動物病院で欠け具合の確認を。
犬や猫が硬い物をおもちゃとして噛んで遊び、歯が欠けたという話はよく聞きます。健康な歯では、歯肉から表に出ている部分を歯冠、歯肉に埋まっている部分を歯根といい、歯冠は、表面から大まかにエナメル質→象牙質→歯髄腔という三層構造になっています。歯が欠けた時に重要なのは、歯髄腔が見えている(露髄といいます)か否かです。露髄していると、この中を通っている血管や神経が感染を起こし、歯根に膿の溜まる空間ができてしまうことがあります。これを歯根膿瘍といい、痛みや口臭を伴います。こうならないためにも、動物病院で歯の欠け具合を確認してもらうのがよいでしょう。
露髄しているかどうかは通常見た目では確定せず、エクスプローラーなどの細長い歯科器具を挿入して確認します。露髄している場合、抜歯または歯内療法(歯髄のみを抜き取りなかに詰め物をする方法。歯を残すことができる)が適応となります。歯内療法は、動物病院によっては取り扱っていないかもしれません。
猫は虫歯よりも歯石の発生に注意。
虫歯の心配をされていますが、虫歯とは、口の中にいる細菌が作り出す酸が、歯の表面を溶かす現象です。猫など肉食獣の食餌には雑食性や草食性の動物の食餌に比べて酸の元になる炭水化物が少なく、また、口の中に酸を作り出す細菌が少ないことや、歯と歯の間が広く、歯の形も凸凹が少なく汚れが付着しにくいために、人間に比べて虫歯になりにくいと言われています。
しかし、口腔内環境がアルカリ性寄りであるために、歯石が発生しやすいのが特徴です。歯の欠けた部分は表面が凸凹しているでしょうから、より一層歯石が付着しやすくなります。こういう部分にはポリッシングという研摩処置で表面を滑らかに整えることができます。
いずれにせよ、どの処置が必要かは一度病院にお連れになって主治医に相談して決められるのが良いと思います。
また、竹串や割り箸で遊んでいて落下した時に軟口蓋から第一頸椎上部に突き刺さってしまう事故もありますから、遊ばせるのであれば棒状のものは避け、動物用に作られた安全なおもちゃを与えることをおすすめします。