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トイレ・トレーニング
よくあるご質問

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トイレ・トレーニングを始める時期、季節は?

  • おしっこの間隔があかなくても、2歳を過ぎたら始めるの?(2歳1カ月)
  • 夏に始めないとうまくいかないって本当?(1歳9カ月)

膀胱におしっこをためられる量には個人差があるうえ、膀胱の感覚が過敏ですぐにおしっこをしたくなる子もいます。2時間以上間隔があかなければ、しばらく様子を見ましょう。体のしくみが整う一歩手前のところにいるのかもしれません。ただ、2歳半から3歳の間には一応スタートを。あまり遅く始めると、おむつをはずすと不安になってトレーニングに支障をきたすことがあるからです。

季節はとくに関係ありません。夏はおしっこの量や回数が減ること、薄着になること、洗濯物が乾きやすいなど、トレーニングを進めるうえでのメリットがありますが、体の発達と季節は無関係だからです。おしっこをためて我慢できる状態になっていれば、冬でもうまくいきます。

いつ、どうやってトイレに誘えばいいの?

  • ときどきトイレに誘いますが、出たことがありません。(1歳11カ月)
  • トイレを嫌がり、抱いてさせようとすると暴れます。(2歳2カ月)

最初からトイレで出なくても焦ることはありません。場所に慣れるのが最初のステップだからです。でも、あまり空振りが多いと、子どもも何のためにトイレに連れて来られるのかわからなくなってしまいますね。思いつきでトイレに誘うのではなく、おしっこのたまったときを見計らって連れて行くようにしましょう。モジモジするなどのシグナルを出したときや、おむつ替えから2時間近くたったときなど。「トイレでおしっこしてみようか」と声をかけて、『トイレ』と『おしっこ』を結びつけながら、排泄を促してみましょう。

トイレを嫌がるようになったときは、理由を考えてみましょう。トイレが暗い、水の流れる音が怖い、便座が冷たい、姿勢が不安定で不安など、意外なことが原因の場合もあります。思い当たることを一つずつ取り除いてみましょう。
トイレに可愛いシールを貼ったり、補助便座を使って座りやすくするのも、子どもの安心感を高めます。どうしても嫌がるときはいったん中断して、子どもからの「出たいサイン」を待って再スタートしてもいいですね。

おまるやトイレで遊んでしまう

  • おまるに座らせても乗り物感覚で喜んでしまいます。(1歳7カ月)
  • トイレに入るとペーパーを引っ張ったり水を流したがったり、遊んでばかり!(2歳1カ月)

まだ、おまるやトイレが排泄の場所だと理解していないのです。遊んでしまっても叱る必要はありませんが、それ以上続けていてもあまり意味はないので、さっさと切り上げてしまいましょう。毎回同じことを繰り返すようなら、トレーニングをしばらく休んでみてもいいですね。
その間に、友だちがおまるやトイレで用を足すのを見せたり、絵本やビデオでトイレの意味を教えるとよいでしょう。おまるやトイレに慣れさせたいがために、楽しい雰囲気で誘うのはいいのですが、おもちゃ感覚にさせてしまうと本来の目的を損ねてしまいます。

出る前に教えないのはなぜ?

  • ソワソワしているので「チッチ?」と聞くとこっくり。でも、いつも出てしまっています。(2歳4カ月)
  • トイレに間に合わず、おむつをはずすとその場でジャー。(2歳1カ月)

お母さんは「チッチ(したいの?)」と聞いているつもりでも、子どもは「出た」というつもりでうなずいているのかもしれませんね。出たあとの不快感はわかり、それをお母さんに伝えたい気持ちもあるのですが、出る前の「したい」という感覚を伝える段階になっていないのです。でも、出たあとで教えるだけでも大きな前進です。トイレ・トレーニングだけでなく、ほかの場面でも言葉でのやりとりをたくさんしていくといいですね。

また、何となくシグナルを発するもののトイレまで我慢できないという時期もあります。室内で出てしまっても、がっかりした顔はせず「出たー。よかったね」と喜んであげましょう。間に合わなかったことは、子どもにとって決して失敗ではないからです。逆に、おしっこが足を伝わる感じを知ることは、「おしっこが自分の体から出る」感覚を覚えることにもつながります。着脱しやすい衣類にして、すぐにトイレに行けるようにしてあげることも大切ですね。

一時トイレでできたのに後戻り!

  • 以前はこまめに連れて行くとトイレでできたのに、教える気配もないし、最近はトイレで出ないことも。(1歳9カ月)

2歳前にトイレでできたのは、たまたまタイミングがよかったのでしょう。トイレで出ないことが増えたのは、むしろ排尿間隔があいてきたせいかもしれません。タイミングで出るのと、自分でおしっこをしたいことを自覚して教えるのは別です。トイレには慣れたのですから第一段階はクリアです。
後戻りしたわけではなく、おしっこがたまったことがわかるようになれば、シグナルを出してくるし、自分から教えてくれるようにもなります。先を急がず、ゆったり見守ってあげましょう。

遊びに夢中になるとおもらししてしまう

  • 「おしっこは?」と聞くと「ナイ」。実は出ているのです。いったん教えるようになったのになぜ?(2歳6カ月)

何回か教えることが出てくると、すぐにもおむつがとれそうに思いますが、トレーニングに一進一退はつきものです。ほかに楽しいことや夢中になっていることがあると、おしっこが二の次になってしまうのですね。出ているのに「ナイ」と答えるのは、反抗しているわけではなく、今はそれどころではない、という心境だったのでしょう。そういう場面だったら大目に見てあげてください。「何で教えなかったの?」などと理由を聞いても、子どもにはうまく説明できないし、叱られたということしか心に残りません。

また、おもらしが嫌でひんぱんにトイレに誘うと、かえって頻尿になったり、出ていても教えないというようなことも出てきます。むしろ、自分から教えてくれてトイレでできたときこそ、うんと喜んで、子どもに教えることやトイレでする意欲を湧かせるほうが得策です。今までにだいぶ進歩してきているのですから、もとに戻るのにさほど時間はかかりません。

うんちを隠れてする

  • おしっこは出る前に教えるのにうんちはダメで、いまだにおむつの中。出たくなるとカーテンの陰に隠れたりするので気になります。(2歳10カ月)

うんちはおしっこと違っていきまないと出ないため、一番落ちつく場所でしたいという気持ちを持つ子どももいます。カーテンに隠れるのは、だれかに見られていると気恥ずかしくて集中できないのかもしれません。いきんでいるときに、すばやくトイレに連れて行く方法もありますが、子どもによっては無理にトイレに連れて行くと、緊張感からかえって出なくなってしまうこともあります。しばらくは、出たあとでお尻をきれいにしながら「今度はトイレでしてみようか」などと促す程度にしておきましょう。

また、うんちをもらしてその失敗をきつく叱られた経験があると、隠れてするようになる場合があります。もし、そうした事がきっかけになっているのであれば、うんちの後で「出てよかったねぇ」と伝え、子どもの気持ちをリラックスさせてあげましょう。

外出するときだけおむつにしてはダメ?

  • ほぼ失敗しなくなったので布パンツにしていますが、外出は不安。出かけるときだけパンツタイプのおむつにしてはいけない?(3歳)

最初のうちは、万一に備えておむつをつけていったほうが安心です。別にトレーニングが不徹底ということにはなりません。ただ、おむつをつけているから大丈夫と思わず、出かける前に「お出かけの前におしっこをしておこうね」とトイレを習慣づけましょう。公園に行く前などに練習しておくといいですね。
行き先では子どもの入りやすいトイレがどこにあるかをチェックしておきます。そろそろ出るのではないかなというときには、トイレの場所を確かめてから「おしっこしたくない?」と聞くなどの気配りをしましょう。

下の子が生まれたら教えなくなった

  • ほぼ完璧だったのに、出てからしか教えなくなってしまいました。出産までにはと思ってせっせとトレーニングしたのが水の泡です。(2歳9カ月)

下の子が生まれた直後は、さまざまな形で赤ちゃんがえりが起きます。お母さんを独り占めできなくなったことは、それなりにショックなのです。お母さんの気を惹きたい気持ちをわかってあげましょう。「お姉(お兄)ちゃんになったのにどうして?」という態度をとると、よけいにこじれてしまいかねません。

出てしまったあとでも「教えてくれてありがとう、さすがお姉(お兄)ちゃん。赤ちゃんとは違うね」という形で、自尊心をくすぐって自信を持たせてあげてください。また、下の子が寝ているときはたっぷり甘えさせてあげましょう。お母さんはいつもと変わらない、と気づけば、じきに元の状態に戻ります。トレーニングしたことは決して無駄だったわけではなく、体のしくみはちゃんと育っているし、出る前に教える力はあるのですから。

失敗を叱るのはいけないこと?

  • よその子はとっくにおむつがとれているのに、失敗ばかり。時々は叱ったほうが効果的なのかなと思ってしまいます。(2歳10カ月)
  • 着替えさせた直後におもらしされると、カーッとなってつい大きな声が出てしまいます。(3歳)

失敗が続くというのは、まだ発達の途中だからです。できないことを叱っても、子どもはストレスを抱え込むばかりで、かえって発達にブレーキをかけてしまいます。とくに、排尿をコントロールする力の発達は個人差が大きいので、よその子と比較して叱るのは禁物です。また、おむつ離れが遅いのはお母さんの責任ではありません。多少遅くてもいいではありませんか。いずれ必ずとれるのですから焦らないでください。

もちろん、お母さんも忙しかったり体調が悪いと、カッとなることもあるでしょう。でも、直後にかわいそうなことをしたなと反省するはずです。叱った後で気持ちがおさまったら、楽しく相手をしてあげて、傷ついた子どもの気持ちを癒すことを心がけましょう。

内海裕美先生

監修/吉村小児科
内海裕美先生

医学博士、日本小児科学会認定医。1980年東京女子医科大学医学部卒業、同大学小児科学教室に入局。研修医、助手、水野病院(足立区)、愛育病院(港区)などの外来を経て、現在、吉村小児科(文京区)院長。小石川医師会理事、日本小児科医会、子どものこころ対策委員会委員、日本外来小児科学会、アドボカシー委員会委員。地域で子育て支援セミナーの開催、子育て相談、ブックトーク、絵本の読み聞かせなどを行いながら、子育て支援に力を注いでいる。著作に、『はじめよう臨床医にできる子育てサポート21』編著(医学書院)他。

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