専門医に聞く!子育てお悩みQ&A
2025.03.03 New
#授乳
授乳時間が長く、片側40分は飲ませています。20分程度で終わらせようとすると乳首をくわえて引っ張ったりして怒ったり、授乳後1時間未満で泣き出したりするので困っています。母乳パッドがじっとり濡れるので、母乳が出ていないことはなさそうです。(生後2カ月)
回答した専門医
小児科医師 (医学博士)
藤井 明子 先生
どんぐり発達クリニック院長
プロフィールを読む
小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。東京女子医科大学大学院博士課程を修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年よりさくらキッズくりにっく院長に就任。2024年より、どんぐり発達クリニック院長、育心会児童発達部門統括に就任。子ども一人ひとりの個性を大切にしながら、親御さんが抱える日々の子育ての悩みにも寄り添う診療を行うよう努めている。自身も3人の子どもを育てる親として、子育ての楽しさや難しさを身をもって感じており、親としての視点を大切にし、子どもとご家族の健やかな成長を支えることを心がけている。
赤ちゃんによって授乳にかかる時間はまちまちですが、低月齢の時期は、ママも赤ちゃんも授乳に不慣れなため時間がかかりがちです。しかし、授乳に時間がかかるほど乳房や乳首を傷めやすくなります。2カ月の赤ちゃんなら、左右合わせて20分以内を目安にするのがよいでしょう。
1回の授乳にかかる時間や授乳の間隔は、赤ちゃんによって違います。以下はおよその目安です。
新生児期は吸う力が弱く、おっぱいをくわえることにも不慣れでうまく飲めません。そのため、すぐに疲れてしまい授乳中に寝てしまうこともあります。また、胃の容量が小さいため1回あたりの飲む量も少なめです。1回の授乳にかかる時間は、母乳で左右合わせて20~40分、ミルクで15分程度が目安でしょう。授乳の間隔は2~3時間が目安です。
赤ちゃんもママも授乳に慣れ、お互いに上手になってくることで授乳時間も短くなっていきます。また、吸う力や消化器官、胃の容量なども成長・発達していくので1度に飲む量も徐々に増え、1回にかかる授乳時間は左右で15~20分と短縮されてきます。授乳間隔も、3~4時間あくようになっていきます。
離乳食が始まるころには上手に手際よく飲めるようになるので、1回にかかる授乳時間は左右で10~20分程度になります。また、授乳間隔のリズムもある程度できて、3~5時間おきになっていきます。なお、離乳食が始まってもまだ母乳やミルクからの栄養に頼る部分が大きいため、1歳まではしっかり飲ませるのが基本です。
授乳を早めに切り上げようとしても、赤ちゃんが嫌がるという場合は、抱き方や乳首のくわえさせ方を変えてみるのも一つの方法です。工夫できるポイントは次のとおりです。
横抱き
赤ちゃんを横抱きにし、ママの腕で赤ちゃんの頭と体を支える基本スタイルです。
慣れないとママの腕が疲れやすいのが難点ですが、授乳クッションなどを使うと授乳しやすくなります。また、赤ちゃんが小さいうちは口の位置を乳首の高さに合わせにくいこともあるため、授乳クッションで高さを調整しましょう。
フットボール抱き
ママのわきの下に赤ちゃんを仰向けに寝かせて、フットボールを抱えるように赤ちゃんの頭と体をママの腕で支えるスタイルです。
赤ちゃんの下にクッションなどを置いて、赤ちゃんの口と乳首の高さを合わせます。ママが体を動かしやすく、疲れにくいのが利点です。赤ちゃんの口がよく見えるので、飲めているかどうかの確認もしやすいというメリットがあります。
縦抱き
ママの太ももの上に赤ちゃんをまたがせておすわりさせる姿勢で縦抱きにし、赤ちゃんの頭、首、おしりをママが手で支えて授乳するスタイルです。
赤ちゃんの口と乳首の高さが合わないときはクッションなどで調整します。正面から乳輪まで深くくわせさせられるのが利点です。低月齢の赤ちゃんの授乳に向いています。
どの姿勢で授乳する場合も、赤ちゃんの顔だけが乳房のほうを向いているのではうまく飲めません。頭と体がまっすぐになるようにし、背中が丸まらない姿勢にすることが大切です。
うまく飲めなかったり、乳首が切れたりする原因で最も多いのは、乳輪まで深くくわえていないケースです。口を大きくあけさせ、乳首の乳輪が隠れるくらいまで深くくわえさせます。赤ちゃんの口の形が「あひる口」になっているのが上手に飲めている証拠といわれます。確認してみましょう。
赤ちゃんの口と乳首の高さが合っていないとうまくくわえさせられません。授乳クッションなどを利用して、位置を調整しましょう。ママが背もたれを使ってもたれながら授乳するのもおすすめです。体に無駄な力が入りにくくなるので疲れにくく、母乳の出を妨げにくくなります。
ご相談者さんは母乳がよく出ているようですが、母乳不足が心配なときには、試しに搾乳して確かめてみるという方法もあります。あるいは、1回だけミルクを足してみて、飲み具合や次の授乳までの間隔を確認するのもおすすめです。また以下のことも確認してみるとよいでしょう。
うんちはよく出ているか
母乳不足のときには、便秘になることがあります。
体重は増えているか
体重の増え方を確認してみましょう。母子健康手帳にある「乳幼児身体発育曲線」に記入し、曲線にそって伸びていれば心配ありません。
母乳不足が心配で上記の2点が気になる場合は、念のため小児科や母乳外来で相談すると安心です。
赤ちゃんのお肌はとてもデリケート。皮膚は大人よりも薄く、とっても汗っかき!*
おしっこによるムレムレ湿気、おむつの摩擦による刺激などから守るために、おむつ選びは「通気性のよさ」と「やわらかさ」がポイントです。
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