専門医に聞く!子育てお悩みQ&A

Q.赤ちゃんの包茎、何歳までなら心配しなくていいの?【医師が回答】

New 2024.12.25

#発育・発達

2歳を過ぎたのに、まだ完璧におちんちんに包皮がかぶっていてむけない状態です。お風呂のときに包皮を下ろして洗おうとしても、突っ張っているようで全然むけません。友人の子は、普段は包皮がかぶっていても、下ろすとつるんとむけると聞き、心配です。(2歳3カ月)

回答した専門医

三井 俊賢先生の写真

小児科医師 (医学博士)
三井 俊賢 先生
医療法人社団育心会理事長

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小児科専門医、小児科指導医。慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程を修了後、慶應義塾大学病院に勤務し、同小学校・中学校で校医としても子どもたちの健康に携わってきた。医療法人社団育心会を立ち上げ「すべては子どもの笑顔のために」という想いで、小児科の枠を超え、子どもを取り巻くさまざまな面から包括的に支える診療に日々励んでいる。現在、3人の子育てに奮闘するパパとして、親御さんの気持ちに寄り添いながら、子どもたちやご家族に安心と笑顔を届ける医療を目指している。

A.赤ちゃんの包茎は当たり前、ただし治療が必要なケースも

包茎とは、おちんちん(陰茎)の先まで包皮がかぶっていて亀頭(おちんちんの先)が見えない状態をいいます。乳幼児の包茎は当たり前のことで、心配することはありません。

包茎の状態でも、包皮を陰茎の根元側に軽く引っ張ったとき、直径5mm以上の穴が見られれば、やがて自然に包皮がむけることが多いとされています。
また、穴が見られなくても、成長とともに変化する可能性がありますので心配はいりませんし、無理に包皮をむく必要はありません。

どんなときに子どもの包茎治療が必要?

幼児期後半(4~5歳)になっても包皮の癒着が強く亀頭が露出せず、おしっこをするときに穴のサイズが小さくておしっこがあちこちに飛び散ったり、亀頭包皮炎を何度もくりかえしたりする場合は、包皮の癒着を解消するための治療をします。

亀頭包皮炎とは、おちんちんの先に細菌が感染し、炎症を起こして赤く腫れた状態です。かゆみや痛み、ひどくなると膿が出ておしっこが出にくくなることもあります。
治療が必要かな?と思われる場合には泌尿器科や小児科で相談することになります。

治療は必要ないみたいけど心配…そんなときは

海外では、風習や宗教上の理由などから乳児期に包茎手術を行うところもありますが、日本では乳幼児期に包茎の手術を行うことは一般的ではありません。乳幼児期に包皮がまったく下げられない状態でも、多くは思春期になると包皮がむけるようになります。

過度に心配せず、乳幼児期は、お風呂に入ったときに包皮を陰茎の根元側に(強く押し下げず)軽くひっぱりながらシャワーで軽く洗ってあげれば問題ありません。

なお、何らかの問題や事情によって包茎の治療をする場合、以下のような方法になります。

手術療法

手術により、亀頭を包んでいる包皮を切除したり、包皮口を切開したりします。

包皮ほんてん指導

ステロイド軟膏を塗り、包皮がやわらかくなったところで手で包皮をひっぱってむく方法です。包皮がむけたあとも継続して行わないと元に戻ってしまう場合もあります。

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