くらしの現場レポート
2015.07.29 | 生活スタイル
消費税8%から1年以上が経過。首都圏の主婦を対象に、増税直後から現在までの購買行動や引き締め意識などを継続調査したところ、増税の負担を感じつつも、上手にやりくりする主婦たちの姿がみえてきました。
増税直後(2014年4月時点)は、日用品・化粧品などを増税前に駆け込み購入した人が多く、引き締め意識に特に変化はみられませんでした。
ところが、増税3カ月後になると、「会計時に思ったより高いと驚くことがある」との声や、税込み表示から税抜き表示になったことへの混乱、「底値がわからなくなった」など、買い物時の戸惑いもあり、徐々に増税の負担感が増している様子がうかがえました。
家計の引き締めをしている人は、増税直後(2014年4月)には60%でしたが、増税3カ月後(7月)にはその負担感から68%に増え、1年後(2015年4月)も同様に高い状態が続いています。
20〜60代既婚女性 各調査500人 (花王 生活者研究センター調べ)
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この1年の行動を比較してみると、「買う物を決めてからお店に行く」「買い物の回数をなるべく少なくする」などが増加、「ポイントデーはつい多めに買う」が減少、ムダなものは買わない行動の変化がみられました。
20〜60代既婚女性 各調査500人 (花王 生活者研究センター調べ)
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増税後の1年を振り返ると、買い物に慎重になった時期もありましたが、リーマンショックや東日本大震災などを経て、変化への対応力も磨かれ、増税も自分なりの引き締めややりくりにより、現在は生活も落ち着いてきているようです。楽しみにお金をかけたい気持ちも強く、「メリハリ家計」は増税後も継続。「暮らしの満足度」も、増税前後ともに6割強が「満足」と、高いまま推移しています。増税分を家計の枠内に収め、身近な楽しみにも目を向けながら上手に暮らし、堅実に前進する姿がうかがえました。
(左)食材をムダにしないように、1週間の献立を立てる
(右)ささやかな楽しみも大切。期間限定のアイスを購入
調査概要
「消費税増税後の生活者」
◎2014年4月・7月、2015年4月/インターネット調査/首都圏在住20〜60代既婚女性/各500人
◎2013年5月、2014年1月・5月・9月、2015年1月・5月/インターネット調査/首都圏在住20〜60代既婚女性/各500人
◎2015年4月/家庭訪間インタビュー/首都圏在住20~40代既婚女性/8人