STORY 01 システムトイレ開発編 新発想!猫の目線でもっと猫トイレを快適に

STORY 01 システムトイレ開発編 新発想!猫の目線でもっと猫トイレを快適に

STORY 01 システムトイレ開発編 新発想!猫の目線でもっと猫トイレを快適に

花王が「猫トイレ」?
開発のヒントは家庭訪問調査から

花王が「猫トイレ」?開発のヒントは家庭訪問調査から

2001年に発売された『ニャンとも清潔トイレ』。
花王が新規事業としてペット用品を手がけることになったのは、企業理念でもある「生活者の立場にたった“よきモノづくり”」のために行っている家庭訪問調査で、ペットの皮脂や排泄物による室内の汚れが目についたことがきっかけでした。

20数年前といえば、「ペットは家族の一員」と言われ、家と外を自由に行き来していた猫の室内暮らしが定着し始めた頃。猫のトイレも室内に置かれるようになりました。

新規事業グループ(当時)/松本

新規事業グループ(当時)/松本

「うちのコはかわいいけれど、猫砂が飛び散って部屋が汚れるし、うんちやオシッコの強烈なニオイが悩みのタネ」。飼い主さんからはそんな声が聞かれ、トイレが汚れていれば、元来きれい好きな猫にもストレスがかかります。
飼い主さんと猫の双方にとって快適な猫トイレを花王の技術で開発し、健やかで楽しい生活環境づくりのお手伝いができないだろうか。こうして猫トイレの研究・開発が始まりました。

肉球に触れるものだから、
猫にとって安心できる素材で

研究・開発チーム(当時)/山本

研究・開発チーム(当時)/山本

「既存の猫トイレを少し改良する程度では、飼い主さんに喜んでいただける飛び抜けたものはできない。何か大胆なものが作れないか」

発売から遡ること3年前、花王研究所の山本準研究員らのチームは、猫トイレの研究・開発に取り組んでいました。特にこだわったのは「猫砂」の素材。猫の肉球に直接触れるものなので、猫にとって安全で飼い主さんが安心できる素材であることが大前提でした。

ヒノキやヒバなど、さまざまな木片をコーヒーミルで砕きながら実験を繰り返しました。

ヒノキやヒバなど、さまざまな木片をコーヒーミルで砕きながら実験を繰り返しました。

“当時の猫砂”に加えて、新聞紙、おがくず、わら……、猫の身の回りにあるさまざまな素材を評価して選び抜いたのは天然の針葉樹。木には脱臭力があり、針葉樹にはニオイや菌の発生を抑える効果をもつフィトンチッドというさわやかな香りがする成分が含まれるので、猫のトイレにぴったりでした。

「猫トイレの開発を始めた頃、子どもが生まれて父親になりました。赤ちゃんを守りたいという親の想いと、猫ちゃんを想う飼い主さんの気持ちは同じだと思って研究してきました」(研究・開発チーム(当時)/山本)

「猫トイレの開発を始めた頃、子どもが生まれて父親になりました。赤ちゃんを守りたいという親の想いと、猫ちゃんを想う飼い主さんの気持ちは同じだと思って研究してきました」(研究・開発チーム(当時)/山本)

常識を破って大胆に。
「システムトイレ」という新発想

猫のオシッコの臭気を測定。さらなる進化を目指し、開発は現在も続けられています。(研究・開発チーム/大川)

猫のオシッコの臭気を測定。さらなる進化を目指し、開発は現在も続けられています。(研究・開発チーム/大川)

猫砂の素材に木を使うと決めたものの、大きな壁が立ちはだかりました。広く普及していた「固まる猫砂」にならったものでは砂が飛び散るのを防げなかったのです。試行錯誤の末たどりついたのは、従来の固まる猫砂のもつ、オシッコを「吸って」「固める」という2つの性質を分けて考えるという発想の転換でした。まず、「固める」こと自体をやめました。そして、チップにはオシッコを吸わせず、その代わりに吸収力と脱臭力に優れた木のマットに吸わせるという、チップとマットの組み合わせを考え出しました。
こうすることで、飛び散らないことに加えて、消臭力を大きく高めることに成功。さらには効果を最大限に発揮するために、スノコ式の専用トレーも開発しました。

こうして、猫のトイレ=固まる猫砂という常識を覆し、「チップ」と「マット」と「専用トレー」を組み合わせた、画期的な「システムトイレ」が誕生しました。

  • ニャンとも快適システム チップとシートでダブル脱臭&抗菌 ※2019年発売タイプの写真を使用しています。

  • チップは木を高密度に圧縮し、大きめに成型したことで、飛び散りも抑えられました。チップやマットに使用されている木材は、間伐材や廃材を再利用。環境にも配慮しています。

    チップは木を高密度に圧縮し、大きめに成型したことで、飛び散りも抑えられました。チップやマットに使用されている木材は、間伐材や廃材を再利用。環境にも配慮しています。

「取り替えなしで1週間」のインパクト

「猫のトイレの製造販売は花王にとっては初めてのことだらけ。他社と同じことをしていても飼い主さんの満足得られない。挑戦の日々でした」(新規事業グループ(当時)/松本)

「猫のトイレの製造販売は花王にとっては初めてのことだらけ。他社と同じことをしていても飼い主さんの満足得られない。挑戦の日々でした」(新規事業グループ(当時)/松本)

「花王はペット業界では新参者。インパクトを出せなければ生き残れない」
山本らが猫トイレの開発に取り組んでいた頃、本社の新規事業グループ・ペットケアのマーケティング担当(当時)・松本彰らは、ペット市場をリサーチ。飼い主さんのペットへの深い愛情に触れ、花王がペット用品に取り組む社会的意義があると感じていました。

これまで見たこともない猫のシステムトイレの試作品と対面し、期待が高まりました。

「これはすごい!」
これまで見たこともない猫のシステムトイレの試作品と対面し、期待が高まりました。特に脱臭力と吸収力に優れたマットを使用するため数日間取り替えいらずという点に着目した松本は、無謀とも思える提案をしました。
「もうちょっとがんばれませんか。飼い主さんのゴミ出しのサイクルを考えて『取り替えなしで1週間』になればインパクトが出ます」
「我々の技術ならばできる!」
開発チームもそれに応えて改良を重ね、「取り替えなしで1週間」を実現。ついに商品が完成しました。

命名。『ニャンとも清潔トイレ』

『ニャンとも清潔トイレ』の初代のトレー。現在のように吸収体(マット・シート)の部分が引き出し式になるのは2代目から。

『ニャンとも清潔トイレ』の初代のトレー。現在のように吸収体(マット・シート)の部分が引き出し式になるのは2代目から。

商品名のインパクトも重要です。いくつかの候補の中で、松本には『ニャンとも』の文字だけ輝いて見えました。「ニャン」は猫、「とも」は友。「これで行きましょう!」。シンプルなわかりやすさ、おもしろさ、口コミ等での広がりやすさも踏まえて、『ニャンとも清潔トイレ』に決定。以後『ニャンとも』の愛称で20年間、親しまれ続けています。

「猫ちゃん飼うのやめたの?」
手応えを感じた生の声

「猫ちゃん飼うのやめたの?」手応えを感じた生の声

花王の技術を結集させた『ニャンとも清潔トイレ』でしたが、当初の期待通りに順調に物事が進んでいたわけではありませんでした。試作品を用いて飼い主さんへのモニター調査を実施すると、いくつかの試作品の中には非常に厳しい評価を受けてしまうものもあったのです。松本らは厳しい評価を耳にして動揺しました。

改良、工夫を重ねる一方、一人のモニターさんの言葉が、陰り始めた雲行きを一気に晴らしてくれたのです。
「猫トイレのニオイがしなくなって、遊びに来た友達に『猫ちゃんを飼うのやめたの?』って言われたんですよ」

機能の本質を捉えたこのひと言に胸をなで下ろし、『ニャンとも』は晴れて市場デビューを果たしました。

猫のプロにも想いを伝えて

キャットショー出展の様子(2007年)

キャットショー出展の様子(2007年)

キャットショー出展の様子(2007年)

キャットショー出展の様子(2007年)

商品が発売されてからも、猫トイレの常識を覆すシステムトイレがすぐに受け入れられたわけではありません。ペット用品コーナーのスペースは限られているのでなかなか置いてもらうことができず、初回は専用トレーごと購入しなければならないことに二の足を踏む飼い主さんもいました。
とにかく『ニャンとも』を知っていただくために、松本らは毎週のように全国各地のキャットショーに足を運び、獣医学会にも積極的に参加しました。こうした地道な努力が実って口コミで評判が広がり、使用した飼い主さんからは満足度の高い評価をいただくようになりました。

何度かモデルチェンジをしているトレー。リビングに置いてもニオイが気にならず、インテリアと調和するデザイン性が高く評価され、2010年度グッドデザイン賞を受賞。

何度かモデルチェンジをしているトレー。リビングに置いてもニオイが気にならず、インテリアと調和するデザイン性が高く評価され、2010年度グッドデザイン賞を受賞。

何度かモデルチェンジをしているトレー。リビングに置いてもニオイが気にならず、インテリアと調和するデザイン性が高く評価され、2010年度グッドデザイン賞を受賞。

何度かモデルチェンジをしているトレー。リビングに置いてもニオイが気にならず、インテリアと調和するデザイン性が高く評価され、2010年度グッドデザイン賞を受賞。

しっかり届いた『ニャンとも』の想い

発売から数年後、ユーザーさんからうれしいお手紙が届きました。『ニャンとも』に変えたら猫のトイレのニオイを嫌がっていたご主人がとても喜んでくれ、猫との距離も縮まったという内容で、文末には「開発してくれた皆さんに私から『国民栄誉賞』を差し上げます」と書かれていたのです。

「飼い主さんと猫ちゃんの快適な暮らしのお手伝いがしたい」という想いが飼い主さんに届いていることを実感し、その言葉を深く胸に刻みました。

発売から20年。想いは変わることなく、現在の担当者に受け継がれ、『ニャンとも清潔トイレ』は、今なお進化を続けています。

当時のマーケティング担当者(松本)と現在のマーケティング&開発担当者

当時のマーケティング担当者(松本)と現在のマーケティング&開発担当者

Special Movie 開発者たちの想い

マーケティング・開発・研究ら各メンバーの、ニャンとも誕生から今日に至るまで、そしてこれからの製品に込めた想いや取り組みを動画で紹介します。

Story Index

  • STORY 02 猫トイレで健康チェック編 小さな家族の小さな変化にもいち早く気付けるように

    STORY 02 猫トイレで健康チェック編 小さな家族の小さな変化にもいち早く気付けるように

    STORY 02 猫トイレで健康チェック編 小さな家族の小さな変化にもいち早く気付けるように

  • STORY 03 猫ちゃん想い設計編 すべての猫ちゃんのためによりよいことを

    STORY 03 猫ちゃん想い設計編 すべての猫ちゃんのためによりよいことを

    STORY 03 猫ちゃん想い設計編 すべての猫ちゃんのためによりよいことを

ニャンとも開発ストーリー トップに戻る

Page Top