2022.06.07
女性が40代後半頃から見舞われる更年期による体の不調。不安を感じる女性も多いのではないでしょうか。ここ数年は、男性にも更年期があることや、女性の更年期実態を把握し理解を深めようという社会の取り組みや、人生後半へ向けて体との付き合い方を見直すきっかけにしようという流れも生まれています。今の女性たちは更年期とどう向き合っているのでしょう。
閉経の平均年齢は50歳。女性の更年期はその前後5年の約10年間を指します。今回の調査では、閉経前の40代ではまだ当事者意識は薄く、「そろそろ更年期かもしれない」(47%)、「まだ更年期ではない」(30%)といった『これから』の意識が高いのに対し、50代になると「今まさに更年期だと思う」(44%)、「更年期は終わったと思う」(23%)が多数派に。また、同じ40代でも働き方によって更年期の自覚が異なることもわかりました。フルタイム勤務の人は、専業主婦と比べて「まだ更年期ではないと思う」人が多く、「今まさに更年期だと思う」人は少ない結果でした。働いていると更年期の症状に気付くのが遅れるのかもしれません。
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今回の調査では多くの女性が、更年期特有の不調について配偶者・パートナー、友人、母親、といった身近な人に理解や協力を求めていることもわかりました。中でも圧倒的1位が、配偶者・パートナー(59%)。そっとしておくのではなく、思うように動けない状況にあることをわかってほしいと願っているようです。日頃から「大丈夫?」「(自発的に)何かできることはある?」といった、ちょっとした声かけで、ホッとしたりするのではないでしょうか。
気持ちを緩めたり、自分と向き合うことで、思考整理もできた。更年期の不調を受け止め、頑張り屋さんだった自分を卒業するときと気付き、漢方外来を受診した。 (51歳)
母がすごい更年期で大変だったので、自分でもめちゃめちゃ調べた。40歳過ぎたら体力と代謝の両方大事!トレーニングを始め、サプリも飲み始めた。 (48歳)
体と心と、健康と美容は別々ではなく相乗効果だと思う。仕事でも私生活でも大きな心配があると眠りが浅くなる。お風呂にゆっくり入る、温かいものを飲んで寝る。 (53歳)
更年期のだるさで、仕事が追いつかなくなっていた。コロナになり、リモートワークの日は夕日をあびて入浴したり、夫とゆっくり家飲みして平日にまったり。 (51歳)
不調を伴う更年期は、これまで厄介なもの、よくわからないものとして捉えられてきましたが、人生100年時代と言われるようになって、その意味合いも少しずつ変わってきたようです。閉経を迎える50歳ごろはちょうど人生の折り返し地点。そこでやってくる更年期による不調は、自分のこれからの人生をどう過ごすか、体と心との付き合い方を見直すきっかけとしても考えられます。女性の更年期は、閉経を挟む前後10年間ほどの限られた期間です。やがて終わりはやってきますが、不調はやはりつらいこと。1人で我慢するのではなく、身近な人に話を聞いてもらう、つらい時は協力を求めるなど、SOSを出してみましょう。周りの人の力を借りながら一緒に乗り越える、ひいては社会全体で理解し更年期世代を支えることも、今後は必要になってくるのではないでしょうか。
更年期症状のセルフチェックにお役立てください。
調査概要
「健康と美容に関する意識実態調査」
◎2021年6~8月/オンラインインタビュー調査/首都圏在住40~50代有職女性/10人
「更年期の不調に関する意識調査」
◎2021年12月/インターネット調査/首都圏在住35~64歳女性/15,122人
「暮らしと健康に関する意識実態調査」
◎2021年12月/インターネット調査/首都圏在住40~59歳女性/927人