赤ちゃんとママ・パパのための情報
おまる等のカタログを見ると「トイレ・トレーニングは6カ月から」と書いてありますが、うちの子はまだおすわりもできません。開始するタイミングとは? 何だか焦ってしまいます。
(桜ママ 6カ月)
「まだ先のこと」と思ってはいても、気になるのですね。そこで、結論から言いましょう。まず、トイレ・トレーニングを極端に早い時期から始めたからといって、おむつ離れが早くなることはありません。
また、おすわりができるようになることは、トイレ・トレーニングの開始とはまったく関係ないことです。ひとりでおすわりができるようになるのは6~7カ月頃からですが、その時期から便座やおまるに座らせても、あまり意味はありません。
なぜなら、おむつがとれるようになるには、便座やおまるに慣れる以前に赤ちゃんの側にいくつかの条件が整うことが必要だからです。それは次のようなことです。
1. の、排尿間隔がのびて2~3時間おきくらいになるのは、早くても1歳頃からです。それまでは神経系統の発達も未熟で、少したまると反射的に出てしまいます。2. の「おしっこが出た」あるいは「今、おしっこが出ている!」と気づくのも1歳過ぎ頃から。さらに3. の出そうな感じがわかるのは、個人差もありますが早くても2歳頃からです。
このように、おむつ卒業には、赤ちゃんの神経や体の発達が密接にかかわっています。さらに排泄機能の発達だけでなく、身振りや言葉で意思を伝えること、お母さんの言葉がけを理解できることなどの知的発達があって、初めておむつ離れができるのです。
トレーニングという言葉には、練習・訓練といったイメージがありますが、おむつはとるものではなくて「とれるもの」。あくまで赤ちゃんの発達に合わせて、自然におむつがとれるのを応援することなのです。
今はトレーニングのことは考えず、おむつが濡れたら取り替え、「シー出たね。さっぱりしようね」と声をかけて、おむつを替えると気持ちがいいことを感じさせてあげれば十分です。焦ることはありません。
医学博士、日本小児科学会認定医、子どもの心相談医。1987年筑波大学卒。1994年筑波大学大学院博士課程修了筑波大附属病院、(株)日立製作所水戸総合病院、茨城県立こども病院で研修。1996年4月より現職。
おすわりができるようになったら、トイレに座らせたほうが早くおむつがとれるのでしょうか…。
(ヒロトママ 5カ月)