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お悩み相談室

投稿日:2025年5月8日

Q.妊娠してから尿もれするようになり、産後も時々モレてしまいます。尿もれは自然に治まるものでしょうか?

妊娠中から尿もれするようになりました。産後は妊娠中ほどではないものの、くしゃみをしたときや大笑いしたときなどに、ちょっとモレることがあります。尿もれはこのまま自然に治まっていくのでしょうか?(30代女性)

A.産後、尿もれが治まったとしても、加齢とともに再び尿もれしやすくなります。今から骨盤底筋トレーニンングを習慣に。

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<回答した専門医>
女性泌尿器科医師
佐藤亜耶先生

くしゃみなど腹圧がかかったときに尿もれすることを「腹圧性尿失禁」といいます。原因は骨盤底筋のゆるみですが、妊娠中は大きくなった子宮に膀胱が圧迫されるので、ますます尿もれが起こりやすくなります。 骨盤底筋群は、膀胱などの内臓を下から支えるとともに、尿道を締めたりゆるめたりする働きがある筋肉の集合体です。骨盤底筋を締める力を鍛えれば、尿もれも改善するでしょう。

妊娠・出産で尿もれしやすい理由

妊娠中に尿もれしやすくなるのは、膀胱と隣り合わせの子宮が大きくなって、膀胱を圧迫するからです。とくに子宮筋腫があったり、子宮腺筋症だったりすると、その傾向が強くなるようです。また、妊娠すると女性ホルモンの影響で骨盤底筋がゆるみやすくなることも、尿もれを招く一因です。

中には、出産を機に尿もれしやすくなる人もいます。これは、分娩時に骨盤底筋がダメージを受けたことが原因だと考えられます。とくに、赤ちゃんが大きい場合や、分娩が長引いた場合、分娩時に鉗子や吸引で赤ちゃんを一気に引っ張り出した場合は、尿もれになる可能性も高くなるようです。また、体重が短期間に急増した人、出産回数が多い人、高齢出産の人も尿もれのリスクが上がります。

尿もれが自然に治っても油断禁物

妊娠・出産がきっかけで尿もれするようになった場合、産後に骨盤底筋のゆるみや損傷が回復すれば、自然に尿もれは治まるでしょう。これは筋肉が元の状態に戻るための自然治癒力が働くからです。ただし、腹圧をかける動作を続けている人や高齢出産の人は、筋肉の修復に時間がかかるので、尿もれも治りにくくなります。

また、どんな人でも骨盤底筋は加齢とともにゆるみやすくなります。産後しばらくして自然に尿もれが治まったとしても、何も対策せずにいると、40代、50代になるころには、再び尿もれに悩まされる可能性が高いでしょう。将来の尿もれ再発を防ぐためにも、日頃から骨盤底筋を鍛えることが大切になります。

妊娠中も産後も骨盤底筋トレーニンングを

腹圧性の尿もれを改善するには、骨盤底筋トレーニングがおすすめです。骨盤底筋は普段ほとんど意識することのない筋肉なので、意識することがトレーニングになります。

ティッシュを体の中に引き上げるようなイメージで、腟と肛門をしめることを意識してみましょう。3秒引き上げるのを10回で1セット。通勤中、家事中、入浴中など、いつでもどこでもできます。1日に5~10セット行ってみてください。 骨盤底筋トレーニングは体に負荷をかけるわけではないので、妊娠中から行って大丈夫です。産後も続けて、一生涯の習慣にしましょう。

骨盤底筋トレーニング 1日の回数目安 3秒締める 3秒ゆるめる×10回×5〜10セット

また、日常の姿勢に気をつけることも尿もれ対策になります。スマホを見るときのような猫背の姿勢だと骨盤はゆがみ、その結果、骨盤底筋もゆるみやすくなります。また、猫背だと腹圧もかかりやすくなります。座るときも立っているときも、背筋を伸ばし、骨盤が立つ姿勢を心がけましょう。

いすに座るときはタオルを活用。棒状に巻いたタオルをいすの上に垂直に置き、股の間にはさむようにして座ります。タオルが当たる部分(骨盤底筋)を意識します。

タオルで骨盤底筋を意識しやすくなり、よい姿勢を保つのに役立ちます。

今すぐできる!日常の工夫で尿もれケア

普段の行動や習慣が尿もれを悪化させていることもあります。骨盤底筋トレーニングに加えて、以下のポイントもチェックしておきましょう。

前抱きよりも、おんぶやベビーカー

例えば、前抱きの抱っこひもを使用して長時間歩くと、歩く振動を受けながら腹圧をかけ続けることになるので、 骨盤底筋に大きな負荷がかかり、ますます尿もれしやすくなります。そんなときは、休み休み移動するようにしましょう。または、おんぶやベビーカーがおすすめです。

便秘は早めに治す

便秘でいきみすぎるのも要注意です。 強くいきむ回数が多いほど骨盤底筋に負荷がかかるので、便秘は早めに治しましょう。特に妊娠中は便秘になりやすいのですが、便秘が続くようであれば、産科医に相談するのがおすすめです。

水分は常温でちょこちょこ飲む

尿もれが不安で水分を控える人がいますが、脱水症状を招くおそれがあるので、おすすめできません。それよりも、常温や温かい飲み物をちょっとずつ、こまめにとるようにしましょう。
この水分のとり方だと、 尿が一気につくられることがないので、尿もれを軽減できるでしょう。反対に、冷たい飲み物を一気に飲むと、まとまった量の尿が一気につくられるうえ、冷たいことが刺激になり、尿もれしやすくなります。

カフェイン、アルコール、炭酸を控える

カフェインやアルコールには 利尿作用があるので、妊娠・授乳中だけでなく、卒乳後も控えましょう。炭酸も 膀胱を刺激する働きがあるため、おすすめできません。
おすすめは麦茶、ルイボスティー、ハーブティーなどです。

塩分を控える

塩分を摂ると喉が渇きやすくなり、水分のとり過ぎにつながります。また、余分な塩分は尿として排出されるので、 尿の量が増えてしまいます。塩分控えめは健康によいだけでなく、尿もれ対策にもなります。

骨盤底筋トレーニングを継続しながら、これらのケアも行えば、尿もれは数カ月で改善することが期待できます。それまでは、 一時的に吸水ナプキンなどを上手に活用して、尿もれによるストレスを軽くしましょう。
中には生理用ナプキンやおりものシートで代用している人もいますが、生理やおりもの専用の製品には、尿を吸収する機能がありません。ムレによる肌トラブルを防ぐためにも、尿もれ専用の吸水ナプキンを使うことをおすすめします。

一時的に吸水ナプキンを上手に活用して

監修・回答した専門医

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女性泌尿器科医師
佐藤 亜耶 先生
自由が丘ウロケアクリニック院長

自由が丘ウロケアクリニック院長。日本泌尿器科学会認定専門医、医学博士。日本大学医学部卒業後、研修医を経て同大学泌尿器科に入局。以降、関連病院で診療経験を積み、2019年に女性泌尿器科・小児泌尿器科に特化した自由が丘ウロケアクリニック開院。日本泌尿器科学会、小児泌尿器科学会、女性骨盤底医学学会、日本夜尿症学会所属。女性と子供に特化した専門クリニックには、遠方からも相談に来られる患者さんが多い。

  • 【専門医監修】尿もれの基礎知識・お悩みQ&A

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