専門医に聞く!子育てお悩みQ&A
2025.03.03 New
#うんち #不調・トラブル #赤ちゃんのお世話
いつもうんちが硬く、いきみすぎて肛門が切れて出血していることもあります。そのようなときはどんなケアをしたらよいですか?(生後10カ月)
7カ月ぐらいから便秘になり、コロコロのうんちでいきむと肛門が切れて出血します。水分補給や食事に気をつけていますが改善されません。(1歳2カ月)
回答した専門医
小児科医師 (医学博士)
三井 俊賢 先生
医療法人社団育心会理事長
プロフィールを読む
小児科専門医、小児科指導医。慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程を修了後、慶應義塾大学病院に勤務し、同小学校・中学校で校医としても子どもたちの健康に携わってきた。医療法人社団育心会を立ち上げ「すべては子どもの笑顔のために」という想いで、小児科の枠を超え、子どもを取り巻くさまざまな面から包括的に支える診療に日々励んでいる。現在、3人の子育てに奮闘するパパとして、親御さんの気持ちに寄り添いながら、子どもたちやご家族に安心と笑顔を届ける医療を目指している。
肛門が切れて出血する(裂肛:切れ痔のこと)と、痛みから赤ちゃんは排便を我慢してしまいます。我慢してうんちが直腸にたまった状態が続くと、うんちがたまったことを感じるセンサーが鈍り、ますます出にくくなるため早めのケアが必要です。
離乳食の内容を工夫したり、綿棒浣腸などを行ったりするのもよいですが、出血するほど便秘がひどいときは小児科を受診したほうがよいでしょう。適切な薬を使うほうがよい排便習慣を早く取り戻すことができますし、裂肛も早く治せます。
肛門の傷は清潔を保ち、うんちをやわらかくしてあげれば普通1~2週間で治ります。何度も裂肛を繰り返していたり、潰瘍になっていたりすると治るまでに時間がかかることもありますが、清潔と便秘改善を徹底すればいずれ必ず治ります。
なお、うんちのあとは少なくとも1日に数回は座浴(洗面器にぬるま湯をはり、おしりを洗うこと)を行い、うんちが残らないようきれいにしてあげましょう。そのあと小児科で処方された軟膏を塗りますが、肛門を広げるようにして傷口にしっかり塗布することが大切です。
また、小児科でもらう便秘改善の薬には、浸透圧の作用により腸内へ水分を集めてうんちをやわらかくする薬や、腸の動きを促す薬、便の量を増やして排便を促す膨張性の下剤などがあります。
肛門が切れるほどうんちが硬い場合は、1度便秘改善の飲み薬や浣腸によって、たまってしまったうんちをきれいに出す治療を行うことがあります。直腸内が空になれば、次にたまるうんちがやわらかくなり出しやすくなるからです。
肛門からの出血(裂肛)を繰り返さないためには、処方薬で便秘を改善するのはもちろん、自宅でのケアで便秘予防をすることも大切です。
自宅で気をつけられる便秘予防には、次のようなものがあります。
離乳食開始以降の赤ちゃんの場合は、離乳食に野菜や豆類、海藻類など離乳食時期に合った食物繊維の多い食材を取り入れてみましょう。また、納豆やヨーグルト、チーズなど、腸内環境を整えてくれる発酵食品も効果的です。
おなかが張っているようなときは、おなかのマッサージをしてあげましょう。赤ちゃんのおへそのまわりに「の」の字を描くように、やさしくマッサージします。
体を動かすと腸の蠕動運動が促されます。ハイハイやつかまり立ち、一人歩きができる赤ちゃんならたくさんさせてあげましょう。ねんね~おすわりの時期の赤ちゃんは、大人が足を持ってやさしくバタバタ動かしてあげると腸の運動が促されます。
寝る時間、起きる時間、授乳や離乳食の時間、お散歩の時間、お風呂の時間などをある程度一定にしましょう。生活リズムを整えると、排便の時間も整いやすくなります。
水分が不足すると、うんちは硬くなります。離乳食開始前の子なら、母乳・ミルクをしっかり飲ませましょう。離乳食開始後は母乳・ミルクのほか、湯冷ましなど飲みやすいものなら何でもかまいませんのでこまめに飲ませましょう。
赤ちゃんのお肌はとてもデリケート。皮膚は大人よりも薄く、とっても汗っかき!*
おしっこによるムレムレ湿気、おむつの摩擦による刺激などから守るために、おむつ選びは「通気性のよさ」と「やわらかさ」がポイントです。
ずっと気持ちいいがつづく!上質な100%通気素材*で赤ちゃんの繊細な肌をやさしく守ります。
あわせて読みたい