専門医に聞く!子育てお悩みQ&A

Q.授乳中に寝てしまい、授乳間隔があかない【医師が回答】

New 2024.12.25

#授乳 #発育・発達

母乳育児です。母乳を飲んだあと1時間半~2時間くらいで起きてしまいます。母乳を飲んでいる間に寝てしまうこともあります。どうしたらいいですか?(生後10日)

回答した専門医

三井 俊賢先生の写真

小児科医師 (医学博士)
三井 俊賢 先生
医療法人社団育心会理事長

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小児科専門医、小児科指導医。慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程を修了後、慶應義塾大学病院に勤務し、同小学校・中学校で校医としても子どもたちの健康に携わってきた。医療法人社団育心会を立ち上げ「すべては子どもの笑顔のために」という想いで、小児科の枠を超え、子どもを取り巻くさまざまな面から包括的に支える診療に日々励んでいる。現在、3人の子育てに奮闘するパパとして、親御さんの気持ちに寄り添いながら、子どもたちやご家族に安心と笑顔を届ける医療を目指している。

A.新生児期は慣れるまで頻回な授乳を続けましょう

新生児期は、赤ちゃんもまだ哺乳初心者です。飲んでいるうちに疲れて眠ってしまうこともよくあります。赤ちゃんは乳首を吸い始めてから5分くらいで、ほぼ満腹になるくらいの量を飲んでしまうといわれています。途中で眠ってしまったら、そこで授乳を切り上げてしまってかまいません

生まれたばかりの赤ちゃんのリズムは、私たち大人とはずいぶん違います。おなかがすくと泣き、おっぱいやミルクを飲んで満足して寝る、というのが赤ちゃんの1日。小刻みなリズムで哺乳と睡眠を繰り返しています。

新生児は特に「欲しがるときに欲しがるだけ」が基本

授乳の基本は、赤ちゃんの泣き声を目安に欲しがるとき欲しがるだけ飲ませてあげること。ご相談者さんのように、前の授乳から2時間くらいしかたっていなくても、クイクイ飲むようならおなかがすいていたのです。

よく、「赤ちゃんはたっぷり飲むと3時間くらい寝る」などといいますが、生まれてすぐからそんなにきちんと授乳リズムが決まる赤ちゃんばかりではありません。哺乳力には個人差も大きく、母乳の分泌量もお母さんによって違います。

これから母乳の出が軌道にのり、赤ちゃんの哺乳力も増すと、一度に飲む量が増えて自然に授乳間隔があいてくるでしょう。今は、思ったより授乳回数が多くてもこのまま続けて、自然に授乳間隔があくのを待ちましょう。

生後3カ月をすぎたら3時間程度の間隔を目安に授乳しても

生後3カ月以降になると授乳のリズムがだんだんと整い、3~4時間間隔になってくる赤ちゃんが増えてきます。
このころになれば、一度にある程度の量を飲めるようになってきているはずですから、「泣いたら飲ませる」ではなく、泣いたらあやしたり遊んだりして気分転換もしつつ、3時間間隔程度を目安におなかがすいているときを見極めて授乳するようにしてみるとよいでしょう。

母乳が足りているか心配なときはかかりつけ医に相談を

基本的に母乳の量を測る必要はありません。母乳をどれくらい飲んだか分からないため、足りているか心配になる方も多いのではないでしょうか。

次のような点に注目すると、母乳が足りているかどうかをある程度判断することができます。

母乳が足りているかをみるポイント

  • 母乳を飲んだ後にある程度(2時間以上が目安)授乳時間があく
    →毎回授乳後1-2時間未満で泣く場合は足りていない可能性があります。
  • 赤ちゃんの体重が増えている
  • 授乳前に乳房に張りを感じる
  • 授乳前に乳首をしごくと母乳が出る

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