
2025.12.17 New
#授乳 #赤ちゃんのお世話 #発育・発達
生後5カ月になると、昼間に起きている時間がさらに長くなり、親子で一緒に過ごす時間も増えてきます。赤ちゃんは手先の器用さが増し、寝返りができる子も出てくるなど、自分でできることが少しずつ広がります。
授乳やミルクの量、離乳食のタイミング、お昼寝や夜の睡眠リズムも徐々に安定してきます。この記事では、生後5カ月の赤ちゃんの成長や発達、1日の過ごし方などについて紹介します。
監修した専門医

小児科医師 (医学博士)
藤井 明子 先生
どんぐり発達クリニック院長
プロフィールを読む
小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。東京女子医科大学大学院博士課程を修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年よりさくらキッズくりにっく院長に就任。2024年より、どんぐり発達クリニック院長、育心会児童発達部門統括に就任。子ども一人ひとりの個性を大切にしながら、親御さんが抱える日々の子育ての悩みにも寄り添う診療を行うよう努めている。自身も3人の子どもを育てる親として、子育ての楽しさや難しさを身をもって感じており、親としての視点を大切にし、子どもとご家族の健やかな成長を支えることを心がけている。

生後5カ月の赤ちゃんは、生まれたときからかなり大きくなったように見えます。実際の成長を数値で確認し、この時期の発達の特徴も紹介していきます。
生まれたときと比べて身長は10cm以上大きくなり、体重は約2.5倍に。このころから、身長・体重の伸びが落ち着いてきます。また、個人差も大きくなってくるころです。
早い子は生後4カ月ごろから寝返りを始めますが、生後5カ月になると寝返りができるようになる子がさらに増えます。ただ、寝返りをする時期の早い・遅いには個人差が大きいので、この時期に寝返りをしなくても心配はいりません。
これまでにうつぶせ姿勢での遊びをしていなかったり、寝返りをするスペースがなかったりすると寝返りをしないこともあります。遊びのときに寝返りができるスペースを確保してうつぶせ姿勢にさせてみましょう。好きなおもちゃを少し離れたところに置いたり、大人が持って誘ったりしてみるのも、寝返りをさせるための1つの方法です。嫌がらない程度に試してみましょう。
手指の発達も進んできます。大人が渡したおもちゃを上手に持って振ったり、口に持って行ったりできるようになります。また、興味を持ったものは自分から手を伸ばしてつかむこともするようになります。
視覚がさらに発達し、立体感や距離感がわかるようになってきます。興味のあるものに手を出してつかむという動作ができるようになるのは、運動発達と共に視覚が発達することにも関係しています。また、音の聞き分けはさらに発達が進み、5カ月ごろにはママの声を聞き分けられるようになってきます。
記憶力が発達してママ・パパとそれ以外の人との見分けがつくようになることで、ママ・パパを見たり、あやしてもらったりすると喜ぶようになります。そこから発展して、人見知りが始まる子もいます。
人見知りにもいろいろなタイプがあり、大泣きする子もいれば、態度がほとんど変わらない子もいます。また、始まる時期にも個人差があります。
早い子では生後4カ月ごろから夜泣きが始まることもあります。夜泣きの原因は赤ちゃんの睡眠リズムがまだ未熟なためで、成長過程の一次的なものです。
生活リズムを一定にして整えることで改善することも多いでしょう。また、泣き止ませるために毎回抱っこや授乳をするとくせになりやすく、夜泣きが続く原因になりがちです。泣いたらそのまま背中をトントンして様子を見るのも1つの方法です。
【関連記事】

生後5カ月になると、母乳・ミルクを飲む量が安定するケースが増えてきます。離乳食を始める赤ちゃんもいますが、この時期は離乳食を始めても、始める前と同じ母乳・ミルクの量とタイミングで大丈夫です。
授乳間隔がだいたい一定になってきて、1回の授乳にかかる時間も短くなってきます。授乳回数は1日6~8回ほどで、授乳間隔は3~4時間程度です。夜中は飲まずに朝までぐっすり寝る子も出てきます。
ミルクは1回200~240ml、1日4~6回が一般的です。1回のミルクを飲む量にはムラが多いので、1日トータルで1000~1400ml程度と考えましょう。
離乳食を始めても、この時期は、まだミルクからの栄養補給がメインです。ミルクの量を減らす必要はありません。ミルクを飲む量が減るようなら、離乳食を食べさせる前にミルクを飲ませたり、離乳食の量を減らしたりしてみましょう。
混合栄養で1回の授乳ごとに母乳+ミルクを飲ませている場合は、赤ちゃんが飲みたいだけ母乳を飲ませてから、ミルクを飲ませます。ミルクの量は1回200ml以内を目安にします。
離乳食を始めても、この時期は母乳+ミルクの量を減らす必要はありません。母乳やミルクの飲む量が減るようなら、母乳→ミルクのあとに離乳食を食べさせ、離乳食の量が多すぎないか確認しましょう。
母乳の場合は3~4時間おき、1日6~8回ぐらいが目安です。母乳は赤ちゃんが欲しがるときに欲しがるだけ飲ませるのが原則ですが、授乳間隔が1~2時間おきなど頻回な場合は、3~4時間ほど間隔をあけるようにしていきましょう。なお、この時期は離乳食を始めても母乳からの栄養補給がメインです。

離乳食デビューは5〜6カ月ごろが目安です。以下のような離乳食を始められる様子が見られたら、少しずつ始めていきましょう。
離乳食は単なる食事ではなく、いろいろな目的があります。例えば、咀嚼(そしゃく)は練習することで身につけていく機能です。乳歯の生え具合とも関連していることから生後5〜6カ月ごろから開始するのが適切です。開始を遅らせてしまうと発達に支障が出ることもあるといわれています。
また近年では、生後5〜6カ月という適切な時期に離乳食を始めるのが、食物アレルギーのリスクが最も少ないとされています。
【関連記事】

生後5カ月ごろは、生活パターンを決めて毎日繰り返していくことが大切です。生活にリズムがつき、体内のリズムも整っていきます。

起きる時間、寝る時間、離乳食、お散歩、お風呂の時間はできるだけ毎日同じ時間にしましょう。夜泣きの解消にもつながります。
また、外泊や長時間のお出かけをするとどうしても生活リズムが崩れます。帰宅後はいつもの生活リズムに戻し、できるだけ静かに過ごすようにしましょう。
昼夜の区別がつくようになって、夜中の授乳回数が減ってきます。ただし、夜泣きが始まる子も多くいます。1日トータルの睡眠時間は平均14時間ほどですが、昼寝の回数や時間には個人差が大きいでしょう。
おむつ交換は、授乳の前後やお風呂のあとに行うことが多いので、1日8~10回程度が一般的です。
うんちの回数は個人差が大きいので、1日に数回から2~3日に1回までさまざま。おしっこはまだたまると反射的に出ます。
赤ちゃんが活発に動くようになると、思わぬ事故・けがが起こりやすくなります。以下のような点に十分注意しましょう。
このころの赤ちゃんは、手に取ったものは何でも口に入れて確かめようとします。危ないものが落ちていないか、よく確認しましょう。
また、おもちゃなどをなめている間にふたが開いて、小さい電池を飲み込んでしまうといった事故もあります。十分注意しましょう。
赤ちゃんを抱っこしているときなど、テーブルに置いた熱い飲みものやカップ麺などに赤ちゃんの手が届いてしまうことがあります。倒してしまい中身がこぼれて赤ちゃんがやけどする事故も起きています。「まさか届かないだろう」と思わず、熱い飲食物にも十分注意しましょう。
このころになると、話をするようにいろいろな言葉を発するようになってきます。おしゃべりしたり、赤ちゃんの言葉を真似てみたりしてコミュニケーションを取ってみましょう。
「いないいないばあ」も少しずつ楽しめるようになってきます。ただ、この時期はまだ短期記憶がさほど発達していないので、お試し程度に楽しむのがよいでしょう。
そのほか、鏡を見せて楽しむのもおすすめです。映った自分の顔に興味を持って不思議そうに眺めるでしょう。
生後5カ月ごろになると、何となく赤ちゃんの性格が見えてきて、「この子はおっとりさんかな?」「うちの子は甘えん坊さんかも」と感じることもあるでしょう。
赤ちゃんには、赤ちゃんなりの活動ペースや成長ペースがあります。とくにテキパキ行動できるママ・パパは、赤ちゃんのゆっくりペースが気になることもあるかもしれません。それでも、赤ちゃんのペースをまずは優先してあげてくださいね。

赤ちゃんのお肌はとてもデリケート。皮膚は大人よりも薄く、とっても汗っかき!*
おしっこによるムレムレ湿気、おむつの摩擦による刺激などから守るために、おむつ選びは「通気性のよさ」と「やわらかさ」がポイントです。
ずっと気持ちいいがつづく!上質な100%通気素材*で赤ちゃんの繊細な肌をやさしく守ります。

あわせて読みたい