猫と暮らすお役立ち情報

獣医師が回答!猫のよくあるご相談/回答:山本宗伸先生(猫専門獣医師)Tokyo Cat Specialists 院長

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Q

猫の避妊手術で注意することは?

今、4カ月の子猫の姉妹がいるのですが、6カ月になったら避妊手術をさせようと思っています。2匹一緒に手術をしてもよいのか、そのときどんなことに気をつければよいか、教えてください。
(あじさん)

A 獣医師からの回答


多頭飼育の場合、月齢が同じなら、一緒に避妊手術を

メス猫の避妊手術は、全身麻酔をして卵巣もしくは卵巣と子宮の両方を摘出する手術です。  お腹を開ける手術のため、オス猫の去勢手術よりは時間もかかりますし、猫のダメージも大きい手術です。一般的に避妊手術を行う前には、血液検査などを行い、健康体であることを確認してから行います。
 
避妊手術を受ける時期については、アメリカのシェルター(保護動物の管理所)の研究によると、3カ月齢を過ぎていれば、体格的には、その後の成長に影響を及ぼさないことがわかっています。むしろ、性成熟に達する前に手術することは、ウイルス感染の予防、あるいは望まれない子猫が生まれないようにするためにも必要なことです。
 
2匹同時に手術して良いのか?というご質問ですが、同時に行って大丈夫だと思います。術後は、猫同士がストレスや、消毒の匂いでお互いがわからなくなり、攻撃してしまうことがあります。そのためどんなに仲が良くても、家と病院の移動の際は、別々のキャリーで移動した方が良いでしょう。
 

避妊手術を受けるときに注意する点は?

避妊手術を受ける前の注意事項は、動物病院によって多少異なりますが、当院では原則として、手術前12時間以上の絶食をお願いしています。前日の24時以降は(飼い主の方の帰宅時間や都合により多少異なりますが)、食事を控えていただき、水は手術の3時間前から飲ませないようにしてお連れいただいています。手術後は、メスの場合、傷口を保護するために、術後服を着せたり、エリザベスカラーを装着することがあります。退院のタイミングは病院により様々ですが、日帰りの病院や、一泊入院の病院が多いでしょう。手術当日は元気がなくても、翌日には回復することが多いです。

退院時には、いつも使用しているケージをお持ちいただき、お家に帰っても、すぐにケージから出さずに、落ち着いてからケージの入り口を開け、自分から出てくるまでそっとしておき、徐々に慣らすようにしてください。  

抜糸は1週間から10日で行うことができます。埋没縫合といって、皮膚の中で縫う場合は抜糸を必要としないこともあります。いずれにしても、心配なことがあるときは、手術の前に、かかりつけの先生によく相談するようにしてください。 
 
(回答:Tokyo Cat Specialists 院長 山本宗伸先生)

  避妊去勢・繁殖(3)

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