専門医に聞く!子育てお悩みQ&A
New 2024.12.25
#不調・トラブル
赤ちゃんは風邪をひくと急に高熱を出すと聞きました。夜中に熱を出したらどうしようと心配です。(生後6カ月)
高い熱を出したらどんなケアをしたらいいのでしょうか?どこを冷やしたら、熱を下げられますか?(1歳)
回答した専門医
小児科医師 (医学博士)
三井 俊賢 先生
医療法人社団育心会理事長
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小児科専門医、小児科指導医。慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程を修了後、慶應義塾大学病院に勤務し、同小学校・中学校で校医としても子どもたちの健康に携わってきた。医療法人社団育心会を立ち上げ「すべては子どもの笑顔のために」という想いで、小児科の枠を超え、子どもを取り巻くさまざまな面から包括的に支える診療に日々励んでいる。現在、3人の子育てに奮闘するパパとして、親御さんの気持ちに寄り添いながら、子どもたちやご家族に安心と笑顔を届ける医療を目指している。
子どもの急な発熱、よくありますね。特に赤ちゃんが初めて熱を出したときは、不安でいっぱいになると思います。
基本的に、突然の高熱が出ても水分や食事が摂れ、機嫌が悪くなければ急いで受診する必要はありません。夜間や休日の発熱でしたら、水分を十分に摂らせて翌朝まで様子を見ても大丈夫でしょう。
ただし、生後3カ月未満の低月齢の赤ちゃんが38度以上発熱した場合には注意が必要です。
高熱が出ても、以下のことができていれば赤ちゃんには十分にウイルスや細菌と闘う体力があります。夜間や休日にあわてて救急病院を受診しなくても大丈夫です。
ひとまずご自宅で様子を見て、翌朝かかりつけ医への受診を検討しましょう。
熱が出たとき、夜間休日でも受診をした方がよいかどうかを判断するチェックポイントは以下の通りです。当てはまるようなら急ぎ受診が勧められます。
急ぎの受診は必要ないと判断した場合、自宅で様子を見ることになりますが、その際に気を配りたいポイントには次のようなものがあります。
赤ちゃんの様子は、熱がまだ上がっている途中なのか、上がりきった後なのかによって異なります。様子をよく観察し、状況に合わせた環境を整えてあげましょう。
体は熱いものの手足が冷たい、唇の色が悪い、体がプルプル・ガクガクと寒そうにしたり震えたりしているときは熱の出始めの寒気、悪寒のタイミングです。このようなときは、着る物や掛け物を増やしてあげてください。また、室温も少し上げましょう。
逆に手足がポカポカとして頬・耳も赤くなっているときや、汗をかいて暑がるときは熱が上がりきったタイミングです。室温を下げたり着る物や掛け物を減らしたりして、涼しくしましょう。体を冷やしてあげるのはこの段階からです。
熱が上がりきって、体や手足がポカポカで頬・耳も真っ赤になったら体を冷やして、熱を放散させるタイミングです。
冷やす場所は首の付け根、わきの下、足の付け根、背中など、大きい血管が皮膚近くを通る所がいいでしょう。小さい保冷剤がおすすめです。保冷剤をハンカチやタオルで包んで冷やす場所にあててあげましょう。また、おしぼりで体をふいてあげるのも効果的です。
ただし、赤ちゃんが嫌がると逆効果ですので、嫌がらない程度に心地よく過ごせるようにしてあげることが大切です。冷やされることが嫌な場合は室温を下げたり、衣服や掛け物を少なくしたりするだけでOKです。
また、市販の冷却シートはおでこに貼ると気持ちはいいのですが、体温を下げる効果はあまり望めません。
特に小さい赤ちゃんでは、寝ている間に冷却シートの位置がずれて鼻や口をふさいでしまい、窒息の危険性があるため注意が必要です。冷却シートを貼る場合は保冷剤と同じように、首の付け根やわきの下や背中、足の付け根がいいでしょう。
熱が高いときは、小さい体から水分がどんどん奪われ脱水症状になりやすい状況になっています。赤ちゃんは体の大部分を水分が占めているので、水分不足から脱水症になりやすい体質です。水分はしっかり摂らせて、脱水症を予防しましょう。
水分の種類は、麦茶、水、イオン水など何でも構いません。常温にする必要もありません。冷たくしてあげたり、氷などを口に含ませてあげたり、またアイスなども気持ちよくて食べてくれるかもしれません。
赤ちゃんが気持ちよく飲んでくれる物をあげてください。
低月齢の赤ちゃんの場合、母乳やミルクが飲めていれば十分です。赤ちゃんによっては、母乳やミルク以外の水分を嫌がるお子さんもいますので、無理に水や麦茶などを与える必要はありません。母乳やミルクで様子を見てあげてください。
水分が十分に摂れていれば食事が摂れなくても数日は何とかがんばれますので、水分はしっかりあげてください。
熱が高いと「すぐ下げなきゃ」という気持ちになるお母さんは多いでしょう。また、「高熱が続くと脳に影響が出ると聞いたから、早く熱を下げなきゃいけない」という高熱に対する不安な声もよく聞きます。
ところが、「発熱」は、ウイルスや細菌と闘うためには必要な生体防御反応です。必ずしも発熱=悪者ではなく、病原体をやっつけるためには必要なものでもあります。
そうはいっても、熱のせいで食事や睡眠がとれず、夜も寝てくれない状況が続くと赤ちゃんの体もまいってしまいます。そこで、熱が高くて水分や食事が摂れない、機嫌が悪い、眠ってくれないようなときに解熱剤を使ってみましょう。
解熱剤を使う目安は38.5度以上で、上にあげたような目的を満たすためにタイミングよく使ってあげてください。1度使用したら、次の使用までは6時間以上の間隔をあけて1日3回までが限度です。
注意点としては、解熱剤は熱の原因に対する治療ではないことです。また、病気の治療や合併症を防ぐ効果もありません。
生後3カ月未満の赤ちゃんが急に38度以上発熱した場合には夜間・休日を問わず受診してください。
3カ月未満の赤ちゃんは、ママからの移行抗体があるため、滅多に発熱することはなく、細菌感染などの重篤な病気が隠れている可能性があるからです。
水分さえ受けつけず次第にぐったりしてきた、青ざめて呼吸が荒く苦しそうになってきた、名前を呼んだり揺すったりしても反応が薄くなってきたなど、意識障害が見られたときは急を要します。
また、けいれんを起こしたときにも急いで受診をしてください。
一度受診したものの発熱が続くとき、高熱でなくても熱が3〜4日以上続くようなら再受診を検討しましょう。
普通の風邪であれば、熱は3〜4日で下がることが多いからです。中耳炎や肺炎などの合併症を起こしている可能性や、インフルエンザにかかっている場合もあるため、再受診するようにしましょう。
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