赤ちゃんとママ・パパのための情報
熱があるときの水分補給は1日何回くらい必要でしょう。何をどのくらいの量飲ませれば良いのですか。
(かおりんママ 1歳)
発熱の際はイオン水が良いと聞きましたが、味が気に入らないのか全く飲んでくれません。麦茶や水、氷は口にしますが、それだけで大丈夫ですか? イオン水以外に、電解質が取れるものはありますか?
(まさクンママ 1歳8カ月)
医学博士、日本小児科学会認定医、子どもの心相談医。1987年筑波大学卒。1994年筑波大学大学院博士課程修了筑波大附属病院、(株)日立製作所水戸総合病院、茨城県立こども病院で研修。1996年4月より現職。
赤ちゃんはもともと体の水分量が多いうえに、おしっこを濃縮する力が未熟なので出ていく水分量も相当なものです。しかも、熱があるときは「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」といって皮膚や吐く息からもふだんより多くの水分が失われます。そのため、発熱したときはこまめな水分補給が必要になります。
飲ませるものは、湯ざまし、番茶、果汁、野菜スープ、乳児用イオン飲料など、赤ちゃんが喜んで飲むものなら、とりあえず何でもかまいません。1日何回と決めず、授乳と授乳の合間などに、ひんぱんに飲ませてみましょう。赤ちゃんは自分から「のどが渇いた」と言えないので、気づいたときにこまめに飲ませます。
量は赤ちゃんが欲しがるだけ十分に。結果的に多く飲ませることになっても、それによって不都合が起こる心配はありません。仮に、その後下痢が起きたとしても、それは水分の飲ませすぎが原因ではなく、むしろ下痢になったときこそよけいに水分補給が必要です。
母乳しか受け付けないときは、いつもより回数多く授乳して補います。それ以外の飲み物がとれなくても、母乳をこまめに飲ませれば水分は補給できるので安心してください。
乳児用のイオン飲料には、カリウムやクロール、ナトリウムなどの電解質がバランスよく含まれています。さらに、赤ちゃんの体液と同じ浸透圧に調整されているので吸収されやすいのが特徴です。とくに、発熱に加えて嘔吐や下痢があると、便や吐いた胃液から電解質も出ていってしまうので、乳児用のイオン飲料は適した飲み物と言えます。
ただ、乳児用のイオン飲料は薬ではありませんから、どうしても飲ませないといけないというものでもありません。赤ちゃんが好まず、ほかの飲み物なら飲むという場合は、イオン飲料にこだわらなくていいのです。野菜スープでも電解質は補えます。
なお、大人用のスポーツドリンクも電解質が含まれますが、電解質の濃度が赤ちゃん用に比べて濃いうえに、糖分が多めのものもあります。水分補給用として飲ませるのには適していません。
母乳なので哺乳びんから飲み物を受け付けません。発熱したとき、水分補給はどうしたら良いのでしょう。
(MOGU 4カ月)