達人コラム

株式会社ブームプランニング 代表取締役/中村泰子さん
無理せず自分なりの「かわいい」を目指す

2018.02.13 | 若者

【達人コラム】株式会社ブームプランニング 代表取締役 中村泰子さん

デジタルネイティブである「いまどき女子高生」の美容意識について、女子高生を中心としたマーケティング調査などで彼女たちのリアルを見続けてきた、株式会社ブームプランニングの中村泰子さんにお話をうかがいました。

セルフィーで被写体としての自分を研究

私は30年以上、女子高生のトレンドや動向を見つめ続けてきました。『くらしの現場レポート:自分の良さを活かして 盛りすぎNG!「自分の素を研く」女子高生たち』の、自分らしさを大切にして自分に合うものを敏感に取り入れているという結果は私も全く同感です。
 
今どきの女子高生は頻繁にセルフィー(自撮り)をしているので、どの角度から撮影すれば一番きれいに写るかなど、自分のことをよく知っています。美容行動やおしゃれにもSNS事情が大きく影響していて、2012年頃から女子高校生が一斉にスマホを持つようになり、LINEが爆発的に広まりました。追ってTwitter、2014年にはInstagramも加わり、女子高生のライフライン3本柱になっています。
 
2016年からはInstagramのストーリーズの登場でTwitterの立ち位置が変わるなど、自分の見せ方、表現方法の変化が絶えません。友達と一緒にしょっちゅう写真も撮りますし、写真を共有したり、SNSにアップしたり、自分をどう見せるか、どう見られるかという、被写体としての意識を常に持っています。

中村泰子さん

無理をせず、等身大の自分らしさが大切

今は、皆が憧れるカリスマ的存在がいません。親しみやすくて自分もちょっと頑張れば近づけるような、自分に雰囲気や顔が似ている同世代のモデルやインスタグラマーを好むので、目指す目標も人それぞれです。「なりたい顔」をお手本にしながら「自分らしさ」を追究していくのが、今どきの女子高生の特徴といえます。
 
1990年代のコギャルブームの頃は、髪の毛を茶髪にして、ハイブランドのバッグなどを持ち歩くことが流行しましたが、背伸びをして大人のまねをすることはかっこよくないと今の女子高生たちは無理をしません。メルカリやフリルなどのアプリを使って安い買い物をするのも得意、手の届く範囲で欲しいものを入手したり、友達とお金を出し合って3,000円以上する口紅などブランドの化粧品をプレゼントしています。

スマホを見ていれば自分に合ったおすすめの情報がどんどんSNSのタイムラインやウォールにあがるので、自分の好みを早いうちから明確にして視覚的に好みの世界観を作っています。早くから好みを絞ることで視野を狭くしているのではとも思えますが、一定の期間が経つといきなり雰囲気やメイクのタイプを変えるので柔軟性も感じます。

中村泰子さん

女子高生の好奇心はつねにアップデート

1980年代から女子高生にインタビューを行ってきましたが、マーケティングの観点から見た女子高生の魅力は「変化」です。同じ女子高生でも1年生と3年生ではずいぶん違いますし、近年ではスピードがさらに増していて、流行の動きは1か月単位で変化し、半年もったらいいほう。流行りの情報は一気に拡散されるので、その瞬間は盛り上がりますが、すぐに見飽きてしまい、新しいものへ移っていきます。
 
デジタルネイティブと呼ばれる人達のことを、私はアップデート世代と呼んでいますが、情報が多様化しどんどん更新されていくので、今どきの女子高生を把握するのは一筋縄ではいきません。ガラケーを知らないスマホ世代ですから戸惑うことはしょっちゅうありますし、女子高生と同じツールを日常的に使いこなせないと、彼女たちの真意はみえにくくなりました。
 
でも、いつの時代も変わらないなと思うのは、女子高生たちの好奇心です。新しいものに対する感度はどの世代よりも敏感ですから、やはりとても興味深い年代です。

ナチュラルで健康志向、いい意味でとても堅実

スマホの台頭の影響もあり、とても変わったと思うのは親子関係です。今までは親から子どもに教えることが多かったけれど、スマホは子どものほうが圧倒的にくわしいですから、親が子どもから教えてもらう機会も増えたことで距離が縮まって関係性がフラットになり、仲の良い親子がとても増えています。スキンケアの商品や使用方法もお母さんと子どもでお互いに勧め合うこともあるようです。

それから、食事抜きのような無理なダイエットをする子も昔ほどいなくなり、全体的に健康志向になったのは良いことだと思います。今どきの女子高生は、メイクもナチュラルですし、髪の毛も茶髪より黒髪が主流で、みんないい意味でものすごく堅実で、今までみてきた中で今がいちばん落ち着いていると感じています。
 
無理をせずに自分の素材を大事にする根底には、ずっときれいでいたいという想いもあると思います。一方で、 ‘ナチュラルがかわいい’というのが今の流行りなので、つけまつげではなくまつげエクステに憧れたり、カラーコンタクトで目を少し大きく見せたり、気づかれない程度にプラスの方法も取り入れています。制服は着崩さず、きちんと着こなしていますし、清潔感があり大人から見ても清楚でかわいい子がますます増えていくのではないでしょうか。これからも女子高生から目が離せません。

中村泰子さん

「今どきの女子高生のSNS事情は、写真の投稿ではTwitter派とInstagram派に二分されている状態。人気のアプリのフィルターでいろいろな見せ方ができますが、やはり徐々にナチュラルな方向にいっているという印象を受けます。」(株式会社ブームプランニング プランナー/清水絵梨さん)

Profile

株式会社ブームプランニング 代表取締役 中村泰子(なかむらやすこ)さん

株式会社ブームプランニング 代表取締役
中村泰子(なかむらやすこ)さん

山口県出身。1988年に株式会社ブームプランニングを設立し、女子高生を中心としたマーケティングやセールスプロモーションを展開。活動に関わった女子高生は10万人にも上る。現在、未就学児から小・中・高生、大学生、OL、主婦、シニア層まで全国1万人以上ネットワークを広げ、さまざまな業種で企業の商品開発にかかわる。著書に『「ウチら」と「オソロ」の世代-東京・女子高生の素顔と行動』など。

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