赤ちゃんとママ・パパのための情報
医学博士、日本小児科学会認定医、子どもの心相談医。1987年筑波大学卒。1994年筑波大学大学院博士課程修了筑波大附属病院、(株)日立製作所水戸総合病院、茨城県立こども病院で研修。1996年4月より現職。
まず、下痢に高熱(38.5℃以上の発熱)をともなっているときや、吐き気が強く飲み物を受けつけないとき、ぐったりしてきたときなどは、ただちに受診すべきです。
冬に流行しやすい「ロタウイルス」が原因の下痢(白色便性下痢症)は、嘔吐から始まり急激に下痢が進行して、次第に便が白っぽくなります。また、夏場に流行る「アデノウイルス」による下痢は高熱をともないます。
下痢が続くと体内の水分が急速に失われ、月齢の低い赤ちゃんの場合は脱水症を起こすこともあるので、油断はできません。高熱や嘔吐があれば脱水はさらに進みますし、ぐったりしているときは、すでに脱水が起きている可能性もあります。
ただ、この赤ちゃんのように、激しい下痢ではなく、何となく軟便が続いていると、受診したものかどうか迷ってしまいますね。ふだんからうんちが軟らかめでも、極端に回数が多くなく、発熱などの病的症状がなければ、2~3日は様子を見てもいいでしょう。しかし、1週間以上も下痢(軟便)が続くようなら、たとえ赤ちゃんの機嫌がよくても受診しましょう。
赤ちゃんの下痢の原因は、主にウイルス感染、冷えや食べすぎなどですが、こうしたことが原因の下痢は、数日から長くても10日ほどでおさまるのがふつうです。1週間以上続く場合は、何らかの異常が疑われます。
ことに乳幼児では、急性の下痢にかかったあと、治っていく過程で「二次性乳糖不耐症」を引き起こすことがしばしばあります。これは、下痢のあとで乳糖を分解する酵素が少なくなり、下痢が慢性化した状態です。この赤ちゃんも、そのケースが疑われます。
乳糖不耐症の場合は、乳製品を一時的に控えたり、乳糖分解酵素剤を使うなどの治療法があります。このまま軟便が続くようなら小児科医に相談してみましょう。
しっかりまとまって衛生的!後処理ラクラク!
※パンツタイプ
ここ10日間ほど、1日に4~5回ゆるい便が出ています。回数は前より1~2回多く、色は多少黄色っぽい感じ。機嫌は悪くありませんが、食欲は以前より落ちていて、鼻水も出ています。病院には行っていませんが、どのような下痢だったら受診すべきですか?
(10カ月 きみきみ)