New 2024.12.25
#おむつ #うんち #おしっこ #不調・トラブル
おしっこ・うんちは、赤ちゃんの体調を知るバロメーターです。おむつを替えたときは、捨てる前に必ずチェックしましょう。「いつもと違う!」というママ・パパの直感が、病気の早期発見につながります。
この記事では、おしっこ・うんちのどのような変化がどんな病気の可能性があるかを解説します。病気を疑うおしっこ・うんちの特徴を知っておくと、異常に早く気づきやすくなります。
監修した専門医
小児科医師 (医学博士)
藤井 明子 先生
どんぐり発達クリニック院長
プロフィールを読む
小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。東京女子医科大学大学院博士課程を修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年よりさくらキッズくりにっく院長に就任。2024年より、どんぐり発達クリニック院長、育心会児童発達部門統括に就任。子ども一人ひとりの個性を大切にしながら、親御さんが抱える日々の子育ての悩みにも寄り添う診療を行うよう努めている。自身も3人の子どもを育てる親として、子育ての楽しさや難しさを身をもって感じており、親としての視点を大切にし、子どもとご家族の健やかな成長を支えることを心がけている。
おしっこの変化と疑われる病気は以下のとおりです。色の変化や膿があるときは、おちんちんやおまたの様子も併せて確認しましょう。
機嫌がよく飲んでいれば心配なし
いつもより多少おしっこの色が濃いものの、機嫌がよく母乳やミルクをよく飲んでいるときは心配いらないでしょう。
また、夏の暑い時期は発汗が増えるため、おしっこの量や回数が減っていつもより色が濃くなることがあります。
明らかなピンク色は気づいたら受診
おしっこが明らかなピンク色に染まっているときは、血尿の疑いがあります。念のためおむつを持参するか写真を撮って受診しましょう。
時間経過でにおう場合は心配なし
おしっこをして時間がたつと、おむつの中はアンモニア臭が強くなります。朝、たっぷりおしっこを吸ったおむつがにおいやすいのは、そのためです。
昼間は臭くなる前にこまめにおむつを交換してあげましょう。
発熱がある場合は気づいたら受診
38度を超える発熱があるのにせきや鼻水などの「風邪症状」がなく、おしっこが異常に臭くなったときは尿路感染症が疑われます。
尿路感染症とは、尿路(腎臓にある腎盂から尿管・膀胱・尿道というおしっこの通り道)のどこかに細菌が感染して起こる病気です。熱以外に目立った症状がなく、おしっこのにおいだけでは判断できませんが、鼻をつくようなにおいのおしっこで異常に気づくこともあります。
おしっこで痛がる様子があれば受診
乳児期には少ないものの、男の子であれば亀頭包皮炎、女の子では外陰腟炎が疑われます。膿がついていなくても、おしっこが出にくい(排尿のときにおちんちんの先端がふくらんで、おしっこの出方が糸のように細い)、おしっこをするときに激しく泣くなどの症状があれば早めに受診しましょう。
亀頭包皮炎とは、おちんちんの先(亀頭)とそれを包んでいる皮(包皮)の間に細菌がつき、炎症を起こす病気です。炎症が進むと黄色い膿が出て、場合によっては出血しておしっこが赤みを帯びることもあります。
成長に伴う回数の減少は心配なし
腎機能が発達するとともにおしっこが濃くなり回数が減っていきます。そのため、水分をとっているのにおしっこの回数が減り、出ていないように感じる場合もありますが心配いりません。
また、暑い季節は汗をよくかくのでおしっこの量も少なめになります。いつもほどおむつが湿っていなくても3~4時間に一度は出ているようなら大丈夫です。
半日以上おしっこが出ないときは受診
授乳期の赤ちゃんで昼間半日以上おしっこが出ていないときは要注意です。脱水症の心配があります。
脱水症とは、体内の水分が急激に失われた状態です。発熱や下痢が続くときはとくに起きやすいので注意しましょう。尿量が減るとともに涙が出なくなる、顔色が悪い、ぐったりするなどの症状があれば急ぎ受診を検討しましょう。
うんちの変化と疑われる病気は以下のとおりです。
うんちは食べ物により変化しやすいため、心配がない場合も少なくありません。とはいえ、変化があるときは必ずその他の症状も確認し、心配な場合は早めにかかりつけ医に相談しましょう。
ひどく不機嫌な状態、ぐったりと大人しくなる状態を繰り返し、ほとんど便成分のないイチゴジャムやトマトケチャップのような血便が出たときは腸重積症が疑われます。
腸重積症とは、腸の一部が隣り合う腸に入り込み閉塞する病気で、生後4カ月から1歳前後の時期に多く見られます。前ぶれはなく痛みが間欠的に起こるのが特徴で、しばらく落ちついたかと思うと、いきなり火がついたように泣く状態を繰り返します。
赤ちゃんに起こる病気の中でも急を要する病気のひとつです。
生後1カ月を過ぎても黄疸が続き、下痢ではないもののうんちが白~灰色やクリーム色になってきたときは胆道閉鎖症が考えられます。
胆道閉鎖症とは、胆汁の通り道である胆管が閉じてしまう病気です。胆汁が十二指腸に流れないためにうんちが白っぽくなるのが特徴で、下痢や便秘、腹痛などの症状はありません。うんちの色が次第に白っぽくなってきたと感じたら母子健康手帳内の便色カードと照らし合わせ、心配な場合は早めに受診しましょう。
下痢が次第に激しくなり、白い米のとぎ汁のようなうんちになったときは、白色便性下痢症が疑われます。
白色便性下痢症とは、ロタウイルスやノロウイルスによる感染症で主に冬に流行します。いきなり吐き、その後次第に下痢が激しくなります。熱を伴うこともあり、脱水症を起こしやすいので早めに受診を検討しましょう。
赤ちゃんには少ないですが、消化管上部からの出血がある可能性があります。
胃や十二指腸など消化管の上のほうで出血があると、タールのような黒いうんちが出ます。これまで茶色や黄土色だったうんちが異常に黒っぽくなったときは早めに受診しましょう。
離乳食にバターなど油っぽいものを使うと、うんちに鼻水のような粘液が混じることがあります。食べさせたものに心当たりがあれば心配せずに様子をみましょう。
ただし、粘液に血液が混じっているときはすぐに受診した方がよいでしょう。細菌性の腸炎を起こしている疑いがあります。
繊維質の多いものは、未消化のまま出てしまうことがあります。病気ではないので心配いりません。消化力が高まれば、自然に解消します。
おしっこやうんちの様子の変化は、生理的なものから病気までその原因はさまざまです。
変化があった場合は、おしっこうんちの状態に加えて、赤ちゃんの機嫌、睡眠、食欲、その他の症状の有無(全身状態)も含めて判断することが大切です。
「全身状態」とはどんなところをどのようにチェックしたらいいのか知っておきましょう。
顔色はピンク色ですか?
何となく青く見える、くちびるの色が悪い、乾燥しているときは、具合が悪い場合もあります。
あやして反応しますか?ぐずってばかりいませんか?
1人遊びができる月齢になったのに遊ばないでママ・パパにくっついてばかりいる、おすわりができる月齢なのにごろごろしている場合も具合が悪いことがあります。
飲みっぷり・食べっぷりはいつも通りですか?
鼻が詰まっていてうまく母乳やミルクを飲めない、おなかの調子が悪くて食欲がないなど、食欲がない・普段より低下しているときは何らかの理由があります。
よく寝られていますか?ぐずって小刻みに起きることはないですか?
体調が悪いときは、ぐずって睡眠が浅くなりやすい傾向があります。
そのほか気になる症状はありませんか?
発疹やかぶれなどの皮膚症状、めやに・耳だれなども病気のサインである場合があります。とくに感染症の場合は、おしっこ・うんち以外のその他の症状が見られることが多いです。
赤ちゃんの体調を知るのに、うんちやおしっこの変化は大切な手がかりになります。異常を発見したときは、スマートフォンで撮影したり、そのおむつを持参したりして受診するとよいでしょう。
赤ちゃんは不調を言葉で訴えることができません。だからこそ、早めに不調に気づいてあげられるよう、いろいろな情報から変化を察知してあげたいものです。
日頃の様子をよく見ておくと、「なんだかいつもと違う」という直感が働きやすくなります。ぜひ、おむつ替え時のおしっこ・うんちのチェックを習慣にしておきましょう。
赤ちゃんのお肌はとてもデリケート。皮膚は大人よりも薄く、とっても汗っかき!*
おしっこによるムレムレ湿気、おむつの摩擦による刺激などから守るために、おむつ選びは「通気性のよさ」と「やわらかさ」がポイントです。
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