赤ちゃんとママ・パパのための情報
最初は、トイレがおしっこやうんちをする場所だということを覚えることからです。おしっこが出そうな頃合いを見計らって、トイレに座らせたり、抱きかかえてシーシーッと促してみましょう。とくに、朝起きたときやお昼寝のあとで、おむつがぬれていないときがチャンスです。おしっこが溜まっているので、偶然出ることが多いものです。
もし出なくても、がっかりしないで! いつまでも試している必要はありません。トイレに連れていく回数も1日3回程度で十分です。
頃合いを見てトイレに連れて行き、出る回数が増えてきたら、子どもの「したい感じ」に目を向けましょう。遊んでいる途中でソワソワしたり、パンツに手をやっていたら、「おしっこしようか。チッチ? うんち?」と声をかけてトイレに促します。これが、尿意や便意をしっかり自覚させることにつながります。
したい感じが何となくわかってきたときに、タイミングよく声をかけるのがポイントです。尿意や便意を感じてないときにトイレに誘っても、子どもはその気になれません。また、トイレに間に合わなくてもがっかりしたり、叱ったりしないように。
出る前に自分から教えるようになる時期です。言葉で表現できなくても、お母さんやお父さんのところに来てパンツを脱がしてくれとせがんだり、手を引いてトイレに行こうとする様子が見られるようになります。こうなったら、おむつ卒業までもう一息。態度で示してきたときは、教えてくれてうれしいということをしっかり言葉で伝えましょう。
教えることが増えても急いで布パンツに切り換える必要はありません。失敗されたときにイライラしてしまいがちだからです。
ところで、トイレ・トレーニングは一進一退、一歩進んで二歩下がるようなこともしばしばです。いったんうまくいったからといっても、そのまま一気におむつがとれるとは思わず、あくまで子どものペースに任せてゆったりと進めましょう。
停滞してしまったり後戻りしたときは、いったんトレーニングを中止して、あらためて時期を見てやり直してもかまいません。むしろ、そのほうがうまくいく場合もあります。
医学博士、日本小児科学会認定医。1980年東京女子医科大学医学部卒業、同大学小児科学教室に入局。研修医、助手、水野病院(足立区)、愛育病院(港区)などの外来を経て、現在、吉村小児科(文京区)院長。小石川医師会理事、日本小児科医会、子どものこころ対策委員会委員、日本外来小児科学会、アドボカシー委員会委員。地域で子育て支援セミナーの開催、子育て相談、ブックトーク、絵本の読み聞かせなどを行いながら、子育て支援に力を注いでいる。著作に、『はじめよう臨床医にできる子育てサポート21』編著(医学書院)他。