くらしの現場レポート
2017.05.23 | 生活スタイル
梅雨も近づき、温度も湿度も高くなる季節は食中毒が気になります。2017年1月の『くらしの現場レポート:家族の健康を守るため キッチンの意外な汚れに注意!』では、キッチンの蛇口の取っ手や手拭きタオルは菌による汚染度が高いものの、菌を意識した掃除やタオルの取り替えがあまりされていないことをレポートしました。今回は、掃除をしていても仕方によって菌の汚染度に大きな違いがある実態を報告します。
ふだんの調理台の掃除についてチェックしてみましょう。
調理台は水拭きだけで済ませることが多い
食卓や調理台は汚れが目立ったら掃除する
食卓と調理台を同じ台ふきんで拭いている
キッチンの手拭きタオルは毎日取り替えない
「あるある」と思った項目はありましたか?
1つでもチェックがついたら要注意!
調理台について、「目に見える汚れがなければ清潔だと思いますか?」とたずねたところ、約4割が「そう思う」「ややそう思う」と回答。見た目がきれいならば衛生的であると捉えている人は少なくありませんでした。しかし家庭内の菌汚染実態を調べてみると、特にキッチンや浴室などの水周りは、菌による汚染度が高いことがわかりました。
20~60代 既婚女性 3,810人 (花王 生活者研究センター調べ)
※画像をクリックすると拡大してご覧いただけます。
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今回、生菌数の目安として、少ない(103CFU未満)、やや多い(103以上~105CFU未満)、多い(105CFU以上)を文献等※を参考に設定しました。CFUはコロニーの数を示し、単位は拭取り検体あたり(CFU/10ml)。
※Ojima, M., et al. "Hygiene measures considering actual distributions of microorganisms in Japanese households." Journal of Applied Microbiology 93.5 (2002): 800-809.
菌の量が多ければ病原菌や食中毒菌なども相対的に多くなると考えられ、リスクが高まります。菌の増える要素は「水分・温度・栄養」。汚れが残っていると菌の栄養となり、高温多湿が重なるとあっという間に増えるため、より注意が必要です。せっかく掃除をしていても水拭きだけでは汚れを落とし切れません。台所用洗剤などを使って、汚れをしっかり落とすことが重要です。調理器具やシンクまわりの除菌もしておきましょう。食中毒予防のためにも、見えない汚れまで落とす掃除を日常的に行うことが大切です。食材を扱うキッチンの衛生には、気をつけたいものです。
調査概要
「家庭内の衛生環境調査」
◎2016年4~6月/インタビューと拭取り検査/首都圏在住30~60代既婚女性/14人
◎2016年6月/拭取り検査/首都圏在住30~60代既婚女性/30人
「くらしの研究 読者アンケート」
◎2017年3月/インターネット調査/20~60代既婚女性/3,810人