで、月経中も快適かいてきにすごしたいですね。

生理用ショーツ

ナプキンをしっかり固定こていできる、専用せんようのショーツ。モレたり、ムレたりせずに、よごれも落としやすいので便利べんりです。夜用よるようなど、いろいろなタイプもあります。3~4枚用意よういするとよいでしょう。

カレンダー

自分のリズムを知るために、月経の日にしるしをつける習慣しゅうかんをつけましょう。

ポーチ

ナプキンが5~6コ入れば、だいじょうぶ。っているのがたのしくなるような、きなデザインをえらびましょう。

自分でつくる ハンカチもどき ナプキン入れ

たたんだハンカチにしか見えないから、トイレに持っていくときも目立ちません。2~3枚つくって、それぞれにナプキンを入れておくと、1日分持ち歩けますね。

作り方

ハンカチもどきナプキン入れの作り方のイメージ。 1、ハンカチを3分の1折りたたみ、ポケットになるよう端を縫う。ナプキンが3枚入るように3等分した箇所も縫う。 2、3つのポケットにナプキンを入れる。 3、3分の1余りを折って被せ、ナプキンが重なるように左右のナプキンを中央に折りたためばできあがり。

ハンカチもどきナプキン入れの作り方のイメージ。 1、ハンカチを3分の1折りたたみ、ポケットになるよう端を縫う。ナプキンが3枚入るように3等分した箇所も縫う。 2、3つのポケットにナプキンを入れる。 3、3分の1余りを折って被せ、ナプキンが重なるように左右のナプキンを中央に折りたためばできあがり。

ハンカチもどきナプキン入れの作り方のイメージ。 1、ハンカチを3分の1折りたたみ、ポケットになるよう端を縫う。ナプキンが3枚入るように3等分した箇所も縫う。 2、3つのポケットにナプキンを入れる。 3、3分の1余りを折って被せ、ナプキンが重なるように左右のナプキンを中央に折りたためばできあがり。

『セイリの味方スーパームーン ~生理なんでもハンドブック~』(偕成社)
作・絵:高橋由為子

原始〜奈良時代

植物しょくぶつ繊維せんいったものを、あて布に。
こんにゃくで防水ぼうすいした「またふさぎ」というものが使われた。

股ふさぎのイメージ。

平安〜室町時代

貴族きぞくきぬ庶民しょみんあさを、あて布に。
「さくら紙」という紙も登場とうじょう

ハコセコのイメージ。

さくら紙を入れるハコセコは、おとなの女性のしるし。七五三のとき、つけた人もいるかな?

江戸時代

木綿もめんが広まる。
何度も洗って使った。

お洗たくがたいへん!と、女の子が洗濯をしながら話しているイメージ。

明治〜大正時代

脱脂綿だっしめんが使われはじめる。
生理用ショーツの原型げんけい、「三角パンツ」が発売はつばいされる。

まだ新聞紙を使う人もいましたと、女の子が話しているイメージ。

現代

モレない、ズレない、
便利で快適かいてきなナプキンに!

花王調べ

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