くらしの現場レポート

「見えるつながり」を大切に
家族と地域のおもいを引き継ぐ学生たち

2016.11.15 | 若者、グローカル

【くらしの現場レポート】「見えるつながり」を大切に 家族と地域のおもいを引き継ぐ学生たち

現在、日本では「地方創生」の政策や、Uターン、Iターン就職などを推進する活動が活性化しています。そんな中、地元で育ち将来も地方で暮らしていこうと考えている学生たちがいます。彼らはなぜ地元での暮らしを選び、どんな未来を描いているのでしょうか。青森・福井・宮崎の3県で話を聞いてきました。

「見える、リアル」を大切にする地方の若者たち

弘前・福井・日南に住む若者に人づき合いやSNSの利用、普段の買い物などについて聞いてみたところ、どの項目にもある共通点がみえてきました。それは、「見える、リアル」がベースになっていることでした。

彼らは、家族や地域とのつながりが強く、慣れ親しんだ人たちとの顔の見えるつき合いを大切にしていました。また、SNSはFacebookやInstagram(インスタグラム)で自分たちの生活を発信することには積極的ではなく、主にLINEやTwitterを友達との連絡ツールとして利用していました。買い物については、ネットでは商品の情報を見るにとどまり、1、2時間かけてもショッピングモールなどに出かけて、実物を見て選びたいという声が多いのも印象的でした。

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家族のおもいを引き継ぎ、堅実で安心感のある将来を

今回行ったエリアは共働き世帯が多く、祖父母に面倒をみてもらったという若者は、将来自分の子供も、同じように両親に見てもらいたいと話してくれました。また、車での送り迎えなど、家族に助けられた、苦労をかけたと感じている若者からは、これからは自分が返したい、家族のおもいを引き継いでいこうという意志が垣間見えました。それは地域とのつながりでも同様で、行事の担い手として次は自分たちがその役割を引き継ぐという意識が自然に芽生えているようでした。家族や地域の人々など「人とのつながり」、身近にお手本がある、堅実で安心感のある暮らし。そんなおもいも重なって地元での将来を選んでいるようでした。

教師になりたいと 親に話したら、喜んでくれて...それが自分でも嬉しかった(福井・男子大学生)

教師になりたいと 親に話したら、喜んでくれて...それが自分でも嬉しかった。(福井・男子大学生)

おばあちゃんのところに毎日のように人が来て、野菜などのやりとり。見守られてる感じ。(弘前・女子大学生)

おばあちゃんのところに毎日のように人が来て、野菜などのやりとり。見守られてる感じ。(弘前・女子大学生)

公務員のおじいちゃんに影響を受けた。退職後も地域との関係が続いて、いいなって思った。(福井・男子大学生)

年配の人がそばを作って振る舞う「そば会」に何十年か後に入る。町内の人が好きだから面倒だとは思わない。(福井・男子大学生)

「見えるつながり」のある地方の暮らしから学ぶこと

リアル志向な若者たちが選んだのは、将来を見通せる、堅実で、見えるつながりから生まれる安心感のある暮らしでした。彼らはその中で居心地の良さを感じているように見えました。彼らのような地方の若者たちの暮らしぶりを知ることは、自分たちの暮らしや地域とのつながりをあらためて見つめ直す、良いきっかけになるのかもしれません。

調査概要

「地方の暮らし研究 若年世代の生活とコミュニケーションの視点から」
◎2015年7月/グループインタビュー/宮崎県日南市在住19~22歳学生/6人
◎2016年3月/インタビュー/青森県弘前市及び近郊在住19~21歳学生/8人
◎2016年5月/グループインタビュー/福井県福井市及び近郊在住19~20歳学生/8人

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