チョコレートやキャラメルなど、砂糖を含む食べ物とむし歯には、とても深い関係があります。
むし歯の原因となるのは、「ミュータンス菌」という細菌。この細菌は、砂糖が口の中に入ってくると、活発に働いて、歯垢を形成します。そして、歯垢の中で「酸」を作ります。むし歯は、この酸によって歯が溶かされる病気です。
むし歯が発生するのは、「歯」と「歯垢」と「糖」がすべてそろったとき。だから、むし歯を防ぐには歯についている歯垢をきちんと除去したり、甘いものを控えたりして、この3つの要因をそろえないようにすることが大切です。
歯垢のpH(酸性度)は、ふだんは中性です。砂糖を含むものを食べると、酸性に変わりますが、唾液などの働きで数十分後には、元のpHに戻ります。
砂糖を含む間食を食べないときは、1日に3回の食事のときだけ歯垢は酸性になり、それ以外のときは唾液の働きで歯が守られています。
しかしながら、砂糖を含むものを1日に何度もダラダラ食べていると酸性になっている時間が長く、むし歯になりやすくなります。
とくに寝る前に間食すると、寝ている間は唾液がほとんど出ないため歯垢は酸性のままです。
穴のあいたむし歯に、自然治癒はありません(初期むし歯のうちなら、元の健康な歯に戻る可能性があります。くわしくは「初期むし歯とフッ素」をご覧ください)。放っておけば、ますます悪化して、最後には歯根だけになってしまいます。
むし歯で歯に穴があくと、その進行の度合いによってC1、C2、C3、C4に分類されています。Cとは、英語のむし歯(Dental Caries)の略称です。いずれにしても、発見が早く、すぐに治療をすれば、それだけ歯を長持ちさせることができます。毎日のセルフケアはもちろんのこと、かかりつけの歯科医院で定期的に検診を受けるように心がけましょう。
むし歯ではないのに、冷たい水がしみることがあります。歯周病や、歯みがきで力を入れすぎることによって、歯肉が下がり、歯根の部分が出てしまうと、冷たいものや熱いものを食べたときや、ハブラシを当てたときなどに、一過性の痛みを生じることがあるのです。これを「象牙質知覚過敏症」といいます。むし歯とちがい、何もしないのに痛むことはありません。一時的に知覚過敏になっても、治ることがあります。しかし、歯みがき圧が強すぎる場合などでは、歯肉の退縮や歯の磨耗が進んで、悪化することもあります。症状がつづくようでしたら、歯科医に相談したほうがよいでしょう。