【医師監修】新生児（生後0カ月）の赤ちゃんの特徴を解説！ミルクの量や体重増加の目安は？

「新生児期」とは、世界保健機関（WHO）の定義では、赤ちゃんが誕生してから28日未満までの期間を指しますが、一般的には生後1カ月未満（生後0カ月）のことをいいます。
新生児期は、ずっとおなかの中にいた赤ちゃんが、ママ・パパのサポートを受けながら新たな環境に順応していくための期間です。
この時期の赤ちゃんの体の特徴は次のとおりです。

出生時の赤ちゃんの身長と体重の平均値と、30日後の身長・体重の平均値は以下のようになります。

新生児期の赤ちゃんは、体重が1日に15～30gずつ増えていくのが目安になります。そして、1カ月で体重は約1kg、身長は3～4cmほど大きくなります。
ただし、数値はあくまでも目安で、身長・体重の伸びも赤ちゃんによって個人差があります。数値にはあまりとらわれすぎないようにしましょう。

新生児は体温調節機能が未発達で、さらに皮膚も未熟で薄く、皮下脂肪も少ないため、体温が環境の温度に左右されやすい傾向があります。
体温は平熱が37度前後と大人より少し高めですが、衣類は大人と同じか1枚多めと考え、たとえば大人がインナー1枚+ウェア1枚なら、赤ちゃんは肌着1枚+ウェア1枚+掛け物1枚といった具合にしましょう。

モロー反射
大きな音や急な動き、急な明るさなどの刺激を受けると、びくっとして両手を大きく広げ、その後、抱きつくように手足を縮めるしぐさのことです。
これは、何かに抱きついて身を守ろうとする防御反応といわれています。

把握反射
新生児の手や足の指のつけ根に大人の指などを置くと、ぎゅっと握る動作のことです。
これは、人間が木の上で生活していたサルだったころの名残で、木やママから落ちないようにするためのものといわれています。

吸啜（きゅうてつ）反射
唇や口の中に何かが触れると、強く吸う動作をすることです。
この反射によって、赤ちゃんは生まれた直後から母乳やミルクを飲むことができます。

探索反射
唇やほっぺに何かが触れると、その方向に顔を向けて口を開け、探すしぐさをすることです。
この反射も、生まれた直後から母乳・ミルクを飲めるよう備わった動きです。

歩行反射
赤ちゃんの脇を支えて立たせ、足の裏を床につけて前傾姿勢をとると、歩くように足を交互に出す動きをすることです。
これは、先々歩くための運動機能の基礎になる反射です。

原始反射の様子には個人差があるので、「うちの子は原始反射をしない」と思っても、実際はしているということもあります。反射のことで気になることがある場合は、出産した産院や小児科で相談しましょう。

新生児の五感は、多くがママのおなかの中にいるときから発達していて、外の世界で生きていくのに重要な役割を果たしています。
新生児の五感の目安は次のとおりです。

新生児期は、目が覚めておなかがすいている様子があれば授乳をするのが基本です。
ミルクの場合は比較的腹持ちがよいので3時間おきくらいの場合が多く、母乳の場合はもう少し短いこともあります。
目が覚めて泣いていたら、ゆっくりと抱き上げてみましょう。あやしても泣き止まず、前回の授乳から2～3時間たっているようなら、授乳の準備をします。

新生児期のミルクの量は、1回に80ml、1日に7～8回が目安です。ただし、赤ちゃんによって飲む量・回数には個人差があるため、ミルクのパッケージに記載されている目安を参考に加減しましょう。

新生児期は室内で過ごすことがほとんどで、またおなかの中でママからもらった免疫に守られているので、風邪などの感染症にかかることはほとんどありません。しかし、生まれつきや、出産時に生じたトラブルがこの時期に現れてくることもあります。もし、以下の症状が見られるときは、すぐに出産した産院または小児科を受診してください。

新生児の平熱は37度前後です。泣いたあとは多少高くなりますが、38度以上になったときは、何らかの病気が隠れていることがあります。急いで受診しましょう。

へその緒が取れたところに細菌が感染すると、おへそとそのまわりが赤く腫れて、膿が出たり、ただれて出血したりする臍炎（さいえん）を起こすことがあります。早めに受診しましょう。

誕生後の赤ちゃんの体内には、ビリルビンという物質が生理的にたまります。これにより、皮膚や目が黄色くなることがあり、これを「新生児黄疸（おうだん）」といいます。
ほとんどの赤ちゃんでは問題はなく、治療が必要なケースは産院に入院している間に診断され、症状に応じて治療が行われます。
ただし、なかには退院後に皮膚が黄色くなってくる（黄疸が強く出る）子もいます。その場合は治療が必要になるため、すぐに受診しましょう。