専門医に聞く!子育てお悩みQ&A
New 2024.12.25
#うんち #不調・トラブル
母乳育児ですが、生後2週目をすぎたころから便秘です。最近では、粘り気のあるうんちがおならと一緒に出るだけで、ふつうのうんちは自力では出ません。母乳を続けたいですが、赤ちゃんの成長に支障がないか心配です。(生後1カ月)
うんちをするときは、きまって顔を真っ赤にしてきばりますが、ちょろっとしか出ません。でもおむつ替えのたびに少しずつうんちはついています。体重は増えているので、母乳不足でもなさそうですが...ちなみに授乳は母乳のみです。(生後2カ月)
回答した専門医
小児科医師 (医学博士)
三井 俊賢 先生
医療法人社団育心会理事長
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小児科専門医、小児科指導医。慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程を修了後、慶應義塾大学病院に勤務し、同小学校・中学校で校医としても子どもたちの健康に携わってきた。医療法人社団育心会を立ち上げ「すべては子どもの笑顔のために」という想いで、小児科の枠を超え、子どもを取り巻くさまざまな面から包括的に支える診療に日々励んでいる。現在、3人の子育てに奮闘するパパとして、親御さんの気持ちに寄り添いながら、子どもたちやご家族に安心と笑顔を届ける医療を目指している。
一般に、母乳栄養の赤ちゃんはミルクの赤ちゃんに比べて便の回数が多めです。
母乳栄養の赤ちゃんで生後間もない新生児〜低月齢の場合、便秘の原因として最初に考えなくてはいけないのは「母乳不足」です。
ミルクの場合は飲んだ量がはっきりしているので、おおまかな目安であるミルク缶に記された調乳の1日量と比較すれば少ないかどうかはわかります。しかし、母乳の場合は、なかなか飲んだ量がわかりません。
授乳が母乳のみで便秘がちなときは、母乳不足の可能性を疑って体重の増加を見てみましょう。ルーチンで授乳前後の赤ちゃんの体重を測る必要はありませんが、母子手帳の発育曲線に沿って、やや低めでもそれなりに体重が増えていれば問題ありません。
しかし、体重の増えが鈍っていて便が出にくいときや、飲み足りないことから不機嫌に泣きぐずるとき、1回の授乳時間が極端に長い(30分以上)とき、おしっこの回数が少ない(5回/日以下)ようなときは、母乳不足の可能性がでてきます。
まずはかかりつけの小児科に相談してみましょう。母乳育児を続けたい場合は、産院などの母乳外来で相談してもよいでしょう。
赤ちゃんによっては、母乳が十分足りていても便の量や回数が少ないケースもあります。これは吸収力がよいためと考えればいいでしょう。少なくとも、体重が順調に増えていれば心配ありません。
また、飲む量に変化がなく機嫌がよくても、生後2カ月ごろに一時的に便秘になることがあります。これは赤ちゃんの腸が発達してくる過程で起こる生理的なものなので心配はありません。様子を見てください。
赤ちゃんはうんちの回数が多く、快便なイメージがありますが、実はそうとも限りません。筋肉量が少ないのでいきむ力が弱く、消化器官の発達や飲み物・食べ物の変化にともなってうんちの形状や回数などが変化しやすいためです。月齢別に多い便秘の原因は以下のとおりです。
新生児〜低月齢の赤ちゃんは母乳やミルクの量が足りないと便秘になることがあります。また、母乳からミルクに切り替えたときや、消化機能が発達してうんちがおなかにとどまる時間が長くなると、うんちの水分量が減り、出にくくなることもあります。
母乳・ミルク以外の食べ物がおなかに入ることで腸内細菌が変化し、消化機能も発達しておなかの中に食べ物が長くとどまるようになっていきます。また、離乳食が始まると一時的に母乳・ミルクの量が減ることもあり、結果うんちの水分量が減るなどしてうんちが出にくくなることがあります。
離乳食の量が増えて授乳量が減ってくるころは体内の水分が不足しやすくなり、うんちが出にくくなることがあります。また体を動かす時間が少なかったり、生活リズムが乱れたりすると、排便リズムが乱れることがあります。
赤ちゃんのうんちの出が悪い=便秘とは限りません。うんちのかたさや出ない期間だけで判断するのではなく、うんちを出すときの様子にも注目しましょう。
うんちの出が悪いことに加えて、以下のような様子が見られるときは受診を検討しましょう。
赤ちゃんのうんちの出が悪いと感じたら、以下のことを試してみましょう。それでも改善しないときは、一度かかりつけ医に相談するとよいでしょう。
こまめに水分補給をする
母乳やミルク、離乳食開始後の赤ちゃんなら麦茶や白湯をこまめに飲ませてみましょう。うんちがやわらかくなり出やすくなります。
体を動かす機会を増やす
低月齢の赤ちゃんなら、大人が赤ちゃんの手足を持って動かしてあげるのでもいいでしょう。首がすわっている子なら縦抱きにしたり、赤ちゃんの両わきの下を支えて足をぴょんぴょんさせたりしてあげてもおなかの運動になります。
離乳食に食物繊維の多い食材をプラス
離乳食が始まっているなら、さつまいもやりんごなど食物繊維の多い食材をプラスしてみましょう。スープなど、水分の多いメニューをプラスするのもよいでしょう。
生活リズムを見直す
離乳食が3回になると、排便リズムもだんだんと決まってきます。早寝早起きを心がけ、3回の食事の時間をだいたい一定にしましょう。
おなかのマッサージをする
赤ちゃんのおへそのまわりに「の」の字を描くように、やさしくマッサージします。おなかがいっぱいの時間は避け、お風呂上がりなどに行うのがおすすめです。
赤ちゃんのお肌はとてもデリケート。皮膚は大人よりも薄く、とっても汗っかき!*
おしっこによるムレムレ湿気、おむつの摩擦による刺激などから守るために、おむつ選びは「通気性のよさ」と「やわらかさ」がポイントです。
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