赤ちゃんとママ・パパのための情報
湿疹がひどく小児科で受診していましたが、処方された塗り薬をつけてもなかなかよくなりません。皮膚科を受診してはいけませんか?
(なおたんママ 1歳5カ月)
赤ちゃん、とくに5歳までの時期は、基本的に小児科が窓口です。皮膚のトラブルや目、耳の異常なども、まず小児科を受診して相談するようにしましょう。小児科は、小児の体と心のよろず相談的な役割も果たしているので、何でも相談するとよいと思います。
医師は、診察したうえで専門的な検査や治療が必要と判断すれば、必要に応じて近くの専門医や大学病院などを紹介します。他科を紹介されたときは、その病院を受診して、その後、紹介を受けた小児科を訪れたときに他科での診断、受診の経緯、処方された薬などを伝えるようにしましょう。それによって、小児科のかかりつけ医も赤ちゃんの異常の有無や体質などをより深く知って対処することができます。
ただし、大きな切り傷や深い刺し傷など縫合が必要なケガや、関節の脱臼などは、外科もしくは整形外科での処置が必要になります。しかし、お母さんでは外科と整形外科のどちらを受診すればよいのか判断がつきにくいこともあるでしょうし、近くに適切な医療機関がないこともありますね。出血多量とか、外傷に加えて意識不明という緊急の事態であれば救急車を呼びましょう。それほどでもない場合は、ひとまずかかりつけの小児科に相談して、診てもらえる病院を探してもらうといいかもしれません。
また、集団の定期健診や保育園の健診で、何らかの異常が指摘されて専門医の受診をすすめられたときも、その指示に従ってください。
ところで、なおたんママさんの相談ですが、小児科で処方された塗り薬をつけてもなかなかよくならないような場合には、皮膚科を受診するのもよいでしょう。その際、小児科で処方された薬の名前をきちんと伝えると、皮膚科の先生にとって、もう少し作用の強い薬にすべきなのか、まったく異なったタイプの薬を処方すべきかの参考になります。
また、それまでの塗り方(1日に何回、どのくらいの量を塗っていたかなど)も伝えてください。同じ薬でも塗り方によって、効果に差が出ることがあります。
皮膚科に限らず、耳鼻科や眼科の領域でも同様のことが言えます。小児科で処方された薬で症状の改善がみられない場合には、耳鼻科や眼科など専門性の高い科に転院するほうがよいことがあります。
最も望ましいのは、小児科医から皮膚科(眼科、耳鼻科)医に、「診療情報提供書」という文書を書いてもらって転院することですが、ママが忙しく複数の医療機関を一度に受診できないようなときには、少なくともそれまでの処方薬が何だったかわかるようにして、ご自身で転院するのもやむを得ません。
医学博士、日本小児科学会認定医、子どもの心相談医。1987年筑波大学卒。1994年筑波大学大学院博士課程修了筑波大附属病院、(株)日立製作所水戸総合病院、茨城県立こども病院で研修。1996年4月より現職。
小児科へ行ったほうがいい場合と、皮膚科やその他の専門医にかかったほうがいい場合と、どう判断して病院へ行けばいいのかわからない場合があります。やはり、まずは小児科なのでしょうか?
(まっちゃんのママ 1歳3カ月)