高血圧だと何が起こる?

ヘルシアは特定疾患を治癒するものではありません。
本サイトは、一般的情報提供を目的とし、特定商品の効果を説明するものではありません。

いつから始める? 何から始める? 血圧対策

よく耳にする「メタボ」という言葉、太った人のことでしょ? って思われてはいませんか?
いえいえ、血圧も深く関係しているんです。
「メタボリックシンドローム(通称メタボ)」は、内臓脂肪型肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることにより、動脈硬化が進行しやすい状態のことを指します。つまり、血圧もメタボを構成する危険因子の1つなのです。
メタボリックシンドロームという概念は、1999年にWHO(世界保健機関)が提唱したものです*1 。その後、さまざまな機関がそれぞれの診断基準を提唱したため、メタボリックシンドロームの考え方にはいろいろなものがあり、それにより基準も異なっています。大きく分けて、危険因子の重複を基盤にする基準*2,3と、インスリン抵抗性や内臓脂肪を基盤とした基準*4,5とがあります。日本では、内臓脂肪を基盤とした基準を採用しています*5。内臓脂肪が過剰に蓄積してしまうと、血栓の形成やインスリン抵抗性に関与するアディポカインという生理活性物質が異常に分泌されてしまいます。その結果、血栓を作りやすくなったり、高血圧になったり、インスリンが効きにくくなり血糖を下げる働きが弱くなって高血糖になったりするのです。
この「メタボ」を例えると、上流にある氷で覆われた湖面が徐々にとけ始め、下流にある滝つぼに向かって流れていく川の流れのようなイメージです(下図参照)。健康的な生活習慣を送っている時は、湖の氷は厚いので安定して穏やかに留まっていられますが、生活習慣の乱れが続くと氷がとけ始めて川へ流れ出し、肥満や内臓脂肪の過剰蓄積になるとさらに下流へ流されて、「メタボ」になってしまいます。「メタボ」の時点ではまだ元の状態に戻ることができますが、放置して何も行動を起こさないでいると、動脈硬化などが進行し、健康リスクが高まる状態になってしまいます。
あなたは今、この流れのどのあたりにいるでしょうか?

生活習慣を見直すことが、血圧を下げるカギ!
塩分の摂りすぎや運動不足など、「日々の生活習慣の乱れ」の長年の積み重ねが原因であることが多い高血圧
今日から、今から、生活習慣を見直してみませんか?
将来、重篤な病気に襲われないように、出来るところから、まず始めてみることが、とても大切です。

pic01

*1 World Health Organization: Definition, Diagnosis, and Classification of Diabetes Mellitus and its Complications, 1999 https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/66040/WHO_NCD_NCS_99.2.pdf?sequence=1&isAllowed=y
*2 Grundy SM, Cleeman JI, Daniels SR, Donato KA, Eckel RH, Franklin BA, et al. Diagnosis and management of the metabolic syndrome: an American Heart Association/National Heart, Lung, and Blood Institute Scientific Statement. Circulation. 2005;112:2735-52.
*3 Alberti KG, Eckel RH, Grundy SM, Zimmet PZ, Cleeman JI, Donato KA, et al. Harmonizing the metabolic syndrome: a joint interim statement of the International Diabetes Federation Task Force on Epidemiology and Prevention; National Heart, Lung, and Blood Institute; American Heart Association; World Heart Federation; International Atherosclerosis Society; and International Association for the Study of Obesity. Circulation. 2009;120:1640-5.
*4 Alberti KG, Zimmet P, Shaw J; for the IDF Epidemiology Task Force Consensus Group. The metabolic syndrome--a new worldwide definition. Lancet. 2005;366:1059-62.
*5 メタボリックシンドローム診断基準検討委員会. メタボリックシンドロームの定義と診断基準. 日本内科学会雑誌; 2005;94:188-203.

高血圧に潜むリスク

血圧が高いとこんなことに・・・
高血圧の問題は、自覚症状がほとんどないまま悪化し、そのまま放置しておくとやがて動脈硬化を促進してしまうことです。
その結果、日本人の死因の第2位である心疾患、第3位の脳血管疾患などの合併症を引き起こす恐れがあります。

pic01

監修:日本肥満予防症協会 副理事長 宮崎滋先生
1971年東京医科歯科大学医学部卒業。糖尿病、肥満症、メタボリックシンドロームの診療に従事。「よりよい特定健診・保健指導のためのスキルアップ講座」などを企画、開催。東京逓信病院外来統括部長・内科部長・副院長を経て、2012年より新山手病院・生活習慣病センター長、2015年より公益財団法人結核予防会理事・総合健診推進センター所長に就任。日本肥満学会副理事長、肥満症診療ガイドライン作成委員長等歴任。東京医科歯科大学医学部臨床教授。

Page Top