専門医に聞く!子育てお悩みQ&A

Q.赤ちゃんのあせも対策と予防、正しい方法は?【医師が回答】

2026.07.09 New

#赤ちゃんのお世話 #不調・トラブル

赤ちゃんの首にあせもができて赤くなってしまいました。背中も気づくといつも汗びっしょりで、最近は寝汗もかくようになって、あせもが増えてしまわないか心配です。(生後6カ月)

回答した専門医

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皮膚科医師
三井 理恵 先生

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日本皮膚科学会認定専門医。東京医科歯科大学大学院博士課程を修了。夫婦で仕事と3人の子育てを両立する中で、ママやパパが抱える毎日の大変さや不安を痛感。そうした経験を経て「自分の子どもを安心して通わせたい」と思えるクリニックを作りたいと想い、医療法人社団 育心会を立ち上げる。ミューザ川崎こどもクリニックでは、「自分の子どもに本当に勧められるか」という親の視点を大切にしている。クリニック全体で子どもとご家族にとって居心地の良い空間作りを目指し、不安を少しでも軽くできるようなサポートを心がけている。

A.赤ちゃんのあせも対策の基本は「清潔・通気性・保湿」です。あせもがよくならない・悪化する場合は早めに受診しましょう

赤ちゃんのあせも対策の基本は「清潔・通気性・保湿」の3つです。この3つを意識するだけで、症状がやわらいでくる場合もあります。
とはいえ、頑張ってケアしていてもあせもを繰り返してしまい、心配しているママやパパも少なくありません。

赤ちゃんの肌は、体表面積あたりの汗腺の数が多いので汗をかきやすく、皮膚のバリア機能もまだ未熟でデリケートなため、あせもができること自体は、めずらしいことではありません。 正しいケアを知ることが、繰り返しを減らす第一歩になります。まずは具体的なケア方法を確認してみましょう。

赤ちゃんにあせもができやすい理由

汗が肌に残ると、あせもの原因になることがあります。赤ちゃんは皮膚のバリア機能が未熟なため、外部からの刺激を受けやすく、あせもができやすいのが特徴です。
あせもは医学的には「汗疹(かんしん)」といいます。汗をかくと汗の通り道がつまり、行き場を失った汗が、周囲の組織を刺激して炎症を起こすことで、あせもが生じます。
また、通気性の悪い寝具や衣類が刺激となる場合もあり、寝汗をたくさんかく赤ちゃんはあせもができやすい傾向にあります。

赤ちゃんのあせもの特徴を知っておこう

パパに抱っこされる赤ちゃん

あせもには大きく3つの種類があり、ほとんどの赤ちゃんが「水晶様汗疹」と「紅色汗疹」のケースであるといわれています。

  • 水晶様汗疹(すいしょうようかんしん):透明で小さな水ぶくれ。かゆみはほとんどない
  • 紅色汗疹(こうしょくかんしん):赤くてかゆみのあるブツブツ。炎症を伴うこともある
  • 深在性汗疹(しんざいせいかんしん):肌色の盛り上がりで、かゆみは少ないが違和感がある

あせもができやすい部位は、首や肘、背中や胸などです。

ブツブツタイプのあせもは、風邪で熱が出た翌日の背中など「汗が一気に多量に出たとき」に起こりやすい傾向があります。

また、汗を吸った衣類やおむつが長時間肌に触れていることで生じる、赤いベタっとした紅斑(いわゆる「汗かぶれ」)の症状を「あせも」と思って受診される方も少なくありません。

外出して汗をかくときだけでなく、寝ているときにもあせもはできやすくなります。汗は体温を調節するために欠かせないもので、寝汗そのものは自然な現象です。
ただし、汗をかいたままにしておくと、あせもや汗かぶれにつながりやすくなります。
「汗をかいている」と気づいたときには、なるべく早めに着替えさせるか、やさしく拭いて
あげましょう。

赤ちゃんにあせもができたときの3つの対策

ママとパパに体を拭いてもらっている赤ちゃん

以下で紹介する対策を行いながら、症状をこまめに観察してあげてください。

涼しい室内で過ごす

あせもが悪化しないようにするには、夏は室温26〜28℃・湿度50〜60%を目安に、エアコンを上手に活用して、環境を整えましょう。

あせもは夏に起こりやすいイメージがありますが、冬でも汗をかいたままの状態が続くとあせもになる場合があります。
冬は、室温18~20℃・湿度40~60%を目安にしつつ「着せすぎていないか」も確認してあげましょう。

「エアコンをつけすぎると体に悪いのでは」と思われる方もいますが、赤ちゃんはまだ体温調整が未熟なため、一定の温度に保ってあげることが目的です。暑すぎたり寒すぎたりする環境の方が負担は大きいといえます。扇風機やサーキュレーターを組み合わせれば、風が直接当たらず調整もしやすくなります。

抱っこひもやベビーカーのシートなど、体との接触面がムレやすいアイテムを長時間使い続けることも避けましょう。室内でも抱っこひもをつけたままにしていると、背中にじわじわ汗がたまります。

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汗をかいたらシャワーか着替えを

汗をかいたままにしておくとあせもが悪化しやすいため、気づいたら早めにケアしてあげましょう。
可能なときは、シャワーで汗を流してあげるとよいでしょう。難しいときは、濡らしたタオルでやさしく拭き取ったあとに着替えさせるだけでも効果的です。着替えやシャワーはママやパパの負担が増えて大変ですが、あせもが続いているあいだは意識してみてください。

かゆみがあるときは正しく冷やす

あせもでかゆそうなときは、患部を冷やしてあげるとやわらぎます。ただし、保冷剤を直接肌に当てると低温やけどのリスクがあります。必ず清潔なタオルに包んでから当てるか、冷水で濡らしたタオルをそっと当てる方法にしましょう。

あせもを繰り返さないために普段からできる予防策

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「またあせもができてしまった…」とお悩みの方も、以下の予防策を日常のルーティンに取り入れてみてください。

通気性・吸湿性のよい衣類を選ぶ

普段から肌に触れる衣類や肌着は、通気性・吸湿性のよいコットン素材を選ぶのがおすすめです。しめつけが少なく、ゆったりしたデザインのものが首元や背中のムレを防ぎやすくなります。あせも対策だけでなく、赤ちゃんの肌トラブル全般の予防にも効果的です。

寝るときのパジャマも同様に、吸湿性の高い薄手の素材を選びましょう。「寒いかな」と厚着させすぎると、かえって汗をかきやすくなります。大人と同じ枚数ではなく、少し薄め・ゆったりめを意識してみてください。

冬場も要注意!こまめな体温調節を

「あせもは夏だけのもの」と思われがちですが、実は秋冬も注意が必要です。暖房の効いた室内は、思っている以上に気温が上がっています。「外が寒いから」と厚着をさせすぎると、衣類の中がムレて冬でもあせもができやすい状態になりがちです。
外出先から室内に入ったら1枚脱がせてあげる、室内では薄手の衣類に着替えさせるなど、こまめな体温調節を心がけましょう。

お風呂では体を優しく洗い、泡はしっかり流す

赤ちゃんの皮膚は薄くてデリケートなため、洗い方にも気をつけてあげましょう。
体を洗うときは、ガーゼではなく手のひらで洗うのがおすすめです。石けんはしっかり泡立ててから使いましょう。

とくに以下の部位は丁寧にケアしてあげてください。

  • 耳の裏:しわに汗や垢がたまりやすく、見落としがち
  • 首のしわ:肉付きのよい赤ちゃんほどしわが深くなり、洗いにくい場所。指を添えてしわを開くように
  • 肘のくびれ:関節の内側は汗が逃げにくく、あせもができやすい
  • お股:女の子はうんちが前側につきやすいため、前から後ろに向かって丁寧に。男の子はたまの裏側も忘れずに

季節関係なく日ごろから保湿を

赤ちゃんの肌は、季節に関係なく1年中しっかり保湿してあげることが大切です。とくに、秋冬は乾燥により皮膚のバリア機能が低下しやすく、少しの刺激でも肌トラブルが起きやすくなります。

室温を調節し、急激な温度変化を避けることに加えて、普段からのスキンケアがあせも予防にもつながります。
お風呂上がりに、できるだけ早く保湿してあげましょう。保湿剤(医薬品)は医師が処方したものを塗布するのが効果的です。スキンケアをするときは、皮膚の上にそっとのせるようなイメージで塗るのがポイントです。

皮膚が必要以上に乾燥しないためにはお風呂の温度も影響します。お風呂はぬるめのお湯(38〜40℃)が適温です。熱すぎるお湯は皮膚の油分を必要以上に落としてしまい、バリア機能を低下させることがあるため、冬場はとくに意識してみてください。

赤ちゃんのあせもで病院を受診するタイミング

以下のような症状がある場合は、早めにかかりつけの小児科や皮膚科に相談しましょう。

  • 赤みやぶつぶつが2〜3日経っても改善しない
  • かきむしって傷になっている
  • 患部が広がっている、汁が出たり、膿んでいる
  • 患部に熱感がある(皮膚科へ)、または全身の発熱を伴っている(小児科へ)

市販の塗り薬を自己判断で使うことは、おすすめできません。あせもに見えても、実は乳児湿疹やアトピー性皮膚炎のこともあります。原因が違えば治療法も異なり、誤ったケアをすると悪化するケースがあります。
「あせもかな」と思ったら、一度かかりつけの先生に診てもらうと安心です。

赤ちゃんにあせもができてもあわてず正しく対処しよう

赤ちゃんの肌を守るためには、日々のケアの積み重ねが何より大切です。
どんなに日ごろから気をつけていても赤ちゃんはあせもができやすいですが、早めに気づいて正しくケアができれば改善しやすいトラブルでもあります。赤ちゃんの肌は変化が早いので、翌日には赤みやぶつぶつが目立たなくなっていることもあります。
心配なことがあれば、かかりつけの先生に相談してみてください。

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