赤ちゃんとママ・パパのための情報
以前に処方された解熱薬の座薬が残っています。夜間など急に発熱した場合、使ってもいいのですか?
(マインママ 2歳)
高熱で解熱薬の座薬が頓服として処方されても、必ず使わなくてはいけないわけではありません。使うかどうかは、熱の高さより赤ちゃんの全身状態を見て決めます。
38.5℃以上の熱でフーフー言いながらも、母乳やミルク、水分がとれて、熱のわりには機嫌がよく、夜間もちゃんと眠れるようなら使う必要はありません。38.5℃以上の熱のために不機嫌で水分さえもとれず、泣きぐずって寝つけないようなら、座薬を使って一時的に熱を下げてあげましょう。使うことで熱が下がり、その間に水分を補給したり熟睡できれば、体力の低下が防げ、病気に打ち勝つ力が蓄えられるからです。
ただ、解熱薬を使っても、病気の勢いが強いと熱が下がらないこともあります。しかし、解熱薬の効果は体温の下がり方だけで判断するものではありません。使った後、体温の下降はわずかでも、機嫌が良くなったり眠れるようになれば、当初の目的は達成したと考えてください。思ったほど熱が下がらなくても、解熱薬を使う前より落ち着いている場合は、たて続けに使うことは控えましょう。解熱薬を使って体温を36℃台まで下げてしまい、薬の効果が切れて40℃まで一気に上がるというようなことを繰り返すほうが、よほど体力を消耗するので、赤ちゃんにとっては大きな負担になります。
また、以前に処方された解熱薬を使うかどうかですが、正しい状態で保存してあり、処方からさほど月日がたっていない(6カ月以内)のであれば、夜間など診察時間外の発熱で心配なときに使ってもよいでしょう。ただ、解熱薬はそのときの赤ちゃんの体重によって量を決めて処方してあるので、十分な効果が得られないこともあります。また、たとえ、保存しておいた座薬を夜間緊急に使って熱が下がっても、翌日は必ず受診してください。
医学博士、日本小児科学会認定医、子どもの心相談医。1987年筑波大学卒。1994年筑波大学大学院博士課程修了筑波大附属病院、(株)日立製作所水戸総合病院、茨城県立こども病院で研修。1996年4月より現職。
飲み薬とは別に解熱薬の座薬が処方されました。夜間に高熱が出たら使うようにというお話でしたが、何度くらいなら使うのでしょう。
(PIPI 1歳6カ月)