赤ちゃんとママ・パパのための情報
おしっこの臭いは主にアンモニア臭で、尿が濃縮されるほど強く感じます。
尿を濃縮する力は2歳頃には成熟しますが、生まれてから徐々に濃縮力は育っているので、新生児期に比べて多少臭いが強くなってきても不思議はありません。
ある種の病気の中には、尿がふだんと極端に違って異臭を放つものもありますが、アンモニア臭が強いだけで赤ちゃんの機嫌がふだんと変わらず、よく飲んで遊ぶようなら、病気の心配はまずないと思っていいでしょう。
看護師さんからのアドバイスは、新生児期に尿の臭いからわかる先天性代謝疾患の一種についての注意だったと思われます。先天性代謝疾患の一部には、尿が独特の臭いを発するものがあります。新生児は尿を濃縮する力が弱く、汗腺もあまり発達していないので、多量に汗をかくこともありません。もし、新生児で強い臭いの尿が出たら、要チェックです。すぐに受診しましょう。
クマ太郎さんの場合、病気が原因というより季節が大きく関係していると思われます。夏は汗をよくかくので、汗によって体内の水分が出ていき、尿として排泄される量が相対的に減ります。その結果、自然に尿が濃縮され、濃く強い臭いになったのでしょう。
また、4~5カ月といえば果汁を飲む量も増え、離乳食も始まる頃ですから、そうした食品の影響によって尿の臭いが強くなった可能性もありますね。
水分摂取の間隔があいたり、汗をたくさんかいたりすると、濃くて臭いの強い尿が出ることがあります。また、母乳やミルクを飲む量が少ない場合も尿が濃くなることがありますが、その場合は尿の変化以前に、授乳間隔が極端に短くなったり、飲み終えたあとですぐにぐずり出すなどの様子が見られるはずです。そうしたことがなければ、一時的な尿の変化はあまり心配することはありません。
医学博士、日本小児科学会認定医、子どもの心相談医。1987年筑波大学卒。1994年筑波大学大学院博士課程修了筑波大附属病院、(株)日立製作所水戸総合病院、茨城県立こども病院で研修。1996年4月より現職。
夏を迎えた4カ月頃から尿の臭いが強くなりました。新生児の頃、看護師さんから「大人と同じような臭いのおしっこが出たら、どこかが悪い可能性がある」と言われたことがあり、心配です。
(5カ月 クマ太郎)