赤ちゃんとママ・パパのための情報
2カ月頃から排便が2日に1回のペースに。うんちのたびに顔を真っ赤にしてふんばっています。便の状態は新生児期から大きな変化はありません。これは便秘と考えたほうがいいのでしょうか。
(ぽん 3カ月)
便秘とは、いつもより排便の間隔があき、うんちが硬くて出にくい状態をいいます。また、いきんでもなかなか出なくて苦しがり、排便の際に肛門が切れるなどの排便困難を伴う場合も便秘です。
仮に、毎日出ていたうんちが、たまに2~3日出なくても、その後スルリと楽に軟らかいうんちが出るようなら、便秘とはいいません。逆に、毎日出ていても、うんちのたびに苦しがって泣き、肛門が切れて出血するようなら、これは便秘です。
腸の機能ができあがるのは、生後2歳頃といわれています。それまでの間には、何回か便の回数が減ったり増えたりすることがあります。生後2~3カ月頃、一時的に便の回数が減る赤ちゃんも多いものです。しかし、おっぱいやミルクを飲む量や便の固さには変化がなく、機嫌もよいのが特徴です。これは生理的なものなので、しばらく様子を見てかまいません。
ご相談のお母さんたちは、2人とも赤ちゃんの「いきみ」を気にしているようですね。顔を真っ赤にしていきんでいると、いかにも硬いうんちが出なくて、つらいように見えるのでしょう。赤ちゃんが排便の際に両足を腹部に引きつけて、顔を真っ赤にしてうなり(いきみ)、硬い便が出るとしたら便秘の可能性がありますが、むしろ、この時期の赤ちゃんのいきみは便秘と関係ないことのほうが多いのです。
この頃の赤ちゃんのお腹は、母乳やミルクを飲んだことや、うんちがたまったことが刺激となって、反射的に排便するようなしくみになっています。いきんでいるように見えても、便意を感じて出そうとしているわけではないのですね。
とくに、生後1カ月前後の赤ちゃんは、起きているとき寝ているときを問わず、わけもなくいきむ様子がよく見られます。原因は不明ですが、便秘や病気とは関係なく、生理的なものだと考えられています。あさちさんの赤ちゃんは、おそらくそのケースでしょう。
一方、ぽんさんの赤ちゃんは3カ月ですから、ある程度直腸に便をためておけるようになってきています。2日に1度のペースになったのも、その現れですね。赤ちゃん自身は自覚してなくても、お腹に便がたまって反射的にいきんでいるのかもしれません。しかし、出るうんちは新生児期と変わらないということですから、おそらく軟らかい便なのでしょう。そうであれば、便秘の心配はありません。ただ、お母さんが気になるようなら、いきみ始めたときにおむつをゆるめてあげるか、お腹をマッサージしてあげるといいでしょう。そのほうが楽に排便できるからです。
医学博士、日本小児科学会認定医、子どもの心相談医。1987年筑波大学卒。1994年筑波大学大学院博士課程修了筑波大附属病院、(株)日立製作所水戸総合病院、茨城県立こども病院で研修。1996年4月より現職。
1カ月になる少し前に3~5日便が出ないことがあり、いきむように泣くのが気がかりに。最近は毎日1回出ますが、やはりきばったように苦しむのは相変わらずです。でも、きばったときに、うんちをすることはありません。
(あさち 1カ月)