知っておきたい!子育てお役立ち情報【専門家監修】

【医師監修】新生児の「沐浴」はいつまで?沐浴のやり方や注意すべきポイントも解説

2025.12.17 New

#赤ちゃんのお世話 #発育・発達

「沐浴って手順が多くて難しい」「両親学級で試してみたけれど心配」というママ・パパも少なくないでしょう。安心して始めるために、「なぜ大人と同じお風呂じゃダメなの?」といった沐浴でよくある疑問から、必要なグッズ、やり方まで詳しく紹介していきます。
両親学級でこれから練習する人も、練習した人も、ぜひここで予習・復習してみてください。

監修した専門医

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小児科医師 (医学博士)
三井 俊賢 先生
医療法人社団育心会理事長

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小児科専門医、小児科指導医。慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程を修了後、慶應義塾大学病院に勤務し、同小学校・中学校で校医としても子どもたちの健康に携わってきた。医療法人社団育心会を立ち上げ「すべては子どもの笑顔のために」という想いで、小児科の枠を超え、子どもを取り巻くさまざまな面から包括的に支える診療に日々励んでいる。現在、3人の子育てに奮闘するパパとして、親御さんの気持ちに寄り添いながら、子どもたちやご家族に安心と笑顔を届ける医療を目指している。

沐浴とは?新生児の沐浴はいつまで?

沐浴する新生児

沐浴とは、そもそもは体を水で洗い清めるという意味です。一般的には、新生児がお湯で体をきれいにすることを指します。大人が浴槽で入るお風呂(入浴)と分ける意味で、この言葉が使われます。

沐浴は1カ月健診で医師のOKが出るまで

生まれたばかりの赤ちゃんは、大人が入る浴槽ではない赤ちゃん専用のベビーバスで体を洗います。基本、1カ月健診での診察で大人と同じお風呂でもOKと判断されるまで沐浴を行います。

大人と同じお風呂ではいけない理由

新生児は免疫の働きが弱いため、大人と同じ浴槽では雑菌に感染する心配があります。とくにへその緒が乾燥するまでは、傷口から感染するリスクが高くなるためです。

沐浴のやり方と手順

一般的な沐浴の方法を順を追って紹介します。慣れるまでは、ベビーバスの中で赤ちゃんの体を洗うのが難しく感じるママ・パパもいます。滑りそうで心配なときは、赤ちゃんの体を支えてくれる便利グッズを使うのも手です。

① 着替えをセットし、お湯を張る

沐浴が終わったら衣類をさっと着せられるように、あらかじめ着替えを用意しておきます。また、ベビーバスのお湯が適温かどうか確認します。

② 沐浴布をかけて足からお湯に入れる

赤ちゃんがびっくりしないように、ゆっくりとお湯に入れていきます。沐浴布を体にかけてお湯に入れると、赤ちゃんが何かに驚いたときに起こるモロー反射が出にくく、安心する赤ちゃんが多いでしょう。

沐浴布をかけてゆっくりとお湯の中へ

③ ぬらしたガーゼで顔を拭く

片手で赤ちゃんを支え、もう片方の手でぬらしたガーゼで、目のまわり、おでこ、ほっぺ、鼻、あご、口と拭いていきます。目は目頭から目じりに向かってやさしく拭きましょう。

ぬらしたガーゼでやさしく顔を拭く

④ 頭を洗う

泡立てた石けんやベビーシャンプーを頭につけてやさしく洗います。洗ったらガーゼを湯につけながら泡を洗い流します。このとき耳に水が入らないように注意しましょう。
洗い終わったあとは、ガーゼで水分を拭き取っておきます。

やさしく頭を洗う

⑤ 首や体、腕を洗う

石けんやベビーソープをつけた親指と人差し指で「V」の字をつくり、首や脇にすべりこませて洗います。くびれは汚れやすいので、よく洗いましょう。
腕は、洗浄剤をつけた手で軽く握りくるくると回すように洗うとやりやすいでしょう。また、手のひらは意外と汚れています。小指のほうから指を入れて開いて洗います。

首や脇はVの字にした指ですべらせるように洗う

腕はやさしくなでるように洗う

⑥ 赤ちゃんをひっくり返し、背中とおしりを洗う

赤ちゃんの脇に大人の手を差し込んでつかみ、肩から胸を大人の腕に乗せるようにしながら、うつぶせ姿勢にひっくり返します。その状態で、背中とおしりを洗います。

背中とおしりはうつぶせ姿勢にひっくり返して洗う

⑦ 仰向け姿勢に戻して、かけ湯をする

赤ちゃんを仰向け姿勢に戻し、手おけで上がり湯(きれいなお湯)をかけ、石けんやベビーソープをしっかり洗い流しましょう。

かけ湯をしてしっかり洗い流す

⑧ やさしく体を拭いて、保湿する

お湯から上げたらバスタオルに包んで、しっかりと水分を拭き取り、保湿剤を塗りましょう。そのあとは、赤ちゃんが寒くならないように手早くおむつや服を着せます

首まわりや脇の下など水分が残りやすい箇所も忘れずに

沐浴の際に確認しておきたいポイント

生まれたばかりの赤ちゃんの体は、未成熟なところがいっぱいです。お湯に入れて体を洗うだけでも、大人とは違うということをよく認識しておきましょう。以下、沐浴を行う際に、気をつけておきたいこと、守りたいことについて紹介します。

沐浴をするタイミングは毎日同じにしよう

沐浴をする際は授乳30分以内を避け、なるべく毎日同じ時間に入れるようにしましょう。暖かい時間帯であれば午前でも午後でも大丈夫です。夜遅い時間に入れると寝つきが悪くなりがちなため、寝かせたい時間の30分~1時間前までに入れるのがよいでしょう。

沐浴時のお湯の温度は季節によって調節を

沐浴の湯温は暖かい時季では38~39度、寒い時季は40度を目安にしましょう。室温は24~26度くらいを目安にし、冬は暖かくしておくとよいでしょう。

沐浴の時間は10分程度に

赤ちゃんの体は小さいので、長くお湯に入れているとのぼせてしまいます。沐浴は長くても10分程度ですませるようにしましょう。
慣れないうちは緊張し手間取るかもしれませんが、慣れてきたら手早くできるようになります。余裕ができてきたら、気持ちよさそうにしている赤ちゃんに声かけをしてあげましょう。

沐浴は全身を観察するよい機会

沐浴は、赤ちゃんの全身をチェックするにはもっともよい機会です。皮膚が赤くなっていたりポツポツができていたりしないか、目やにが出ていないか、おへその様子はどうか、ほかにいつもと違っていたりするところはないか、毎回よく確認しましょう。

【関連記事】

こんなときは沐浴を控えよう

赤ちゃんの元気がないときや機嫌が悪いときは無理に沐浴しなくてもかまいません。ただし、沐浴をしないときは、お湯でしぼったタオルやガーゼで全身を拭いてきれいにしてあげましょう。

用意しておきたい&あると便利な沐浴グッズ

沐浴後に赤ちゃんをやさしくバスタオルで拭くママとパパ

沐浴では、ベビーバスは必須です。ただし、基本1カ月しか使わないので、おさがりやレンタル、中古を利用するという人もいます。ほかにも沐浴で必要なもの、ワンオペで沐浴をするときの便利グッズなども紹介します。

ベビーバス

浴室や室内で使うタイプのものから、キッチンシンクや洗面台で使うタイプ、空気を入れてふくらませて使うタイプ、折りたたみ式のものなどさまざまな種類があります。ライフスタイルに合わせて選びましょう。

湯温計

ベビーバスのお湯の温度を測る際に使います。ただし、湯温計で温度を測っても、必ずママやパパの手をお湯につけて熱くないかどうか確認してから赤ちゃんをお湯に入れましょう。

タオル

赤ちゃん用のものでなくてもOKですが、赤ちゃん専用のタオルを用意してあげましょう。肌ざわりのよいバスタオルが2~3枚あると安心です。

沐浴布・ガーゼ

沐浴布は大きいサイズのガーゼのことです。ベビーバスに入れる際、体にかけてあげると赤ちゃんが落ち着きやすくなります。
小さいガーゼは洗浄剤をぬぐい洗うときに使います。普段よだれなどを拭いたりするのに使っているものでOKです。

洗浄剤

赤ちゃん用のものを用意しましょう。ポンプ式で泡で出てくるもの、液体で出てくるもの、固形石けんなど、タイプはさまざまです。使いやすいものを選べばOKです。

保湿剤

沐浴後、皮膚が乾燥する前に塗ります。赤ちゃん用のものを用意しましょう。クリームタイプ、ローションタイプなどいろいろありますが、使いやすいものでOKです。夏はさらっとしたローション、冬はクリームと使い分けてもよいでしょう。

ベビーバスネット

ベビーバスにハンモック状につるし、その上に赤ちゃんを寝かせて沐浴ができる、便利グッズです。赤ちゃんを支えながら体を洗うのが大変という人は使ってみてもよいでしょう。

沐浴は赤ちゃんと触れ合う大切な時間

沐浴には、体をきれいにして、汗やおしっこ、うんちの汚れを洗い流すほか、皮膚トラブルを予防したり、血行をよくしたりする目的があります。
また、親子のスキンシップを深める時間としても大切です。
沐浴時は赤ちゃんの肌や全身の状態をよく観察し、赤ちゃんに安心しリラックスしてもらえるよう声をかけながら、親子で楽しいバスタイムを過ごしましょう。

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