専門医に聞く！子育てお悩みQ&A

Q.ずっと寝ている新生児、起こして生活リズムをつけたほうがいい？【医師が回答】

2025.05.29　New

＃発育・発達　＃赤ちゃんのお世話

起こさなければずっと寝ています。早寝早起きを習慣づけたいのですが、この時期は起こさないほうがいいですか？（生後0カ月）

起床後1時間くらいぐずってからまた5時間くらい寝ます。寝すぎると夜中に寝ないかもしれないと思い、無理に起こしていますが、いいのでしょうか？（生後4カ月）

回答した専門医

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小児科医師 (医学博士)
三井俊賢先生
医療法人社団育心会理事長

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小児科専門医、小児科指導医。慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程を修了後、慶應義塾大学病院に勤務し、同小学校・中学校で校医としても子どもたちの健康に携わってきた。医療法人社団育心会を立ち上げ「すべては子どもの笑顔のために」という想いで、小児科の枠を超え、子どもを取り巻くさまざまな面から包括的に支える診療に日々励んでいる。現在、3人の子育てに奮闘するパパとして、親御さんの気持ちに寄り添いながら、子どもたちやご家族に安心と笑顔を届ける医療を目指している。

A.新生児〜低月齢のうちは自然な睡眠リズムを尊重してOK、リズムの調整は4カ月ごろから

新生児～低月齢の赤ちゃんの場合、たくさん寝ていても寝すぎているわけではなく、その時期の自然な睡眠リズムです。
確かに、早寝早起きの規則正しい睡眠リズムはとても大事です。しかし、睡眠リズムは脳の成長と関係していますので、発達に合わせて調整しなければ、赤ちゃんの自然の睡眠リズムをくずしてしまうばかりで、規則正しいリズムに慣れさせることはできません。しばらくの間は、赤ちゃんのリズムに任せましょう。

4カ月くらいになると、昼夜の区別がついてきて、昼間は起きている時間が多くなってきます。なかには昼夜逆転している場合もあるので、二人目のご相談者さんの赤ちゃんは、昼夜逆転のケースなのかもしれません。そうであれば、ぐずっている時間は遊んだり散歩したりして刺激を与えてみたり、お風呂の時間を夕方の一定の時間にしてみるなどして調整するとよいでしょう。

新生児〜低月齢の睡眠時間

赤ちゃんの睡眠時間には個人差があります。目安の時間より多くても少なくても、毎日機嫌よく母乳やミルクをよく飲み、体重が順調に増えているようであれば、問題ありません。

新生児〜生後1カ月

浅い睡眠と深い睡眠を短い周期で繰り返しながら1日のほとんどの時間を眠っている状態です。まだ昼夜の区別はありません。睡眠時間はおよそ16～20時間ほどです。

生後1〜2カ月

起きている時間が少しずつ長くなってきますが、睡眠リズムは新生児期と同様、短い周期で浅い睡眠と深い睡眠を繰り返しています。睡眠時間は16～17時間程度です。

生後3カ月以降

だんだんと昼夜の区別がついてきて、昼間に起きている時間が長くなってきます。睡眠時間の平均は15～16時間ほどです。5カ月前後から夜泣きが始まることもあります。

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授乳やお風呂などで起こすときはレム睡眠を狙って

よく眠っているときに赤ちゃんを起こすと、ひどくぐずってしまうこともあります。授乳やお風呂などで赤ちゃんを起こしたいときには、浅い眠り（レム睡眠）のタイミングにするのがおすすめです。

寝ていてもまばたきをしたり体を動かしたりしているときは浅い眠りのレム睡眠のとき。このようなときに起こすと、そのあとのぐずりが少なくてすみます。
また、声かけして抱き上げたり、赤ちゃんの足の裏を大人の親指で軽くこすって刺激したりしてもよいでしょう。

ずっと眠っていても様子はチェックしよう

よく眠っていると、つい赤ちゃんから目を離す時間が長くなりがちです。しかし、何かあっても赤ちゃんは大人に異変を伝えることができません。赤ちゃんに変わった様子がないか、必ず定期的に観察することが大切です。
そして、赤ちゃんが目を覚ましたときは、たっぷり授乳をして、抱っこをして、たくさん遊んであげましょう。