専門医に聞く!子育てお悩みQ&A
2025.03.03 New
#発育・発達
生まれたときから体重3,570gと大きかったのですが、9カ月現在9,600g以上あります。離乳食を1日3回よく食べ、食べたあとは必ずうんちをします。離乳食の食べすぎでしょうか?先々肥満にならないか心配です。 (生後9カ月)
11カ月で約11kgあります。ハイハイでよく動きまわりますが、その分離乳食をよく食べ、ミルクをよく飲みます。おやつやジュースはそんなにたくさんあげていません。太り気味なのではと心配です。(生後11カ月)
回答した専門医
小児科医師 (医学博士)
藤井 明子 先生
どんぐり発達クリニック院長
プロフィールを読む
小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。東京女子医科大学大学院博士課程を修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年よりさくらキッズくりにっく院長に就任。2024年より、どんぐり発達クリニック院長、育心会児童発達部門統括に就任。子ども一人ひとりの個性を大切にしながら、親御さんが抱える日々の子育ての悩みにも寄り添う診療を行うよう努めている。自身も3人の子どもを育てる親として、子育ての楽しさや難しさを身をもって感じており、親としての視点を大切にし、子どもとご家族の健やかな成長を支えることを心がけている。
よく飲んでよく食べる赤ちゃんは体重が順調に増えるため、1歳前で10~11kgという子も決して珍しくはありません。特に9カ月頃は、皮下脂肪がつきやすくぽっちゃりしやすい時期です。
しかしこのまま太り続けることはなく、たいていは一人歩きが始まって運動量が増えると自然に体が引き締まり、ほっそりとしてきます。
基本的に6歳未満では食事を制限する必要はありません。いずれのご相談者さんも、そのまま様子を見てよいでしょう。
赤ちゃんや子どもが太っているかどうかを判断する目安のひとつに、カウプ指数があります。カウプ指数とは、身長と体重の数値を用いて計算する肥満度判定の指標です。基準数値に照らし合わせることで、標準体型かやせ気味体型か、太り気味体型かを判定できます。
カウプ指数は3カ月~5歳までの子どもの月齢・年齢別に調整された数値で判断します。カウプ指数の出し方と各時期の基準値は、以下のようになります。
計算式
カウプ指数=体重(kg)÷身長(m)2
例えば、体重が9kgで、身長が75cm(0.75m)の赤ちゃんのカウプ指数を計算すると、以下のようになります。
→カウプ指数=9÷(0.75)2=16.07
基準値
乳児(3カ月~1歳未満):16〜18
1~2歳:15〜17
3~5歳:14.5〜16.5
学童期:18〜22
基準値内の場合は標準体型、未満はやせ気味、大きい場合は太り気味とされます。
カウプ指数のメリットは、身長と体重の数値で簡単に計算でき手軽に判定ができることです。成長の様子を確認するための目安として、誰にでも簡単に利用することができます。
カウプ指数のデメリットは、年齢によって判定基準が異なるため、ある時点での判定はできても継続的な成長の指標にはなりにくい点です。
また、身長と体重だけで判断する簡易な判定法のため、カウプ指数だけでは正確な評価ができず、身体発育曲線などほかの指標と組み合わせての判断が必要な場合もあります。
カウプ指数で太り気味となった場合でも、すぐに心配しなくて大丈夫です。赤ちゃんの成長は個人差が大きいため、カウプ指数はあくまでも目安と考えてよいでしょう。
特に1歳未満の場合は、そのまま様子を見ていてかまいません。心配な場合でも自己判断はせず、かかりつけ医に相談しましょう。
子どもの肥満が心配になってくるのは3歳以降です。乳幼児に大人のようなダイエットをさせると、成長や発達に悪影響を及ぼす恐れがあります。自己判断での食事制限はやめましょう。
1歳以降の子で太り気味の判定となった場合は、食事の量を減らすのではなく内容を調整しましょう。まず、早食いになっていないか、油脂が多いメニューになっていないか確認してみましょう。
さらに、食材をやや固めにしたり繊維質が多めのものを使ったりして噛みごたえを出し、薄味のメニューを増やすようにします。
また、おやつや乳酸菌飲料・ジュースなどは少なめにしましょう。できるだけ1日1回は外遊びをさせ、運動量を増やすよう心がけることも大切です。
赤ちゃんには体重が増える時期・身長が伸びる時期があります。6~10カ月ぐらいの頃は一般的に体重が増え皮下脂肪がつき、ぽっちゃりする時期です。
しかし、ハイハイや一人歩きができるようになってくると運動量がぐんと増え、スッキリと引き締まった体型になってきます。
赤ちゃん時代にぽっちゃりして太り気味と感じても、その状態がずっと続くことはまずありません。あまり心配せず様子を見守りましょう。
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