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猫に関するよくあるご質問

 

法律関連

猫よけと動物虐待

うちの近所では、野良猫防止のために、花壇にガラス片や釘を埋めている人がいます。もし、偶然、飼い猫が庭に入ってけがをしてしまった場合、法的には責任はないのでしょうか?(東京都羽村市 黒字さん)

猫がけがをすれば、器物損壊の罪に

 ガラス片や釘を埋めてどれだけ効果があるのか知りませんが、もし効果があったとしても、野良猫も飼い猫もひどいけがをするとなると、法的に問題があるように思います。
 ドイツやオーストリアのように「動物は物ではない」という法律の定めのないわが国では、法律上、動物も物だとされています。その結果、生きている猫も、猫のぬいぐるみも、法律上は物として同じ性質を持ち、同じように扱われることになります。
 ところで、故意、つまりわざと他人の所有物を壊したり、傷つけたりした者は、刑法第261条の器物損壊の罪に問われ、3年以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられます。近所の人は、少なくとも埋めたガラス片や釘で猫が傷つくことをあらかじめ予想してそうしたわけですから、故意はあるといえます。そして、物である猫に対しては、よほど特殊な場合でない限り、刑法第36条の正当防衛は認められませんし、あらかじめそれをしているのですから正当防衛が認められるために必要な緊急事態に対応しているわけでもありませんので、花壇の花を守るためやむをえずやったという抗弁も認められません。
 ただ、器物損壊というのは、他人の財産を損壊し、価値をなくさせたり減少させたことに対し適用されるものですから、ふつう、価値の高いものの場合ほど刑罰も重くなります。したがって、猫の場合はそんなに高いものではありませんので、それだけ刑罰も軽くなります。しかし、今後は飼い主がどれだけ大切にしているかも十分考慮されるべきだと思います。

民法による損害賠償や、動物愛護管理法による罰則の可能性も

 近所の人の行為は、民法第709条にも該当し、猫の飼い主に対し、猫のけがにより飼い主が払った治療費などの損害を賠償しなければなりません。ただ、この場合には、猫を放し飼いにして近所の家の庭に行かせた飼い主にも責任がありますので、過失相殺の考え方を当てはめ、損害賠償の額は減額されると思います。
 さらに、近所の人の行為は、動物愛護管理法第44条の動物虐待に該当する可能性もあります。つまり、そこで定めている「動物をみだりに傷つける行為」に該当する可能性があるのです。近所の人は、「花壇の花を守るためだからみだりに傷つけているのではない」と言うでしょうが、花を守るためにそこまでするのは行き過ぎだと思います。したがって、みだりでないとは言えないと思います。罰則は2000年12月から大幅に強化され、1年以下の懲役または100万円以下の罰金になりました。
 このように、近所の人に対しては、さまざまなペナルティーが考えられますが、隣近所のことでもありますので、野良猫の問題を含め、問題解決のため、知恵を出し合って話し合いをされるべきではないでしょうか。

(回答:ペット法学者・帯広畜産大学教授 吉田眞澄先生)
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