New 2024.12.25
#うんち #授乳
現在のミルクは母乳と組成がよく似ているため、ミルク中心の赤ちゃんと母乳中心の赤ちゃんでうんちの差は小さくなってきたと言われています。しかし、0~4カ月頃までは違いが見られることもあります。
母乳・ミルク・混合それぞれの場合の赤ちゃんのうんちの特徴と、心配なうんちにはどんなものがあるかについて知っておきましょう。
監修した専門医
小児科医師 (医学博士)
藤井 明子 先生
どんぐり発達クリニック院長
プロフィールを読む
小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。東京女子医科大学大学院博士課程を修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年よりさくらキッズくりにっく院長に就任。2024年より、どんぐり発達クリニック院長、育心会児童発達部門統括に就任。子ども一人ひとりの個性を大切にしながら、親御さんが抱える日々の子育ての悩みにも寄り添う診療を行うよう努めている。自身も3人の子どもを育てる親として、子育ての楽しさや難しさを身をもって感じており、親としての視点を大切にし、子どもとご家族の健やかな成長を支えることを心がけている。
最近のミルクは栄養成分、消化・吸収性が母乳とほとんど変わらず、赤ちゃんの成長・発達上にはほぼ違いはないといわれています。
それでも、新生児期の赤ちゃんは消化吸収機能や腸内細菌の形成が未熟なため、母乳のみ、ミルクのみ、母乳・ミルク混合で、健康なうんちに多少違いが出る場合があります。
どのような違いがあるのか見てみましょう。ただし、うんちの様子には個人差があるため目安です。
うんちの色
淡い黄色かかぼちゃ色。おなかの中にうんちがとどまっていた時間が長いときやガスが多いときは、酸化して緑色っぽくなることもあります。
うんちのにおい
ヨーグルトのような甘酸っぱいにおいがします。独特の酸っぱいようなにおいは、乳糖が腸の中で発酵して乳酸ができるからです。腐敗臭は少ないです。
うんちの硬さ
ゆるゆるとした液状やペースト状で、水分が多くおむつにしみこむ感じです。水分の多いうんちは母乳の特徴で、サラッとしていても下痢ではありません。
うんちの回数
消化しやすいこともあり、多めです。1日10~15回以上という子もいます。
うんちのその他の特徴
白いツブツブがうんちに混じっていることもありますが、心配いりません。ツブツブは脂肪やカルシウムのかたまりで、「顆粒便」というこの時期によく見られる正常なうんちです。
うんちの色
母乳とほぼ同じ淡い黄色かかぼちゃ色ですが、銘柄と赤ちゃんのおなかの相性によって色が変わることがあります。ミルクは母乳に比べて腸内にとどまる時間が長いため、早い時期から褐色を帯びてきやすいです。
うんちのにおい
母乳ほどすっぱいにおいが強くない傾向があります。
うんちの硬さ
母乳に比べてやや硬めの場合が多いです。おむつにベッタリつくような粘りけのあるうんちです。
うんちの回数
飲む回数が少ないこともあり、母乳に比べて少なめです。1日1~2回という子もいます。
うんちのその他の特徴
母乳同様、白いツブツブがうんちに混じっていることもありますが心配いりません。ツブツブは脂肪やカルシウムのかたまりで、「顆粒便」というこの時期によく見られる正常なうんちです。
うんちの色、におい、硬さ、回数
母乳とミルクの中間のうんちになります。母乳が多いと母乳に近く、ミルクの割合が多ければミルクのうんちに近くなります。混合の場合でも、脂肪とカルシウムのかたまりのツブツブがうんちに混じることがあります。
赤ちゃんのうんちには、母乳かミルクかだけでなく成長に応じた特徴があります。
生まれたばかりの赤ちゃんのうんちは「胎便」といって、濃緑~黒緑色をした粘り気のあるうんちです。これは、ママのおなかの中にいるときに飲み込んだ羊水や腸粘液や胆汁などが固まったものです。
授乳が始まるとだんだんと黄色味を帯び、その後白黄色~黄色のうんちになっていきます。母乳・ミルクしか口にしていない時期は、個人差がありますが水分の多いゆるゆるなうんちの場合が多いでしょう。消化器官が成長するとともに水分が少なくなっていきます。
離乳食を開始し、食べ物に硬さがでてくるにつれて、腸内細菌が変化し消化のために食べ物が腸にとどまる時間が長くなっていきます。その結果、うんちの色は茶色っぽくなり水分も減って、次第に大人のうんちに近づいていきます。消化機能が未熟なため、食べたものがそのまま出てくることもあります。
また、赤ちゃんのうんちには心配な色もあります。うんちの色の変化も見落とさないようにし、次のような色のうんちが出た場合は早めにかかりつけの小児科を受診しましょう。その際、うんちのついたおむつや、うんちの様子をとった写真を持って行くとよいでしょう。
赤いうんちは、うんちに血が混ざっている可能性があります。とくに、赤い粘液が混ざっている場合は腸重積のために腸から出血している、または肛門が切れて出血していることもあります。
ぐったりしている、機嫌がひどく悪い、おなかをひどく痛がっている様子がある場合は、急ぎ受診した方がよいでしょう。
新生児~3カ月ぐらいの赤ちゃんで、うんちの黄色味がだんだんと薄くなり白(灰色)っぽくなってきた場合は、胆道閉鎖症という病気の疑いがあります。
母子健康手帳内の便色カードと照らし合わせて心配な場合は、早めに受診しましょう。
また、米のとぎ汁に似た白い水のようなうんちが出て嘔吐があるときは、ロタウイルス感染症の可能性があります。赤ちゃんがかかると重症化しやすいため、早めの受診をおすすめします。
うんちが赤黒くドロッとしているときは、胃や十二指腸など消化管から出血している可能性があります。特にぐったりしている、機嫌がひどく悪いなどの様子が見られるときは、急いで受診しましょう。
また、新生児期の赤ちゃんで赤黒い粘り気のある便が出た場合も、急ぎ受診しましょう。
赤ちゃんの体は発達途上にあることから、発達に伴ってうんちの形状や排便の様子などが変化することもあります。赤ちゃんのうんちをおむつ替えのタイミングで毎回観察しておくと、体調の変化にも気づきやすくなるでしょう。
気になるうんちが出た場合には、写真に撮っておいたり、排便後のおむつを持参したりしてかかりつけに相談するのも大切です。
うんちは、そのときどきの体調によって見た目にも変化することがあるため、健康のバロメーターといわれます。よく観察し、赤ちゃんの変化や不調のサインを見逃さないようにしましょう。
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