New 2024.12.25
#おむつ #うんち #おしっこ #赤ちゃんのお世話
おむつをしている赤ちゃんで、おむつかぶれを経験したことのない子はほとんどいないと言っても過言ではないでしょう。ただ、おむつかぶれはきちんとケアをすれば、重症化しないですみます。
赤ちゃんにつらい思いをさせないためにも、おむつかぶれの原因や受診の目安、デイリーケアについて知っておきましょう。
監修した専門医
皮膚科医師
三井 理恵 先生
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日本皮膚科学会認定専門医。東京医科歯科大学大学院博士課程を修了。夫婦で仕事と3人の子育てを両立する中で、ママやパパが抱える毎日の大変さや不安を痛感。そうした経験を経て「自分の子どもを安心して通わせたい」と思えるクリニックを作りたいと想い、医療法人社団育心会を立ち上げる。ミューザ川崎こどもクリニックでは、「自分の子どもに本当に勧められるか」という親の視点を大切にしている。クリニック全体で子どもとご家族にとって居心地の良い空間作りを目指し、不安を少しでも軽くできるようなサポートを心がけている。
おむつかぶれは、おむつにおおわれた皮膚に起きる炎症で、医学的には「おむつ皮膚炎」といいます。
おしり全体が赤くなるほか、ポツポツとしたあせものような湿疹として現れることもあります。炎症はかゆみや痛みをともない、悪化すると皮がむけてただれ、血がにじむこともあります。
夏場はおむつかぶれかと思ったら、あせもだったということもよくありますが、おむつかぶれはあせもやアトピー性皮膚炎と違い、炎症がおむつのあたっているところだけに起こるのが特徴です。
おむつかぶれが起こる原因は、さまざまな要素がからみ合っています。一番の原因はおしっこやうんちの刺激ですが、おむつ内の環境も影響します。以下、原因別に紹介します。
赤ちゃんの皮膚は薄く、刺激から皮膚を守るバリア機能も未熟です。そのため、刺激に対して敏感です。強くこすったつもりはなくても、目には見えない細かな傷がつきやすく、傷に刺激物が付着すると炎症が起きてしまいます。
おしっこは、腎臓で濾過された体内の老廃物など皮膚を刺激する成分を含んでいます。排泄して時間がたったおしっこは分解が進むため、ますます皮膚にダメージを与えやすくなります。
また、うんちには、大腸菌などの腸内細菌や酵素などの刺激物がたくさん含まれています。特に下痢のうんちは刺激が強く、下痢をしてからおむつ替えまで時間があいてしまうと、たちまちおむつかぶれを起こします。
元気いっぱいに動くと、おしりにも汗をかきます。加えて、おしっこをした直後のおむつの中は湿気がたっぷりです。ムレてふやけた皮膚は傷つきやすく、排泄物の刺激を受けやすくなります。
汚れたおしりをきれいにする際、おしりふきでごしごしふきとると摩擦によって皮膚が傷ついてしまいます。
さらに、おしりふきの水分でおしりがしめったまま、おむつをはかせてしまうと、ムレておしりの皮膚がふやけてしまい、刺激を受けやすい状態になってしまいます。
ムレや汚れが原因のおむつかぶれとは別に、「乳児寄生菌性紅斑」という、カビが原因の皮膚炎もあります。おむつのあたる部分に「カンジダ」というカビが繁殖して炎症を起こします。
普通のおむつかぶれがおむつのあたっている部分に起こるのに対して、カビによる皮膚炎はおむつが直接肌に触れていないしわの部分にもできることや、赤くなった皮膚の周辺部が特徴的なレース状であること、さらにその周辺に小さな皮膚の赤みがあるなどで見分けることができます。とはいえ、カビのおむつかぶれを見慣れていないと見分けるのは難しいかもしれません。
また、普通のおむつかぶれとカビによる皮膚炎が合併することもあり、その場合は両方の治療が必要となります。ステロイドの塗り薬を使うことで一時的に悪化したように見えることもありますが、医師の指示に従って使用することが大切です。
以下の項目に1つでも当てはまるときは、おむつかぶれの疑いがあります。デイリーケアをしても治らない、ひどくなる場合は、早めに小児科や皮膚科を受診しましょう。
おむつかぶれを防ぐには、毎日きちんとケアをすることが大切です。おむつかぶれがひどくなると、痛みやかゆみで機嫌や睡眠、食欲に影響することもあります。
特に、ゆるゆるのうんちが回数多く出ている低月齢の時期、下痢のとき、外出時や夜間など、長時間おむつを替えられないときなどは、おむつかぶれを起こしやすいため気をつけましょう。
授乳や離乳食の前後、ねんねから目ざめたときなどにおむつをチェック。おしっこやうんちに気づいたら、すぐにおむつ替えをしましょう。皮膚がおしっこでぬれている状態や、うんちで汚れたままにしておかないことが予防の基本です。
皮膚が傷つかないように、おしっこやうんちはやさしくふきとります。肛門周辺や外性器だけでなく、太もものくびれや下腹部も清潔にしましょう。
ぬるま湯をたっぷりふくませたコットンやおしりふきを交換しながら、こすらないように注意して汚れを除きます。
男の子はおちんちんの先におしっこを残さないようにそっとふきます。うんちのときは、おちんちんや睾丸の裏側にこびりついていることもあるので、ふき残さないように気をつけてください。
女の子は、外性器をふくときは前から後ろに。ゆるいうんちは外陰部までまわり込むことがあります。指で陰唇をそっと広げて汚れをふきとります。
下痢をするとおしりは広範囲にわたって汚れます。また、排便回数が増え、何度も刺激にさらされることになるため、その都度ふきとると刺激で皮膚を傷つける心配があります。
できるだけおしりを洗ってあげましょう。シャワーで流す、洗面器にぬるま湯を入れその中で洗う、洗面台で洗うなど、大人のやりやすい方法で行ってかまいません。
おしりふきでふいたり、ぬるま湯で洗ったりしてきれいになったおしりは、水けが残っていたり湿っています。皮膚がふやけないよう、適度に乾燥させてからおむつをつけましょう。
最近のおむつは吸水性・吸湿性が高く、摩擦刺激を受けにくいやわらかい素材が使われています。それでも、おしっこやうんちをしたあとのおむつの中は刺激物が肌に付着してムレやすい環境です。
赤ちゃんが気持ちよくすごせるようにおむつ替えはこまめに行い、おむつかぶれのための予防や対策を毎日行ってあげたいですね。
赤ちゃんのお肌はとてもデリケート。皮膚は大人よりも薄く、とっても汗っかき!*
おしっこによるムレムレ湿気、おむつの摩擦による刺激などから守るために、おむつ選びは「通気性のよさ」と「やわらかさ」がポイントです。
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