専門医に聞く!子育てお悩みQ&A
2025.05.29 New
#うんち #不調・トラブル #赤ちゃんのお世話
つねに食欲があり、下痢をしていても食欲は衰えません。消化のよいものを与えると、それではすぐおなかがすいてしまうようで「マンマ、マンマ」と泣き出します。何をどのくらい食べさせたらいいのでしょう。(1歳2カ月)
回答した専門医
小児科医師 (医学博士)
三井 俊賢 先生
医療法人社団育心会理事長
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小児科専門医、小児科指導医。慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程を修了後、慶應義塾大学病院に勤務し、同小学校・中学校で校医としても子どもたちの健康に携わってきた。医療法人社団育心会を立ち上げ「すべては子どもの笑顔のために」という想いで、小児科の枠を超え、子どもを取り巻くさまざまな面から包括的に支える診療に日々励んでいる。現在、3人の子育てに奮闘するパパとして、親御さんの気持ちに寄り添いながら、子どもたちやご家族に安心と笑顔を届ける医療を目指している。
ひどい下痢の場合はどんなに普段から食欲がある子でも食欲が衰えるので、ご相談者さんは軽めの下痢を経験されたのでしょう。
食欲があるのなら、母乳やミルク、その他水分は普段どおりに飲ませて、食事は消化のよいものであればいつもどおりに食べさせてあげましょう。極端に多くなければ、食べられるだけ食べさせてかまいません。
ひどい下痢で食欲がない場合は、脱水を起こさないように母乳やミルク、水分を中心にこまめに飲ませることができれば、離乳食は食べさせなくてもかまいません。離乳食を再開するときは消化のよいメニューから始めて様子を見ましょう。離乳食の段階は下げることなく、食べさせて大丈夫です。
ひどい下痢をすると、腸の機能が低下して乳糖を分解できなくなる「二次性乳糖不耐症」という症状を起こすことがあります。
ひどい下痢は治まって食欲もあり元気になったけれども、だらだらと2週間以上酸っぱいにおいのする下痢が続いている、おなかが張っているという場合は、その疑いがあります。
多くの場合は、乳糖分解酵素薬を服用し、乳製品を控えることで、徐々に回復します。ミルクを飲んでいる子の場合は、乳糖を含まないミルクをすすめられることもあります。
ただし、下痢をしたあとに二次性乳糖不耐症になるのを恐れて、医師の指示なく勝手に「ミルクを飲ませない、ミルクを規定より薄めて飲ませる」のはいけません。栄養が不足するために、かえって治りが悪くなる心配があります。
特にひどい下痢の場合は、体内の水分が多く失われてしまうため、脱水を起こす心配があります。離乳食前の赤ちゃんなら母乳やミルク、離乳食開始後の子なら母乳やミルクのほか、麦茶や湯冷ましなど赤ちゃんが飲めるものをこまめに飲ませましょう。
イオン飲料は下痢で失われがちなミネラルも含んでいるので、水分補給におすすめです。しかし糖分も多く含んでいるため、飲ませすぎには注意しましょう。飲ませるときは乳幼児用のイオン飲料にし、適量にとどめましょう。
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食欲がある場合は、消化のよいメニューを食べられる量だけ食べさせて様子を見ます。母乳やミルクは、普段どおりでかまいません。消化のよいメニューとは、食物繊維や脂肪分が少なくてやわらかいものです。おすすめのメニューは、野菜スープ、米がゆ、豆腐、卵、白身魚、すりおろしりんご、にんじん、かぼちゃ、じゃがいもなどです。
また、冷たいもの、糖分の多いもの、乳製品、柑橘類は避けます。
ちなみに、「ミルクや母乳も乳製品?」と思われるかもしれませんが、これらは消化がよいので心配ありません。下痢のときでも心配せず飲ませてあげましょう。
離乳食は、必ずしも段階を下げる必要はありません。近年では、早めに普段どおりの食事に戻すほうが、おなかの調子が回復しやすいことがわかっています。
食欲がない場合は、無理に食べさせなくてかまいませんが、母乳・ミルク、水分だけはこまめに飲ませるようにしましょう。
元気になったけれど下痢だけが長引いているというときは、下痢を引き起こしている何らかの問題があるのかもしれません。
元気になり食欲もあるけれど、1週間以上も下痢が続いているようなときは、一度受診すると安心です。また、風邪の症状が始まった、発疹が出たなど、違う症状が現れたときも受診しましょう。
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