
2025.12.17 New
#授乳 #赤ちゃんのお世話 #発育・発達
生後3カ月になると、体も泣き声もだんだんとしっかりしてきて、眠ってばかりの赤ちゃんではなくなってきます。ママとパパも赤ちゃんとの生活に慣れてきて、周りの様子に目が向くようになるでしょう。その分、赤ちゃんの成長や母乳・ミルクのことなどが気になり、心配になることもあります。
この時期の赤ちゃんの発達や、赤ちゃんのためにしてあげたいこと、注意すべきことなどを紹介します。
監修した専門医

小児科医師 (医学博士)
藤井 明子 先生
どんぐり発達クリニック院長
プロフィールを読む
小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。東京女子医科大学大学院博士課程を修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年よりさくらキッズくりにっく院長に就任。2024年より、どんぐり発達クリニック院長、育心会児童発達部門統括に就任。子ども一人ひとりの個性を大切にしながら、親御さんが抱える日々の子育ての悩みにも寄り添う診療を行うよう努めている。自身も3人の子どもを育てる親として、子育ての楽しさや難しさを身をもって感じており、親としての視点を大切にし、子どもとご家族の健やかな成長を支えることを心がけている。

首がしっかりして体もぐんと大きくなるこの時期。いろいろな面で個人差が出てきて、「うちの子の成長は順調かな」と気になってくるかもしれません。ここでは生後3カ月の赤ちゃんの、一般的な成長の目安を紹介します。
生まれたときと比べると、身長は10cm以上大きくなり、体重は約2倍に。筋肉や神経が発達して首がしっかりとし、おもちゃなどが握れるくらいの握力もついてきます。
また、表情がはっきりしてきて、機嫌がよいときはあやすと声を出して笑い始めます。その反面、ぐずり始めると反り返って大泣きするなど感情表現が豊かになり、大変な面もでてきます。
「首がすわる」とは、縦抱きにしたときに首がぐらつかずまっすぐ保つことができ、自分で顔を動かせる様子のことです。これは、筋肉と神経が発達した証拠です。
首がすわる目安は、生後3~4カ月ごろ。この時期になると、多くの子で首がかなりしっかりしてきます。ただ、まだすわりかけのこともあるので、縦抱きのときは必ず首を支えてあげましょう。
ハンドリガードとは、赤ちゃんが自分の手をじっと見つめたりなめたりする仕草のことです。生後2~4カ月ごろによく見られ、これは赤ちゃんが自分の手の存在に気づいたしるしです。手だけではなく、足の場合もあります。
そうやって手足をなめたりしながら、手足が自分の体の一部であることを理解し、意識的に動かせるようになっていきます。
生後3カ月ごろをピークに、夕方になるとなぜかぐずったり大泣きしたりする子が出てきます。なかでも、1日3時間以上、週3日以上、3週間以上その状態が続くものは「コリック(たそがれ泣き)」と呼ばれます。
原因は不明ですが、おなかにガスがたまるためという説もあります。赤ちゃんのおなかが張っているようなら、「の」の字マッサージをしてあげましょう。ただし、たそがれ泣きは長く続くものではないので、以下のような気分転換ができそうなことを試しつつ乗りきっていきましょう。

ママも赤ちゃんもかなり授乳に慣れてきて、飲ませやすくなってくるころです。ただし、乳腺炎や乳首の痛みなどの乳房のトラブルは、この時期までに起こりやすい傾向があるため注意しましょう。
飲み方が上手になるので授乳にかかる時間が短くなり、授乳間隔も決まってきます。また、だんだんと満腹中枢が発達してくるので、おなかがいっぱいになれば飲まなくなります。そのため、以前より飲む量が減ることもあるでしょう。
また、好奇心が旺盛になってきて、母乳やミルクを飲んでいてもほかのことに気を取られてキョロキョロしたり、途中で止まったりと飲み方にムラがでてきます。また、量の個人差も大きくなってきます。
母乳・ミルクの量が足りているか心配なときは、1日あたりどのくらい体重が増えているか確認しましょう。体重が15~20g増加していれば問題ありません。
ミルクは1回160~200ml、1日6~8回が目安です。1回のミルクを飲む量にはムラが多いため、1日トータルで1000ml程度と考えます。ミルクは腹持ちがよいので、授乳間隔があく場合が多いでしょう。しかしこの時期、泣いたら小刻みに授乳する状態をまだ続けている場合は、そろそろ3時間ほど間隔をあけて授乳するようにしていきましょう。
混合栄養で1回の授乳ごとに母乳+ミルクを飲ませている場合は、赤ちゃんが飲みたいだけ母乳を飲ませてからミルクを飲ませます。ミルクの量は1回200ml以内を目安にします。
この時期、ミルクを飲む量が減ってくることがあります。しばらく様子を見て体重増加を確認してみましょう。順調であれば母乳の量が増えていると考えて、ミルクを足す量、足し方を見直すのがおすすめです。例えば、毎回ミルクを足さずに2回に1回にするのも1つの方法です。不安な場合は、小児科や母乳外来で相談しましょう。
母乳の場合は3~4時間おき、1日6~8回程度が目安です。3カ月ぐらいになると、乳房がいつも張っている状態ではなく、赤ちゃんが泣いたときや吸い出したときに母乳が分泌される状態(さし乳)になってきます。
そのため、足りていないように感じることがあるかもしれませんが、授乳間隔があいて、体重も順調に増えているようなら足りていると思ってよいでしょう。
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生後3カ月ごろになるとようやく昼夜の区別がつき始め、生活リズムも整い始めます。よく寝る子の場合は、朝まで起きずに眠ることもあるでしょう。そんなこの時期の赤ちゃんの生活について、紹介します。
日中に起きている時間が長くなってきます。だんだんと昼夜の区別もつくようになりますが、まだ昼夜逆転している子もいます。
1日トータルの睡眠時間は平均14~15時間ほどです。個人差が大きいので睡眠時間が少なくても元気に過ごしているようなら心配ありません。
お昼寝が夕方以降まで続くと、就寝時間が遅くなりがちです。様子を見て途中で起こしてもよいでしょう。
生後3カ月ぐらいになると、うんちの回数は個人差が大きくなってきます。1日に数回する子もいれば、2~3日に1回という子もいます。毎日出なくても、排便時に痛みがなく、日ごろおなかが張って苦しそうにしていなければ問題ないでしょう。
おしっこは、まだ少したまると反射的に出る状態で、1日に15回ぐらいです。おむつ交換は、授乳の前後のタイミングやお風呂のときに行うことが多いので、8~10回ぐらいが一般的でしょう。
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これまでは反射的にものを握っていた赤ちゃんが、このころには自分の意思で物をつかんだり、握ったり手放したりできるようになってきます。
赤ちゃんが握りやすく音も楽しめるガラガラを用意してあげましょう。赤ちゃんは何でも口に入れて確かめようとするので、口に入れても安全な素材がよいでしょう。
新生児期は50cmサイズでしたが、3カ月くらいになると60~70cmを着る子が一般的。体型にも個人差が出てくるので、小さめ、細めの赤ちゃんでは60cm、大きめ、ふくよかな赤ちゃんでは70cmが適当でしょう(ただし、メーカーやブランドによって多少違いがあります)。
生活リズムを整えるために、朝起きる時間と夜寝る時間、お風呂の時間を一定にしましょう。お昼寝の時間や回数はまだまちまちな子もいますが、だんだんと決まってきます。また、午前中に1回お散歩の時間を設け、午後の起きている時間にも一緒に遊んであげましょう。
生活リズムが整うと、自律神経が安定して食欲や睡眠によい影響を与えます。

健診(乳幼児健診)とは、赤ちゃんが順調に成長・発達しているかチェックし、何か問題がある場合は、早めに治療につなげられるようにする場です。母子保健法に基づいて自治体が実施しています。
生後3~4カ月ごろは、赤ちゃんの成長・発達の節目。また、0~2カ月とは違った子育ての悩みも出てきやすいころです。健診では、子育ての不安や悩みなどを専門家に相談できる場にもなっています。ぜひ活用しましょう。
時期になると自治体から受診票が送られてきて、保健センターなどの公共施設や医療機関などで受けられます。
健診で主に確認すること
など
生後3カ月の赤ちゃんが安全に過ごせるよう、次のことに注意しましょう。
そろそろ赤ちゃんが室内を動き回ることを想定して、危ないものがないか確認しましょう。
生後3カ月になると好奇心旺盛で、気になったものは手でつかんで口にもっていきます。
赤ちゃんの口に入るサイズ(直径39mm:トイレットペーパーの芯のサイズ)より小さいものは、誤飲や窒息の原因になるため、近くに置いたり落としたりしないように気をつけましょう。とくに気をつけたいのは画びょうや小さい磁石です。できれば使わないほうが無難です。
この時期の赤ちゃんは、スキンシップ&声かけのふれあい遊びでコミュニケーションをたくさん取るのがおすすめです。
生後3カ月ごろになると、だんだんと赤ちゃんの個性が見えてきます。平均より小さい、細いなど、成長のペースがゆっくりな赤ちゃんもいるでしょう。
でも、比べたり焦ったりする必要はありません。1日1日、少しずつ変わっていくわが子の姿を見守り、「こんなこともできるようになった」「こんなに大きくなった」と、できたことや成長したことを一緒に喜んであげましょう。
ママもパパも、自分のペースで、笑顔で育児を楽しむことが大切です。

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