くらしの現場レポート
2017.07.31 | 生活スタイル
「大掃除」と聞くと「年末」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?年末の大掃除実施率は60%前後で過去5年間は横ばい状態です。でも、最近は年末だけでなく、夏など他の時期にも実施する家庭が増えてきているようです。年末以外の時期に行う理由や利点を聞いてみると、新しい大掃除の捉え方がみえてきました。
調査によると、12月以外の時期に大掃除をした世帯は44%。2012年より10%以上増え、特に5月、8月、10月の実施率が伸びています。近年では共働き世帯の増加などで、年末にまとまった時間を確保しにくくなったことや、各家庭の年末の過ごし方も多様化したことから、大掃除も時期をずらしたり前倒ししたりといった工夫をしているようです。
年末が忙しく、年内に計画通りに掃除ができなかったという経験は多くの家庭であるようで、まとまった時間を取りやすい5月のゴールデンウィークや8月の夏休みなどを利用して大掃除を実施する世帯が増えたようです。家族で協力してできるだけでなく、年末に掃除するより「寒くない」「手が荒れない」「汚れが落ちやすい」など、やってみると利点も多く、特に窓やベランダなどの外周りの掃除は夏のうちに済ませたいという家庭もありました。
大掃除を計画的に10月から11月にかけて早めにスタートするケースもありました。「週末だけしか掃除できないから、12月だけだと年内に終わらない。カーテンの洗濯は10月、床のワックスがけは11月、と計画を立ててやる」「まだ寒くないので、体も動くし、やろうという気持ちになる」など。年末には家中がきれいになって、気持ちよく新年を迎えられるよう着々と掃除を進めるようです。
「新年を気持ちよく迎えたい」という気持ちは、大掃除の実施時期に関わらず、多くの家庭で変わらないようです。5月や8月に実施している家庭でも、年末には新年を迎える準備としての掃除をしています。ただ、冬は寒くてつらい窓やベランダなど外周りや、気温が高い方が油汚れを落としやすいレンジフードは寒くない時期に振り分けるなど、年末にこだわらず、それぞれの生活スタイルに合わせてみるのも合理的な工夫と言えそうです。
網戸や玄関タイルなどの水を使う大掃除は、気温が高い時期にやれば乾きやすい
調査概要
「年末年始の大掃除実態」
◎2013年1月、2017年1月/インターネット調査/首都圏在住20~60代既婚女性/各1,000人
「大掃除と普段の掃除実態・行動観察」
◎2016年4~7月、2016年12月/家庭訪問インタビュー/首都圏在住20~60既婚女性/15人