2025.03.03 New
#うんち #おしっこ #発育・発達 #トイレトレーニング
トイレトレーニングを始める時期はちょうどイヤイヤ期に重なることもあり、悩みも多くなりがちです。また進み具合は個人差が大きいため、つい周りと比べてイライラしてしまうこともあるでしょう。
スタート時の疑問から、トレーニングが進んでからの悩みまで、育児経験が豊富な専門家に具体的に回答していただきました。
監修した専門医
小児科医師 (医学博士)
三井 俊賢 先生
医療法人社団育心会理事長
プロフィールを読む
小児科専門医、小児科指導医。慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程を修了後、慶應義塾大学病院に勤務し、同小学校・中学校で校医としても子どもたちの健康に携わってきた。医療法人社団育心会を立ち上げ「すべては子どもの笑顔のために」という想いで、小児科の枠を超え、子どもを取り巻くさまざまな面から包括的に支える診療に日々励んでいる。現在、3人の子育てに奮闘するパパとして、親御さんの気持ちに寄り添いながら、子どもたちやご家族に安心と笑顔を届ける医療を目指している。
トイレトレーニング開始の目安として、まずは、2時間以上おしっこの間隔があくかどうかを確認しましょう。あかなければ、しばらく様子を見ます。膀胱におしっこをためられる量には個人差があり、膀胱の感覚が過敏ですぐにおしっこをしたくなる子もいます。
ただ、スタートが遅くなると、おむつをはずすと不安になってトレーニングに支障をきたすことがあるため、2歳半から3歳の間をスタートの目安にするのがよいでしょう。
トレーニング開始に、季節はとくに関係ありません。ただし、夏はおしっこの量や回数が減ること、薄着になること、洗濯物が乾きやすいことなどトレーニングを進める上でのメリットがあります。
しかし、体の発達が進み、おしっこをためて我慢できる状態になっていれば、冬に開始しても大丈夫です。
思いついたときにトイレに誘うのではなく、おしっこのたまったときを見計らって連れて行くようにしましょう。最初からトイレで出なくてもあせることはありません。場所に慣れるのが最初のステップだからです。
しかし、あまり空振りが多いと子どもも何のためにトイレに連れて来られるのかわからなくなってしまいます。モジモジするなどのシグナルを出したときや、おむつ替えから2時間近くたったときなどが誘いどきです。
「トイレでおしっこしてみようか」と声をかけ、「トイレ」と「おしっこ」が結びつくように話しかけながら排泄を促してみましょう。
トイレを嫌がるようになったときは、理由を考えてみましょう。トイレが暗い、水の流れる音が怖い、便座が冷たい、姿勢が不安定で不安など、大人には意外に感じることが原因の場合もあります。思い当たることを一つずつ取り除いてみましょう。
トイレにかわいいシールを貼ったり、より安心して座れる補助便座に変えてみたりするのもよいでしょう。子どもの安心感を高めます。
どうしても嫌がるときはいったん中断して、子どもからの「おしっこがしたいサイン」を待って再スタートするのがよいでしょう。
遊んでしまう場合は、まだおまるやトイレが排泄の場所だと理解していないのです。遊んでしまっても叱る必要はありませんが、それ以上続けていてもあまり意味はないので、さっさと切り上げてしまいましょう。毎回同じことを繰り返すようなら、トレーニングをしばらく休んでみてもいいですね。
その間、お友だちがおまるやトイレで用を足すのを見せたり、絵本や動画でトイレの意味を教えたりするとよいでしょう。おまるやトイレに慣れさせるために楽しい雰囲気で誘うのはよいのですが、おもちゃ感覚になると本来の目的を損ねてしまい進めにくくなるので行きすぎないように注意しましょう。
ママは「チッチ(したいの?)」と聞いているつもりでも、子どもは「出た」というつもりでうなずいているのかもしれませんね。
出たあとの不快感はわかり、それをママに伝えることはできても、出る前の「したい」という感覚を伝える段階になっていないのです。
でも、出たことを教えられるだけでも大きな前進です。トイレトレーニングだけでなく、ほかの場面でも言葉でのやりとりをたくさんしていくとよいですね。
また、何となくシグナルを発するもののトイレまで我慢できないという時期もあります。間に合わず出てしまっても、がっかりした顔はせず「出たー。よかったね!」と喜んであげましょう。間に合わなかったことは、子どもにとって決して失敗ではないからです。
逆に、おしっこが足を伝わる感じを知ることは、「おしっこが自分の体から出る」感覚を覚えることにもつながります。着脱しやすい衣類にして、すぐにトイレに行けるようにしてあげることも大切ですね。
2歳前にトイレでできたのは、たまたまタイミングが合ったのでしょう。トイレで出ないことが増えたのは、後戻りしたわけではなく、むしろ排尿間隔があいてきたせいかもしれません。
タイミングで出るのと、自分でおしっこをしたいことを自覚して教えてから出るのは別です。トイレには慣れたのですから第一段階はクリアです。おしっこがたまったことがわかるようになればシグナルを出してくるし、自分から教えてくれるようにもなります。先を急がず、ゆっくり見守ってあげましょう。
何回か教えることが出てくると、すぐにもおむつが取れるように思いがちですが、トレーニングは一進一退です。
ほかに楽しいことや夢中になっていることがあると、おしっこが二の次になってしまうのはよくあることです。出ているのに「ナイ」と答えるのは、反抗しているわけではなく、今はそれどころではない、という心境だったのでしょう。
そういう場面だったら大目に見てあげてください。「何で教えなかったの?」などと理由を聞いても子どもにはうまく説明できませんし、叱られたということしか心に残りません。
また、おもらしが嫌でひんぱんにトイレに誘うとかえって頻尿になったり、出ていても教えなくなったりというようなことが出てきます。
自分から教えてくれてトイレでできたときこそたくさん喜んで、トイレでする意欲をわかせるほうが得策です。
うんちはおしっこと違っていきまないと出ないため、一番落ちつく場所でしたいという気持ちを持つ子どももいます。カーテンに隠れるのは、誰かに見られていると気恥ずかしくて集中できないのかもしれません。
いきんでいる時にすばやくトイレに連れて行く方法もありますが、子どもによっては無理にトイレに連れて行くと、緊張感からかえって出なくなってしまうこともあります。しばらくは、出たあとでおしりをきれいにしながら「今度はトイレでしてみようか」などと促す程度にしておきましょう。
また、うんちをトイレでできずにその失敗をきつく叱られた経験があると、隠れてするようになる場合があります。もし、そうしたことがきっかけになっているのであれば、うんちのあとで「出てよかったねぇ」などと伝え、子どもの気持ちをリラックスさせてあげましょう。
最初のうちは、万が一に備えて外出時はおむつをつけていったほうが安心です。外出時のおむつがトレーニングに影響することはないので、心配ありません。
ただ、おむつをつけているから大丈夫と思わず、出かける前に「お出かけの前におしっこをしておこうね」とトイレを習慣づけましょう。公園へ行く前などに練習しておくといいですね。
また、行き先では子どもの入りやすいトイレがどこにあるかをチェックしておきます。そろそろ出るのではないかなというときには、トイレの場所を確かめてから「おしっこしたくない?」と聞くなどの気配りをしましょう。
下の子が生まれた直後は、さまざまな形で赤ちゃん返りが起きます。ママやパパを独り占めできなくなったことは、子どもにとってショックなことなのです。ママやパパの気を引きたい気持ちをわかってあげましょう。
「お姉(お兄)ちゃんになったのにどうして?」という態度をとると、余計にこじれてしまいかねません。
出てしまったあとでも「教えてくれてありがとう、さすがお姉(お兄)ちゃん。赤ちゃんとは違うね」というかたちで、自尊心をくすぐって自信を持たせてあげてください。
また、下の子が寝ているときはたっぷり甘えさせてあげましょう。ママやパパはいつもと変わらない、と気づけば、じきに元の状態に戻ります。トレーニングしたことは決して無駄だったわけではありません。
失敗が続くというのは、まだ発達の途中だからです。できないことを叱っても、子どもはストレスを抱え込むばかりで、かえって発達にブレーキをかけてしまいます。
とくに、排尿をコントロールする力の発達は個人差が大きいので、よその子と比較して叱るのは禁物です。
また、おむつはずれが遅いのはママ・パパの責任ではありませんし、子どもの知能にも関係ありません。いずれ必ずとれるのですから焦らないでください。
もちろん、ママ・パパも忙しかったり体調が悪かったりすると、カッとなることもあるでしょう。でも、直後にかわいそうなことをしたなと反省するはずです。叱ったあとで気持ちがおさまったら楽しく相手をしてあげて、傷ついた子どもの気持ちを癒やすことを心がけましょう。
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