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  • <事務職> マーケティング・商品開発 No.08

【キャリアインタビュー】
化粧品を通じて、
ひとりひとりの個性が輝く
未来を創りたい

化粧品事業 シニアマーケター
文学部 2002年卒業

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【キャリア年表】

1年目~3年目(途中)

店舗営業/グループ販売会社 出向


3年目(途中)~7年目

マーケティング(カウンセリングブランド)


8年目~12年目

マーケティング(マスブランド)


13年目(途中まで)

マーケティングサポート(メディア関連)


13年目(途中)

マーケティング(プレステージブランド)
※15年目からマネジャー(現呼称はシニアマーケター)
※18年目は育児休職期間を含む

入社13年目

プレステージブランド担当直後は、
驚きと戸惑いの日々

百貨店で主に展開されているプレステージブランドを初めて担当することになり、後に「KANEBO」ブランドの立ち上げ、そしてリブランディングに携わりました。それまで担当していたマスブランドは、マーケティング施策で売れ行きや市場シェアが変動する要素が大きく、また当時は競争関係もかなり明確でした。結果も週次でダイレクトに把握できることから、ブランドチームでは、常に競合との競争に一喜一憂を共にし盛り上がっていました。一方でプレステージブランドは、総合的なブランド力がシェアに寄与する要素が大きく、百貨店化粧品フロアのブランドの顔ぶれの通り競争関係も複雑です。定量データも整っているとは言えません。この違いに最初は大きく戸惑いましたが、同時に強く惹かれ、面白さを感じました。
私がチームに着任した当初、当時の上司からは「一度マーケティングは捨ててくれ」と言われ、大変驚きました。また、日別や商品別といった細かな売り上げ額は、我々メンバーには開示されませんでした。上司の狙いは「数字に囚われてブランドの本質を失うようなことはしてほしくない」というところにあり、マスブランド時代は数値を軸に積み上げて構想していた私には、大きなスタイルの違いと感じました。
私の中でプレステージブランドの業務に魅了されるようになったきっかけの一つが、ブランディングやクリエーティブ制作の業務でした。ブランドの哲学や世界観・ストーリーを構築し、匂いや温度・空気感までも含めてブランドや商品の在りようを創り上げていく、この緻密さ・一貫性はそれまでの業務では経験してこなかったものでした。これらに真摯に向き合う中で、プレステージ領域の仕事の魅力に取りつかれるとともに、改めて化粧品マーケティングの面白さを実感しました。

入社15年目

満を持して発売された「KANEBO」

2016年、カネボウの化粧品事業80周年というタイミングで、「KANEBO」というブランドを立ち上げました。社名を冠したこのブランドは、80年の歴史に培われたテクノロジー・美容理論、過去生み出された数々の名品の知見、それら全てが結集されました。
しかしながら発売当初は、商品をご購入いただいたお客さまから高い品質評価を得る一方、思うようにお客さまの支持を広げることができませんでした。当時は事業体としてのカネボウ化粧品がある中でKANEBOを立ち上げるために、商品としては先に挙げたようなテクノロジーや美容理論・知見を結集する一方、ブランドとしてはこれまでのカネボウ化粧品とは異なる価値をつくりだすことに力点を置いていた側面があったように思います。その提案は今思うと、一部のお客さまにとっては魅力的と感じられる一方で、カネボウらしくない優等生的なものとして感じられ、自分に向けられたブランドとしてお客さまに選択していただくには至らなかったのかもしれません。
2018年には、リブランディングの話が挙がりました。私たちブランドチームのメンバーにとっては中長期スパンで商品体系を整備している中での事業判断でありましたが、「立ち上げ浸透を図り拡張している今、価値を作り出そうとしている中で、結論が出されてしまうのか」という思いから、複雑な心境でした。

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入社17年目

全ての想いを背負った、求心力あるコンセプト

リブランディング後のKANEBOは、「I HOPE. KANEBO/美ではなく、希望を発信する」というパーパスのもと展開しています。これは、ブランド立ち上げ時に結集したカネボウの資産に加え、カネボウ化粧品の歴史を見つめる中で、その時代ごとに女性にひいては社会に対して、ワクワクする未来を希望として提示し続けてきた点を継承しています。希望がないと言われる現代において、ひとりひとりが自身の内にある希望に気づき、ありのままに輝いてほしい。その想いがこのコンセプトに込められています。
パートナーである代理店からの広告クリエーティブ初回提案は、今でもはっきりと覚えています。ビジュアルには、「わたしが、こたえだ。」と大きく笑う女性、そしてその背景には青空がありました。女性の笑顔は、その人らしさが輝いて見えるとても素敵な表情でした。また、その人らしさが輝く姿を堂々と描く様に、すべてのひとが輝き誰ひとり取り残さないとも感じられるようなやさしさを感じました。一方で青空は、カネボウ化粧品が2006年に花王グループ入りした際に出された新聞広告での背景色のような水色で、また当時のコーポレートカラーが水色だったこともあり、それら全てを背負ったような色味のように私の眼には映りました。何より、明るくワクワクとした未来を期待させてくれました。高揚感と興奮を覚えるとともに、「ああ、このブランドすごくいい!!多くの人に届けたい!」と担当ながらに強く感じました。
立ち上げ以降、現在まで、多くのコミュニケーション・クリエーティブに携わっていますが、この時に感じた「すべてのひとが輝くこと」「明るくワクワクする未来を提示すること」を大切に考え、お客さまにとって真に意味あるものをご提供できるよう追い求め続けています。

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入社前~入社初期

「化粧品を取り巻くワクワクを創りたい」という想い

もともと化粧品が大好きで、化粧品会社に絞って就職活動を行っていました。化粧品自体もそうですが、化粧品を取り巻く文化が大好きでした。大学生の頃は、美容誌をはじめ女性誌を月に25冊ほど買っていた時もありましたし、コスメブランドのウェブサイトは更新の度に見て回っていました。また採用面接の際は、LUNASOLブランドのタイアップ広告を切り抜いて大事に持ち歩いていました。化粧品ブランドのコミュニケーションはテレビCMや純広告のイメージが強いですが、そのタイアップ広告からは商品に込められた思いや背景にあるストーリーが感じられ、無意識に惹かれていました。当時感じていた「化粧品を取り巻くワクワクに携わりたい」という想いが、今の業務姿勢の原点なのかもしれません。

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現在

「神は細部に宿る」を、チームで体現する

現在のチームでは、シニアマーケターを務めています。ブランドマネジャーのもとで、ブランドの中長期の在り方と、今後のブランドに必要なことを創っていく立場です。ありがたいことにブランドの売り上げもよく、急成長を遂げている中で、チームも大きく広がっています。その中で今大切にしていることは、「いかにチームとして熱量高く、ブランドにコミットして業務を進められるか」ということです。
クリエーティブを共に考えてくださる広告代理店の方とはよく、「神は細部に宿る」という話をしています。ブランドの世界観が、どの領域においてもどの粒度においても、一貫性をもってお客さまに香り立つように存在するのがブランディングの神髄であり、我々はチームとしてそれを創り上げねばなりません。また同時に、メンバーそれぞれが自身の仕事に誇りを持ち、のめりこむ感覚で向き合っている時に高いパフォーマンスが発揮されると思っています。
私はもともと、自身の想いを大切にして仕事を行うタイプでしたが、この役割になってからは、チームの在り方についてすごく意識をするようになりました。メンバーの話をよく聴き、日々の感情や働くモチベーションとブランド方向性との結節点を探りながら、皆が仕事を面白がれる環境づくりを行っています。チームとして神を細部に宿すモノづくりを、スクラムになって突き詰めていきたいと思います。

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今後目指すこと

化粧品を通じて、
ひとりひとりの個性が輝く未来であってほしい

プレステージブランドにおいては、商品が役に立つことを超え、ブランドとしてお客さまにどのような価値を提供するのかが、特に重要な要素となってきます。だからこそ、「自分自身がブランドのパーパスに真に共感できるか、相応しく振る舞えるか」をより意識するようになりました。「化粧品を通じて、ひとりひとりの個性が輝く未来であってほしい、その時を生きる人々に希望を持ってほしい」これは、ブランドの約束ですが、私自身が仕事を通じて実現したいことでもあります。
個人的な話にはなりますが、私には小さな娘がいます。娘が成長する社会はそのような世界であってほしいと思っていますし、KANEBOがその時に希望を生み出す役割の一翼を担っていれば幸せなことです。そうして次の世代にもつなげていきたい、と強く願っています。

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