達人コラム

洗濯アドバイザー 中村祐一さん
洗濯は肌の手入れと同じ。しっかり「美服ケア」しよう

2015.01.09 | 生活スタイル

【達人コラム】洗濯アドバイザー 中村祐一さん

20代ひとり暮らし女性の洗濯は、母親などお手本となる人が身近にいないため、見よう見まねの自分流になりがち。また、洗って、干して、たたんで、しまうという一連の工程には手間と時間がかかるため、「苦手」「面倒くさい」という人も少なからずいるようです。でも、どうせやらなければいけないことならば、前向きな気持ちで納得の洗い上がりを目指してみませんか? 今回は、実践的な洗濯講座も開催している、洗濯王子こと洗濯アドバイザーの中村祐一さんに、満足度がアップするアドバイスを伺いました。

洗濯の仕上がりにその人の内面や暮らしぶりが表れる

身にまとう洋服は自分の一部であり、その「人となり」が表れるものです。忙しすぎたり、日常生活がうまくいっていなかったりすると、部屋が散らかったり、机の上がごちゃごちゃになったりしがちですが、同様に洗濯物もつい溜め込みがちになったり、やり方がおざなりになったりします。そんなふうに洗濯した洋服を着ていれば、見た目の印象にも影響を及ぼすでしょう。つまり洗濯は、暮らしぶりともリンクして、全般的につながっているのです。

洗濯は洋服の「治療」のようなもの。健康に保つにはケアが大切

洗濯は大きく捉えると洋服の治療みたいなものだと思っています。治療の範囲にはいろいろありますが、洗濯機での洗濯はお風呂に入ったり、歯を磨いたりするのと同じで日常的なケア。「手洗い」でちょっとていねいに洗濯するのは、お肌のお手入れやセルフエステのように自宅でできるちょっと念入りなケアと言えるのではないでしょうか。体調を整えるためにエステや整体などに通ったり、不調があれば検査や治療のためにお医者さんの手を借りたりしますが、このプロの手というのが、クリーニング屋に任せる部分です。

自分でヘアトリートメントや美肌ケアを行うのもジムに行くのも、美容や健康維持のためにですが、それを洋服にもしてあげると考えてみてください。肌の状態はお手入れ方法や手のかけ方で差が出ますが、洋服だって同じこと。日頃のケアである自宅での洗濯は、洋服の美しさと健康を維持するために行うことと考えれば、少し楽しくなってきませんか。マッサージやエステに行くのもいいですが、日頃のケアで体や肌が健康でいられるのが一番ですよね。

中村祐一さん

「洗濯は洋服の治療。洋服を元気にしてあげたい」という中村さん。洗濯物に向けられるまなざしもとてもやさしい。

「難しい」「面倒」だと思ったら、あえて「手洗い」に挑戦!

くらしの現場レポート:洗濯は苦手?20代ひとり暮らし女性 満足度UPの決め手は「楽しさ」と「自信」』で、「手洗いが楽しい」という報告がありましたが、これはとても良いことだと思いました。洗濯物を手洗いすることで、手をかけていることが実感できて達成感がありますし、気分も変わります。また、洋服にも1着ごとに個性があり、手洗いやアイロンがけをするときはその洋服と1対1で向き合うので、じっくりと見ることができます。すると、ほころびているとかボタンが取れそうとかも気づきやすくなり、早めにケアできるので、洋服の寿命を延ばすことにもつながっていきます。

洗濯が難しく感じるのは、実は洗濯機まかせになっていて実感がないからです。どの洗剤を使ったらいいのかわからないというのも、教わる機会がなくて、衣類と汚れに対する洗い方がわかっていないためです。そんなときには、あえて手洗いしてみることをおすすめします。普段、洗濯機で洗っているTシャツでもなんでもいいので、実際に手洗いをしてみると、洗濯の手順やコツが理解できるようになります。
手洗いは、やるまでは面倒に感じるかもしれませんが、やってみると案外おもしろいと思いますし、やり方を調べて何か勉強することは、自分を高めることにもつながります。手洗いを毎日やるのは大変だけど、洋服のためにも気分転換のためにも、“たまに”でいいので、ぜひやってみてください。

中村祐一さん

「最近、うちでは土鍋でご飯を炊いています。最初は難しそうで敬遠していたんですが、やってみたら意外と簡単で、上手に炊けてご飯もおいしい。この達成感と満足感、洗濯の手洗いに似ていると感じました」

納得の洗い上がりの服を着て、気分を変えて外出しよう

洗濯で達成感が得られ、自信がもてるようになると、生活全般にもいい影響が出てきます。たとえば、洗濯の満足度が低くてなんとなく残念な洗い上がりのままだと、洋服の収納にも気を使わなくなり、クローゼットの中にグチャッと押し込んだり、せっかく洗ったのに吊しっぱなしになったりしがちです。でも、きれいに洗えて満足度が上がれば、きれいな状態にしておきたいので、収納する場所にも気を配るようになります。乱雑に押し込まれれば、洋服も息苦しさを感じるので、着るものを残し、着ないものは処分して整理をすれば、洋服も元気になりますし、結果的に部屋も片づきます。

また、白いシャツやブラウスは汚してしまうのが怖くて着られないという人がいますが、上手に洗えるコツをつかめば気軽に着られるようになり、おしゃれの幅も広がるでしょう。これまでとは違うタイプの洋服や納得の洗い上がりの服を着て、いつもは行かない場所に出かけてみるのもいいかもしれません。こんなふうに納得の洗濯が気分を変え、その後の行動を変えてくれることもあります。
「洗う」という言葉の語源は、「払う」にあるとも言われていますが、「払う」には身を清め、禍を払うという意味もあります。今、なんとなく生活も洗濯もうまくいかないと感じている方は、まずは洗濯に前向きに取り組んでみてはいかがでしょうか。

Profile

洗濯アドバイザー 中村祐一(なかむら ゆういち)さん

洗濯アドバイザー
中村祐一(なかむらゆういち)さん

長野県伊那市で、家業のクリーニング業を見て育ち、東京での修行後、三代目を継ぐ。同時にインターネット上で、全国の主婦に洗濯方法をアドバイス。TV、雑誌でも活躍し、「洗濯王子」の愛称で知られる。近年では講演や洗濯用品メーカーとのコラボ商品の開発など活動の幅は広がり、これまでに2,000人を超える主婦や芸能人などに洗濯方法を直接アドバイス。2014年、都内にSentaku Studioを開設。現在、より多くの人に洗濯の魅力を伝えるべく活動中。著書に『洗濯王子に教わるおうちで快適クリーニング!』、『おうちで簡単洗濯上手』、『幸せを呼ぶスマート洗濯』など。

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