
2025.12.17 New
#授乳 #赤ちゃんのお世話 #発育・発達
出産から2カ月、ママの体はかなり回復してきて里帰りしていた人は自宅に戻り始めるころでしょう。赤ちゃんはさらに成長し、しっかりしてきて、できることも増えてきます。そんな生後2カ月の様子や気をつけることなど、この時期の育児のポイントを紹介していきます。
監修した専門医

小児科医師 (医学博士)
三井 俊賢 先生
医療法人社団育心会理事長
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小児科専門医、小児科指導医。慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程を修了後、慶應義塾大学病院に勤務し、同小学校・中学校で校医としても子どもたちの健康に携わってきた。医療法人社団育心会を立ち上げ「すべては子どもの笑顔のために」という想いで、小児科の枠を超え、子どもを取り巻くさまざまな面から包括的に支える診療に日々励んでいる。現在、3人の子育てに奮闘するパパとして、親御さんの気持ちに寄り添いながら、子どもたちやご家族に安心と笑顔を届ける医療を目指している。

生後2カ月ごろになると、新生児期に着ていた肌着が小さく感じられるようになるかもしれません。少しずつですが、赤ちゃんは着実に大きくなっています。
生まれたときと比べると、身長は約10cmも大きくなり、体重は2~3㎏増加します。皮下脂肪がつくと共に筋肉も発達してくるので、よりしっかりした体つきになってきます。
生後2カ月ごろの視力は、まだぼんやりと見えるくらいです。しかし、目の筋肉や首の筋肉がついてくることで、動くものを目で追えるようになります。これが追視です。
おもちゃなど興味のありそうなものを顔に近づけると、手を伸ばして取ろうとするしぐさもするようになってきます。赤ちゃんの顔の近くでおもちゃをゆっくり動かしたり、近づけたりして遊んであげるとよいでしょう。
赤ちゃんがご機嫌なときに発する「あー」「うー」といった声がクーイングです。生後2カ月ごろになるとクーイングをする子が増えてきます。
赤ちゃんがクーイングをしていたら、大人は返事をしてあげましょう。
生後2カ月ごろは筋肉がどんどん発達し、手足が活発に動かせるようになると同時に首もしっかりしてきます。うつぶせ姿勢にすると、首を上げられるようになってきているでしょう。
ただし、この時期はまだ完全には首がすわっていないことが多いので、抱っこのときは首を支えてあげましょう。
生後2~4カ月ぐらいになると、赤ちゃんは片手を持ち上げて「これはいったい何だろう」といった顔をして眺めたり、なめたりし始めます。これは、「ハンドリガード」といって、赤ちゃんが自分の手の存在に気づいた証拠です。
でも自分の意思で動かせる、自分の体の一部だとはまだわかっていません。かわいい仕草なので、ぜひチェックしてみてください。
新生児のころのほほえみは、筋肉の反射運動で起こるものでした(新生児微笑)。しかし、生後2カ月くらいになると表情筋が発達し、ママやパパのあやす声やスキンシップなどに反応して自発的にほほえむ「社会的微笑」をするようになってきます。
社会的微笑には、表情筋の発達と共にこのころから発達する「ミラーニューロン」が関わっています。ミラーニューロンとは、ほかの人の動作を真似する働きをする神経細胞です。周囲の大人が笑顔で話しかけてあげるほど、赤ちゃんは笑顔を見せるようになります。

生後2カ月ごろは、まだ赤ちゃんが飲みたいだけ飲ませてよい時期です。だんだんと飲み方が上手になってくるので、1回の授乳にかかる時間が短くなり、授乳間隔があくようになってくる子もいます。
授乳間隔は平均すると3~4時間、1日あたりの授乳回数でいうと6~8回ぐらいになります。
ときには、母乳やミルクが足りているのか、また多すぎないかが心配になることもあるでしょう。そういう場合は、1日あたりどのくらい体重が増えているか確認しましょう。1日あたり体重が20~30g増加していれば問題ありません。
完全ミルクの場合は1回あたり120~160ml、1日6~8回が一般的です。1回のミルクを飲む量にはムラがあることが多いので、1日トータルで700~1000ml程度と考えるとよいでしょう。
混合栄養で1回の授乳ごとに母乳+ミルクを飲ませている場合は、赤ちゃんが飲みたいだけ母乳を飲ませてから、ミルクを飲ませます。この場合も、量が足りているか心配な場合は、1日の体重の増えを確認してみましょう。
生後2カ月になってくると、おなかがすいて泣くだけでなく、甘えて泣き出すこともあります。授乳は3時間おきを目安にして、それより短い間隔で泣くときは、抱っこしたりあやしたりして様子を見ましょう。授乳回数は1日8回ぐらいを目安にし、足りているかどうか心配なときは、1日の体重の増えを確認してみましょう。
生後2カ月ごろは、夜中に起きて授乳が必要な子が多いですが、なかにはよく寝て授乳が必要のない子もいます。その場合、基本的には起こしてまで飲ませなくても大丈夫です。そのかわり、起きたらすぐに飲ませてあげましょう。
ただし、体重の増えが少ない場合は、起こして飲ませたほうがよい場合もあります。1日の体重の増えを確認し、あまり増えていない場合や心配な場合は小児科で相談しましょう。
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ママは出産の疲れが取れてきて、ママもパパも赤ちゃんのお世話に少しずつ慣れてくるころです。赤ちゃんも目覚ましく成長して、驚くようなしぐさをすることもあります。
生後2カ月のころは、1日に16~20時間、1日の7割は眠っている子が多いですが、徐々に起きている時間が長くなってきます。2~3時間おきに目を覚ます子もいれば、ある程度まとまって寝る子もいます。
まだ昼夜の区別はありませんが、朝は明るくして活動的に過ごし、夜は暗くして静かに過ごすことを繰り返しているうちに、昼夜の区別がついてきます。
この時期はまだおしっこは少したまると反射的に出ますし、うんちは母乳・ミルクがおなかに入った刺激で押し出されます。そのため個人差はありますが、おしっこは1日15回前後、うんちは1~2回の子もいれば、10回前後の子もいます。
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外気浴に慣れたら、お散歩を始めましょう。お散歩は暑い時期なら涼しい時間帯に、寒い時期なら日当たりのよい暖かい時間帯に5分程度から始めます。
1日1回、ベビーカーに乗せるか、抱っこひもで抱っこして、ゆっくりとおうちの周囲を散歩してみましょう。赤ちゃんは外の光を感じ、空気に触れ、音を聞いて、家の中と違う雰囲気を感じるだけでよい刺激になります。
お買い物を兼ねて散歩に行く人もいますが、この時期はまだ散歩と買い物は別が理想です。どうしてもの場合は、人混みを避けて長時間にならないように気をつけましょう。
視力や色彩を感じる能力が発達し、生後2~3カ月ごろには赤、青、黄の色がわかるようになってきます。色がはっきりした絵本や、ベッドメリー、ガラガラなどを赤ちゃんに見せて、一緒に楽しむのがおすすめです。
赤ちゃんは、風邪などのありふれた病気の免疫はおなかの中でママから受け継いでいます。しかし、かかると重症化しやすく命にかかわる感染症の免疫は持っていません。そのため、命を守るためにワクチンを受けることが法律で決められています。
B型肝炎、ロタウイルス、小児用肺炎球菌、五種混合<ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ、Hib(インフルエンザ菌b型)>の4種類を受けます。
いずれの感染症もかかると重症化する恐れのあるものばかりです。2カ月になったらできるだけ早く受けることが大切です。
0歳代では、受けるワクチンの種類がとても多いので、適切な時期に受けるために計画的に受けていきましょう。早めにかかりつけ医を決め、ワクチン接種のスケジュールを立ててもらうのがおすすめです。

赤ちゃんの健やかな成長のために、この時期とくに気をつけておきたいことを紹介します。
生後2カ月ごろになると、おなかの中でママから受け継いだホルモンが少なくなり、だんだんと皮脂の分泌が減ってきます。お風呂上がりやお散歩のあとなどに、こまめに保湿剤を塗りましょう。
よだれがつきやすい口まわりはカサカサしたり赤くなったりしがちです。よだれを拭き取るときは、こすらずにガーゼでやさしく拭き、保湿剤を塗っておきます。
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生後2カ月になると、さらに動きが活発になります。仰向けのまま足でけって移動する子も出てきます。「まだできない」「昨日はできなかった」と過信せず、高さのあるところに寝かせたまま目を離さないようにしましょう。ベッドに寝かせたら必ず柵をすることが大切です。
また、生後2カ月の赤ちゃんでは、顔にかかったものを手で払いのけられない子もいます。ベッドや布団のまわりには、赤ちゃんの口や鼻にかかりそうなものは置かないようにしましょう。
どの月齢の赤ちゃんにも必要なことですが、車で外出する際は、必ずチャイルドシートを使いましょう。チャイルドシートのつけ方が間違っていると、衝撃からしっかり守ることができないので気をつけてください。加えて、気温が高い時期はとくに、1分でも車内に赤ちゃんを置き去りにしてはいけません。
この時期には、あやすと笑い、「あー」「うー」と声を出すようになってきます。ママやパパが赤ちゃんに顔を近づけて、笑い顔を見せたり声をかけたりして、遊んであげましょう。
ガラガラなどを目の前でゆっくり動かして、目で追わせる遊びをするのもよいですね。
また、首~背中の筋肉もついてくるので、うつぶせ姿勢もおすすめです。顔を持ちあげていつもと違う光景を見て楽しむことができます。ただし、短時間にとどめ、大人は目を離さないようにしましょう。
縦抱きにしてあやすのもおすすめです。ただし、首をしっかり支え、長い時間は避けるようにしましょう。

産後2カ月ごろは、里帰りから帰宅し、ママとパパでの育児が始まる人もいるでしょう。サポートなしですべての育児を2人できちんやらないと・・・と思わずに、無理をせず慣れるまでサポートをお願いしましょう。
実家、義実家がだめなら、自治体の「育児支援ヘルパー」に頼るのも手です。安価で育児や家事をサポートしてもらえます。
近年、育児休暇の制度が法律で定められたことで、基本的に子どもが1歳になるまで、延長すれば2歳になるまで休暇が取得できるようになっています。
一方で、育児休暇を取得せず、産前産後休暇のみで職場復帰するケースもあります。産後6週間を過ぎ、本人が希望し、医師が職場復帰しても問題ないと診断した場合は、産後8週後から復帰が可能です。
赤ちゃんの預け先を確保
最も必要なのは、働いている間、赤ちゃんの面倒を見てくれる預け先。実家や義実家をはじめ、保育所、ベビーシッターなどが一般的ですが、日によって預け先が異なると赤ちゃんが不安になり落ち着きません。同じ場所で預かってもらえるところを確保しましょう。
働き方を会社と相談する赤ちゃんとの生活では、急な発熱などで突発的に欠勤しなくてはならないことも少なくありません。時短勤務が可能か、出張や休日出勤は避けられるか…など、できるだけママや赤ちゃんに負担のない働き方ができるよう相談しましょう。
生後2カ月の赤ちゃんは、少しずつ体つきがしっかりし、笑ったり声を出したり、自分の手をじっと見つめたりと、日々新しいことに気づくようになります。そんな成長の瞬間は、見ているだけで幸せな気持ちになれることでしょう。
一方で、授乳やおむつ替え、ワクチン接種などでママやパパはまだまだ忙しい時期です。無理をせず、家族や地域のサポートも上手に活用しながら、赤ちゃんとの時間を楽しむことが大切です。毎日の小さな成長を感じながら、少しずつ育児に慣れ、笑顔で過ごせる日々を積み重ねていきましょう。

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