猫の泌尿器の病気
猫の慢性腎臓病(腎不全)
<獣医師監修>

猫イメージ

慢性腎臓病(腎不全)とは

腎臓の機能が長い年月をかけて徐々に低下していくことで起こります。高齢の猫の死因の第1位にあげられ、猫の宿命ともいえる病気です。
 

慢性腎臓病(腎不全)の原因

はっきりとしたことはわかっていませんが、ある種のウィルスの影響が考えられたり、あまり水を飲まないことで歯肉口内炎などが影響していると考えられています。
15歳以上の猫は81%が慢性腎臓病という報告があるように、高齢の猫の大半が患っているといわれています。腎臓の機能が3分の2くらい失われてようやく症状が現れるといわれ、早期発見は難しい病気です。
また生まれつき腎臓の発育が悪く、正常な腎臓に成長しない腎臓の異形成、多発性嚢胞腎等の遺伝性疾患なども慢性腎不全の原因です。

腎不全を起こした猫の腎臓。表面に凹凸がみられる。

腎不全を起こした猫の腎臓。表面に凹凸がみられる。
(写真提供/麻布大学付属動物病院 渡邉俊文先生)

慢性腎臓病(腎不全)に
なりやすい猫

高齢の猫の大半が患っているといわれています。基本的には全ての猫で注意が必要な病気です。ヒマラヤンやペルシャなどの猫種のなかには、多発性嚢胞腎になりやすい遺伝子を持っていることもあるので注意が必要です。

猫の先天性の腎形成不全

先天性の腎形成不全
(写真提供/麻布大学付属動物病院 渡邉俊文先生)

慢性腎臓病(腎不全)の症状

気づいたときにはかなり進行しているのがこの病気の特徴です。一番初めに目に見えて現れる症状は、水をたくさん飲むようになり、オシッコの量が増えることです。そのため、オシッコが薄くなり、ニオイもあまりしなくなってきます。食欲も元気もあるので見逃しがちですが、この段階で腎臓の機能はすでに50~75%くらい失われています。その後、食欲の低下、体重の減少、毛づやがなくなるなどの症状も少しずつ現れます。症状が進むと尿毒症になり、食欲がまったくなくなり、激しい嘔吐が繰り返し起こったり、体温が低下したりします。最終的に腎機能がまったく機能しなくなり、死に至ります。
 

慢性腎臓病(腎不全)の治療

腎臓の組織は一度壊れると元に戻すことはできないので、慢性腎臓病を治す治療はありません。治療は残っている腎機能を長持ちさせて、病気の進行を遅らせることが中心になります。腎臓に負担をかけない低タンパク・低リンの食事を与える食事療法や、場合によっては投薬も行います。なるべく初期の段階から食事療法などを行えば、完治はしなくても長生きすることは十分に可能です。
 

慢性腎臓病(腎不全)の予防

若い頃から腎臓に負担をかけないケアを心がけることが大切です。人の食事は塩分が多すぎるでキャットフードを与え、水をたくさん飲めるような工夫をします。歯肉口内炎があると慢性腎臓病になりやすいことがわかっています。デンタルケアを日頃から行いましょう。また、少しでも初期段階で発見できるよう、オシッコの量やニオイはつねにチェックし、異変を感じたら早めに動物病院で診察を受けましょう。

猫のオシッコチェックダイアリー記入例。月に1度の新習慣。愛猫の健康管理はオシッコで!

ダイアリーに記録し、日頃からオシッコの状態をチェックしましょう。

水を飲む猫

水を十分に飲めるように工夫を。

オシッコの量を計るには、容器に移し替えて

日頃からオシッコの量を計って、すぐに異変に気づけるように。

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