これまでに寄せられた様々なご相談を例にとり、具体的なアドバイス内容をご紹介します。
Mさん/70歳男性/要支援1
最近、頻尿気味で、夜中に3回ほどトイレに起きることがあります。日中は散歩に出かけますが、トイレに間に合わないのではないかと不安になり始め、外出頻度が減ってきています。 娘さんが5回分吸収の紙パンツを買ってきてくれたので使ってみましたが、暑い日が続いたこともあり、使わなくなってしまいました。外出時にズボンがもこもこしていることが気になって、散歩にも行かなくなっています。
紙パンツと一口に言っても、吸収量、厚み、はき心地など、商品によって異なります。 お身体の状況、主にトイレで排泄するのか主におむつで排泄するのか、交換頻度などで選びます。
下着の代わりにはく紙パンツは、高吸収で厚手のものでなく、下着のように薄くてやわらかい「超うす型」を選びましょう。
おむつには、通気性がないタイプもありますが、暑い季節はムレて肌トラブルの心配がでてきます。おむつも下着同様、快適性を重視して選びましょう。
歩いたり座れる方で、尿失禁が心配な場合は、紙パンツを使うことで、心配から開放され、今までと変わらない生活を送ることができます。夜間に何度もトイレに起きると睡眠不足になるだけでなく、転倒の危険も伴います。紙パンツを使えば、万が一の時も安心で、ぐっすりやすんでいただけます。
Oさん/79歳男性/要介護3
Oさんは、最近、腰痛がひどくなってきました。日中は、奥様が付き添ってトイレに行きますが、トイレに間に合わないことが多く、ほとんどおむつ内に排尿しています。
1日中、薄型の紙パンツと長方形の尿とりパッド(排尿2回分吸収、ズレ止めテープ1ヶ所)を使っています。尿とりパッドがズレて、ズボンが少し汚れ、奥様もニオイが気になっています。夜間、尿がモレてシーツを汚すことが週2~3回でてきました。奥様は、着替えや洗濯が大変なので、紙パンツからの尿モレをなくしたいと考えています。
歩いてトイレに行ける方でも、1日に何度もおむつ内に排尿する場合は、紙パンツに尿とりパッドを組み合わせて使いましょう。紙パンツを何度も交換する必要がないので、交換も楽で経済的です。その際に選ぶ尿とりパッドは、『紙パンツ専用の尿とりパッド』をおすすめします。 紙パンツ専用尿とりパッドは、前後2ヶ所にズレ止めテープがあり、紙パンツにすっぽりおさまる幅と長さなので、ズレずに、モレにくくなります。股間ももこもこせず、動きやすいので、使い心地も快適です。
高齢になると、夜間の排尿量は昼間に比べて多くなる傾向がみられます。紙パンツに、高吸収の尿とりパッドを組み合わせることで対応できます。夜用の尿とりパッドは、吸収量・幅等のサイズともに大きいので、何度か排尿があっても対応することができます。紙パンツ専用でないタイプ(テープ式おむつ用)の夜用尿とりパッドは、長さや幅が大きいので、紙パンツからはみ出してモレる心配がありますので、注意が必要です。
交換頻度や排尿量に見合った吸収量のおむつを選ぶと同時に、『消臭効果のあるおむつ』を選ぶと、使用者本人も、家族も気持ち良く過ごすことができます。
Sさん/73歳女性/要介護2
関節のリウマチで膝が痛むため、スムーズに歩くことができません。動かないため食欲も落ち、少しやせてきました。介助があればトイレに行くことができますが、1人暮らしのため、ヘルパーさんの介助がないときは、トイレに間に合わないので、ほとんどうす型の紙パンツ内に排尿しています。尿とりパッドは、手先が不自由なので使えません。夜間もうす型の紙パンツ1枚ですが、毎晩尿モレがあり悩んでいます。
不自由な身体で、夜間に何度もおむつの交換や着替えをしなければならず、睡眠不足にも悩んでいます。
夜間の長時間使用により、排尿量が1枚あたりの吸収許容量を超えていることが考えられます。紙パンツをうす型から高吸収タイプに替えてみてください。高吸収の紙パンツは5回分の排尿(750ml)に対応できます。
紙パンツは、まず身体にフィットしていることが大切です。身体にきちんと合ったサイズを選ばないと、すき間からのモレの原因になります。大きめのサイズを使っていると、脚まわりがゆるく、モレの原因となります。紙パンツは、ウエスト(胴まわり)に合ったサイズを選びましょう。
素材がかたいおむつは、しっかり引き上げにくく、おしり側が下がってしまいがちです。紙パンツの引き上げ不足がモレの原因にもなりますので、脚まわりや胴まわりが楽に伸び、ウエスト部分がつかみやすくてはきやすいおむつを選びましょう。
交換頻度や排尿量に見合った吸収量のおむつを選ぶと同時に、『消臭効果のあるおむつ』を選ぶと、使用者本人も、ヘルパーさんや家族も気持ち良く過ごすことができます。
Yさん/88歳女性/要介護4
Yさんは転倒して大腿骨を骨折し入院。その後、在宅で殆どベッド上での生活をしています。日中は家族が仕事で不在のためヘルパーさんがおむつの交換をしています。入院中から使用していた、立体ギャザーのあるテープ式に尿とりパッドを2枚重ねて使用しています。
床ずれ防止のために、横向きで寝ているが、朝になると脚まわりからモレて困っています。
尿とりパッドは尿が下に浸み込まない構造になっていますので、重ねて使っても意味がありません。
かえっておむつとお体の間にすき間ができ、尿モレしやすくなります。排尿量にあった尿とりパッドを1枚でお使いになることをおすすめします。
夜間尿モレするようであれば、夜間の排尿量だけでも計測し、排尿量に見合った尿とりパッドを選びます。
排尿量が多いようであれば、高吸収の夜用の尿とりパッドを1枚で使用します。
テープ式を使う時には、あて方に注意しましょう。立体ギャザーは尿モレを防ぐ防波堤の役割を果たします。おむつをあてる時、しっかりと立体ギャザーを立て脚のつけ根に沿うようにあてます。
また、尿とりパッドを組み合せるときは、尿とりパッドが立体ギャザーを潰さないように、テープ式の立体ギャザーの中に収めます。
寝たきりの状態で起こる尿モレの多くは、横向き寝が原因です。寝たきりの方は、床ずれ防止のために体位交換で1日の3分の2を横向きの姿勢で過ごしますが、横向き寝は尿が流れやすく、その9割が脚まわりからモレています。
また、寝たきりの方は、歩行をしないことで、筋肉が低下して脚が細くなります。このように、横向き寝で過ごすことが多かったり、脚が細くなり、脚まわりから尿モレがある方には、脚まわりに吸収体のあるテープ式をおすすめします。
Kさん/78歳女性/要介護5
Kさんは、便秘がちで、便秘が続くと気分が悪くなるなど不快感を訴えます。便が硬くなると排便が困難になるため、下剤を3日に1回服用しています。服用後には必ず下痢便になり、立体ギャザーのあるテープ式のおむつを使用しても、脚まわりから便がモレてしまいます。通常は、テープ式の中に昼用の尿とりパッドを使用していますが、下剤使用時には毎回便がモレるので、夜用の大きな尿とりパッドの上に昼用の尿とりパッドを重ねてみましたが便のモレは解決できず悩んでいます。
紙おむつは、尿などの水分を吸収するのには適しています。しかし、下痢便には水分以外にも未消化物や粘液などが混じっています。これらが紙おむつ表面の不織布の目づまりを起こしてしまうため、紙おむつでの下痢便の吸収には限界があります。そこで、下痢便や軟便を受け止めるための空間をつくることが大切です。下痢便の時は、尿とりパッドを使わずにテープ式1枚で使うことをおすすめします。
一般的なテープ式には、尿モレや便モレを防ぐ立体ギャザーがありますが、下剤服用後の下痢便は、一気に勢いよくたくさんの量が排便されるので、その勢いや重みに立体ギャザーが潰されてしまい、防波堤の役割を果たせなくなってしまいます。特に横向き寝で寝ている方は、脚まわりから便が流れでてしまうことがあります。
脚まわりを囲む吸収帯のあるテープ式で太股の付け根をしっかり囲んでしまえば、水分の多い下痢便が流れ出るのを防ぐことができます。
脚まわりを囲む吸収体のあるテープ式は、おむつを開いて交換するときにも注意が必要です。せっかく、脚まわりの吸収体で下痢便をせき止めたのに、テープをはずして一気に開いてしまうと流れでてしまいます。おむつの端の方から中央に向かって便をまとめるように、少しずつ丸めていきます。
Kさん/86歳男性/要介護2
Kさんは奥様とふたり暮らし。軽い脳梗塞で2ヶ月の入院生活を経て、自宅に戻りました。後遺症はないものの、筋力が衰え、思うように歩行ができません。昼間は紙パンツ1枚で使用し、奥様がトイレで介助をします。夜間は、紙パンツの中に夜用の尿とりパッドを組み合せていますが、尿モレがあります。 また、80代と高齢で小柄な奥様は、大柄なご主人のおむつ交換が肉体的に大きな負担と感じています。
退院後、間もない方の介護は身体的にも精神的にも状態に波があり、介護者の精神的・肉体的負担も大きくなります。
不安定な体調に応じて、紙パンツ、テープ式と1枚で使い分けることのできる、2wayパンツをおすすめします。2wayパンツは、1枚でお使いになっても6回分の尿を吸収することができます。また、脚まわりの立体ギャザーも高く、吸収体幅も広いので、寝ている時の横モレを防ぐことができます。
トイレでの介助は必要ですが、昼間は紙パンツとして上げ下げすることができます。夜間はミシン目を開いてテープを引き出し、テープ式としてお使いになることをおすすめします。
尿とりパッドの交換は、前を開いて楽に行え、交換後は、ミシン目を合わせてテープを戻せば、再びパンツとして上げ下げができます。
紙パンツとテープ式の2種類のおむつを購入する必要もないので、経済的です。
Tさん/87歳男性/要介護5
Tさんは、アルツハイマー型認知症が進行するにつれて記憶障害、妄想、判断力の低下、攻撃的な言動などの症状が現れました。現在はほとんど寝て過ごしていますが、日によって症状は大きく変化し、症状のよいときは、起き上がってベッドに座ったり、ポータブルトイレを使用することもあります。
テープ式に尿とりパッドを2枚重ねて使っていますが、毎朝モレがあり、洗濯物が増え、長年介護を続けてきた娘さんも精神的にも肉体的にも追い詰められた状態です。
おむつ交換の時に抵抗されると、おむつのテープを丁寧に止めることができません。2wayパンツなら、全体にギャザーが入っているので、ミシン目を開いてテープを引き出しテープ式にし、手早くテープを止めただけで、紙パンツのようにフィットします。
精神的に落ち着かれたところで、テープの位置を調整することで、ピッタリとおむつをあてることができます。
尿とりパッドは尿が下に浸み込まない構造になっていますので、複数枚重ねて使っても意味がありません。
かえっておむつと身体の間にすき間ができ、尿モレしやすくなります。排尿量にあった尿とりパッドを1枚でお使いになることをおすすめします。
また、認知症の方は、尿とりパッドを組み合せて使うことで違和感や不快感を感じ、尿とりパッドをはずそうとする行為をとりがちです。尿とりパッドがどうしても使えない場合は、2wayパンツ1枚でお使いになることをおすすめします。
認知症の症状や体調の変化に応じて、紙パンツとテープ式の切り替えが簡単にできます。ポータブルトイレが使える時は紙パンツとして、身体の調子が悪くベッド上でおむつを交換するときには、ミシン目を開いてテープを引き出し、テープ式にして使用します。
3年ほどテープ式おむつを使っていましたが、おむつからモレて困っていました。ふれあいダイヤルの専門の相談員が、親身にアドバイスしてくれ、まったくモレなくなりました。後日、電話をくれ、その後の状況確認だけでなく私と母の体調も心配してくれました。きめ細かい心遣いに、日頃の疲れもゆるみました。
(K様、50代女性)
看護士さんから「もうすぐ退院だから、おむつを用意してください」と言われましたが、どれを選んでよいかわからず途方にくれていました。お店におむつを買いに行きましたが、どれがよいかわからなくて、店員さんからふれあいダイヤルを紹介されました。体の状況や介護の状況を伝えると、我が家にぴったりのおむつを選んでくれ、使い方のコツも教えてくれました。サンプルと一緒に、わかりやすい使い方説明書も送って、感激しました。
(I様、60代女性)
今までいろいろなおむつを試しましたが、歩ける日もあれば、起き上がれない日もある父にぴったりのものがみつからず、困っていました。ケアマネさんから紹介してもらった2wayタイプのおむつが、父には丁度よかったのですが、介護でなかなか外出できず、近くに売っているお店を探しきれませんでした。ふれあいダイヤルに電話したら、近所の販売店を紹介してくれたり、宅配サービスがあることもわかりました。介護をしている私の立場をわかってくれ、丁寧に対応してくれてうれしかったです。
(S様、60代女性)