赤ちゃんとママ・パパのための情報
「いつもゆるゆるなのに、どこからが下痢?」と迷うママ・パパも多いはず。一方、うんちの回数がよその子に比べて少ないと「便秘?」と、気になることもありますね。心配のない下痢・便秘と、チェックが必要な状態とをきちんと知っておきましょう。
●いつもよりはるかにゆるい。
●ふだんより極端に回数が多い。
※回数が少なくても、突然水っぽくなったら下痢。
●毎日出ていたのに数日間出ない。
●うんちが硬くていきんでもなかなか出ない。
※一般に5日以上出なければ、便秘と考えられます。
●多少回数が増えたり、ゆるくても機嫌がよく、食欲があり、発熱など他の症状がなければ。
※回数が1日10回でも、毎日のことなら大丈夫。
※初めて果汁を与えた、離乳食で新しい食品を与えたなどによる一時的なことなら、様子を見て。
●3〜4日に1度でも、苦しまずにするりと出れば心配ありません。
●下痢とともに不機嫌に泣き、あやしても笑わない。
●飲みっぷり、食べっぷりが極端に落ち、顔色が悪い。
→脱水症※1の疑い
●白っぽい、水のような便になった。
→白色便性下痢症※2の疑い。
●下痢便に血液が混じっている。粘液が多量に混じっている。
●発熱、嘔吐、発疹などの症状を伴うとき。
●特定の食べ物を食べると決まって下痢をする。
→食物アレルギーの疑い
●おなかが張って食欲がない。
●月齢が上がるにつれて便秘が目立つようになり、体重の増えが鈍ってきた。
→ヒルシュスプルング病※3
心配な下痢に該当することがあれば早めに受診。脱水が疑われるときや血便は至急!
ヒルシュスプルング病※3は生後まもなくわかることが多いものの、軽い場合は、月齢が上がって便秘を繰り返すことでわかるケースも。
●こまめにおむつ交換をする。
●座浴やシャワーでおしりを洗う。
●湯ざましや野菜スープなどをこまめに飲ませて脱水を予防。
●綿棒やこよりで肛門を刺激。
●おなかを[の]の字の要領でマッサージする。
●離乳期なら、水分を多く取らせる。
●離乳完了期からは、野菜など繊維の多いものを増やす。
※1…脱水症
体内の水分が急激に失われた状態です。発熱や下痢が続くときはとくに起きやすいので注意しましょう。尿量が減るとともに、涙が出なくなったり、顔色が悪い、ぐったりするなどの症状があれば至急受診を。
※2…白色便性下痢症
ロタウイルスやノロウイルスによる感染症で、主に冬に流行します。いきなり吐き、その後、次第に下痢が激しくなります。うんちが白くなったり、やがて米のとぎ汁のようになることも。熱を伴うこともあります。脱水症を起こしやすいので早めに受診を。
※3…ヒルシュスプルング病
先天的に腸管壁内神経節細胞が欠如しているために、正常な腸の動きがうまくいかず、便の通過障害からがんこな便秘を起こします。たいていは乳児期早期に見つかります。
医学博士、日本小児科学会認定医。1980年東京女子医科大学医学部卒業、同大学小児科学教室に入局。研修医、助手、水野病院(足立区)、愛育病院(港区)などの外来を経て、現在、吉村小児科(文京区)院長。小石川医師会理事、日本小児科医会、子どものこころ対策委員会委員、日本外来小児科学会、アドボカシー委員会委員。地域で子育て支援セミナーの開催、子育て相談、ブックトーク、絵本の読み聞かせなどを行いながら、子育て支援に力を注いでいる。著作に、『はじめよう臨床医にできる子育てサポート21』編著(医学書院)他。
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